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第十八話 水面下では・・・

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「うわあ露骨だなあ」


次の日みおが登校して下駄箱から靴を取り出そうとしたら中にがびょうが入っていたのだ。

冗談半分の軽い気持ちで覗いたら本当に入っていたので怪我はしなかったものの、なんだか複雑な心境になってしまう。


「おー女子って怖いねえ」


他人事のようにでもしなければ心が落ち着かないほどに。



その日はいろんな角度からの、かつ絶対にばれないような陰湿ないじめを見た。


教科書に書かれるいたずら書き、と言えればかわいいのだが、実際には心を傷つけるような内容ばかり。


真央やそら、秋人達といる時は害は無いのだが、一人でいる時を狙ってヒソヒソ話、しかもわざわざ聞こえるように言ってくるので、なおさらたちが悪い。



みおも普通の女子。傷つきやすいのも当然なのだ。・・・けれどそら達にはあえて隠し通した。心配かけたくはない。けれども誰かに助けて欲しい。矛盾と迷いが頭の中を何回も往復している。




そんな日々が始まってもう一週間も経っていた。エスカレートこそしないものの、改善の余地は見られなかった。


「なんかみお浮かない顔してるけどどーかしたの?」

「!ううん別に。」


「ふーん。じゃ悪いけど俺部活今日遅くまであるから、先帰ってて」

「うん頑張ってね」


手を振るそらに手を振り返す。なるべく不安であることに気づかれないように。





「ちょっと」

「!」


帰路で突然声をかけられ思わずビクッとする。

「西森君か」

「なんか久しぶりだね笠原ちゃん」


「なんか用?」

「そっけないな〜。・・・なんか最近変わったことない?」


「え!?」

「いじめられたりとか」


「!!・・・知ってたの?」

「まぁ、とあるルートからね」


「・・・。」

「あ、安心してねまだそらも知らないみたいだから」


「そっか。・・・どうすればいいんだろうね」

「笠原ちゃんはどうしたいの?」


「・・・とりあえず今の状況を抜け出したい。でも別れたくはない」

「じゃあなんでそらに伝えないの?」


「それは迷惑かけたくないから」

「ふーん。そらにとって迷惑になる?」


「うん。今は大事な時期だし、新人戦もあるし」

「・・・そらにとって笠原ちゃんに関わることは全部迷惑じゃないと思うよ」


「え?」

「笠原ちゃんと一緒にいるそらは輝いてる。それこそサッカーしてるとき以上にね。」


「・・・。」

「ま、笠原ちゃんがそうしたいなら止めないけどね。・・・・・・二人の絆はそんな簡単なもんじゃないよ」


そう言って拓也は去って行った。



みおも歩く方向を180度変えた。



・・・階段を登り目的地に着く。


「あらみおちゃん」

「あ、笠原さんどーも」


音楽室には幸い純菜と琴美の、会長、副会長コンビがいた。


「ちょっと時間あります?」

「ええ。かまわないわよ」

「はい。私も。」


「あのことなんですけど」

「・・・ちょっと場所を変えましょうか。」



そして屋上へと場所を移す。



「で、どうしたの?」

「まさかひどいことに?」


「・・・まあいじめられてるのは知ってますよね?」


二人はコクっと頷く。


「で、どうしたら改善できるのかと」

「・・・やっと頼ってくれるんですね!」

「ふう。まあいくつか手は打ってあるんだけど」


さすがはトップ2だ。情報収集は伊達じゃない。


「すでにいじめをした生徒の特定は済んでいるし、制裁も加えたわ」

「でも次から次へと新手がでるので・・・こんなときに会員数が多いことがアダになるなんて、ホント申し訳ないです」


「そっか、ありがとう。」

「でも頼まれたから今度からは結構大胆な行動を起こせるわ」

「はい!これからはもっと活躍出来ますから」


やっぱり二人はすごく頼りになる。けれど、


「ううん。これからも今まで通り水面下での手伝いをして欲しいの。」

「「?」」


「二人からはときどき情報提供とあとは、アドバイス、をお願いしたいの」

「どうして?」


「これは越えなきゃいけない壁なんです。私自身が越えなきゃいけない」

「でも・・・」


「琴美。ここはみおちゃんの言うとおりにしましょ。」

「・・・はい。笠原さん!いつでもなんでも言ってくださいね!すぐに飛んで行きますから」


「あはは。ありがと。じゃ私行きますね」

「みおちゃん。一人で溜め込んじゃダメなのよ。無理だけはしないでね」

「はい、大丈夫です。ほんとにどーもです」


そう言って屋上を後にする。

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