第一話 日常風景
朝5時15分。新聞配達のため、あわただしく走りまわるバイクのおとが響くなか、とあるマンションのとある一室で目覚まし時計が騒いでいる。
数秒後、それは止められた。・・・いや、破壊されたと言うべきか。壁に叩きつけられた時計は無残な姿で散っている。
「あちゃーまたやっちゃったか。」
時計を壊した張本人である彼女は笠原みお。
高校二年の彼女は少々わけあって今は1人暮らしをしている。
「今日の帰りまた100均よってかないと。」
これは彼女の日常茶飯事のことで、こうして一日がはじまるのだ。
彼女の容姿は、髪は肩にすこし届かないくらいの黒色で、身長は158センチ。赤ブチの眼鏡をかけていて、周りからみればだいぶ可愛い部類に入ってくる。だが、みおからしてみれば人並み以下らしい。
そんな彼女の通う学校は、自宅から電車と徒歩で大体30分くらいかかる。
朝食を食べ終え、身だしなみを整えて家を出るのは大体6時。
(七月にもなると朝でも暑いなあ)
パタパタとあおぎながら駅に向かう。
「お、みおじゃん。」
「あ、そら。おっはー。」
いま声をかけてきたのはみおの幼いころからの知り合いで、今も何かの縁なのか、同じクラスである、大和そら(やまとそら)。いわゆる幼なじみ(みおいわく腐れ縁)。
「そら今日は朝早いじゃん。」
「今日から俺たち二年の代だから朝練あんの。」
「でもそらは前からレギュラーだったじゃん」
「それはそれ。これはこれ。」
そういうそらを見てやっぱ見た目はやたらいいよなあと思うみお。
身長は176センチ。身体的に優れているわけではないが、劣っているわけではない。それよりも
ルックスがとても優れていて、それはそれは女子にモテモテだ。
みおは今まで何度も友人に、そらを紹介して!
と言われてはこんなやつのどこが良いんだと首をかしげるばかりである。
「そーいやそら。彼女はどうなった?」
「別れたよ」
「はい!?だってこの前付き合い始めたばっか」
「何か飽きた。」
「たらし!最低!」
「褒め言葉としておくよ」
ギャーギャー騒いでいる間に学校につく。
「よーお二人さん。おはよう。」
「秋人か」
「おはよー鈴木君」
鈴木秋人はそらのチームメイトで二人のクラスメイトでもある。
「みおちゃん今日も可愛いねえ」
「そんなこと言ったら彼女が泣くよ?」
「ははは」
「相変わらず軽いねえ」
ちなみに秋人とは中学のころからの知り合い。
「じゃまた後でねー」
二人とグラウンドわかれ、教室に向かう。
みおの教室は2ー4。席は窓際の前から二番目。
みおは席につくと、少しのんびりとする。
みおは吹奏楽部なのだが朝練はない。けれど、
この誰もいない朝の教室の雰囲気が好きなので
こうして早めに登校してくるのだ。
外からは朝練に取り組む運動部の声が聞こえてくる。窓から外をみると、サッカーグラウンドで
そらと秋人がパス練習をしている。
二人とも去年からレギュラー入りしていて、昨年サッカー部を全国まで導いた立役者なのだ。
しばらく外を見ていると、教室に1人女子が入ってくる。
「おはよー真央ちゃん」
「みおっちおはよう。」
真央ちゃん、こと金子真央はみおの親友で秋人と同じく中学のころからの仲である
「くうー。秋人かっこいいー」
「はいはいのろけはいいから」
「みおっち冷たいー」
そう秋人の彼女は真央なのだ。
「みおっちも彼氏作りなよー」
「興味ないからいらな〜い」
「頑固だなあ。みおっちは」
みおも実は彼氏が欲しくないわけではない。
ただ好きな人だとか憧れの人とかがいないだけ。
これからもずっと彼氏いない歴を更新し続ける気ですらいた。
今日の放課後までは・・・。
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「で何の冗談?」
「だから冗談じゃないってば。」
みおは告白をうけた。それも一番近くにいた
幼なじみから。




