表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/16

第10話 計算違いの「ガチ恋」再利用計画

ちょっとおバカな連が登場しますw


配信開始から30分。

連(勝利)は、自分のスマホ画面を見て

深い溜息をついた。


コメント欄を埋めているのは、

白百合ももかの熱烈

(だが中身のない)なメッセージのみ。

かつて「新人期待の星」と

持て囃された面影はどこにもない。


(……静かすぎる。バグか?)


現実逃避気味に別端末を起動し、

入室通知をオフにした状態で

山本勇次の枠を覗き見る。


そこには、

数えきれないほどのリスナーがひしめき合い、

祭りのような熱気で溢れていた。

当然、その中心には

「ミサキ」が楽しそうに笑っている。


「白百合ももか:連くん、みんな最近どうしたんだろー?

全然来ないね」

ももかの無邪気な問いかけが

連の胸に突き刺さる。


「……いるところには、いるんだけどな……」


「白百合ももか:ミサキをブロックしてから、

当時の人たちガタッと来なくなったよね。

信者の子もいたのに」


「……ミサキの話はやめろって」


連が苛立ちを隠せずにいると、

画面に『社長が入室しました』という通知。


社長は閑散としたコメント欄を一瞥し、

容赦ない一言を投げ込んだ。


『社長:……え、何この状況? 放送事故?』


「『何この状況?』は俺が聞きたいですよ!」

連は思わず社長に対して逆ギレ気味に叫んだ。


『社長:え、なんで俺怒られてんの? 怖いんだけど』

社長の困惑したコメントに、

「やべっ」と我に返った連は慌てて

「すみません、八つ当たりです……」と平謝りした。


『社長:さっきちょっと調べたけど』と社長が続ける。


『社長:ミサキに大西直也を紹介したのは、

やっぱり山本勇次だったみたいだね。

そこから直也さんの人脈で、

他のトップ層に一気に輪が広がったらしいよ』


「……やっぱり」

連は確信した。

あの時、

自分が捨てた「ミサキ」というカードを拾い上げ、

最強のデッキに組み込んだのは勇次だったのだ。


「勇次さんとミサキ、仲が良すぎるんですよ。

ももかも見てみろよ」


連に振られたももかは、

『白百合ももか:えー、もしかしてミサキ、

その山本って人にガチ恋?』と、

いつもの「ガチ恋認定」を繰り出す。


『社長:ももかちゃん、

何でもかんでもガチ恋に繋げるのは良くないよ』


社長が呆れたように嗜めるが、連の耳には届かない。


「勇次さんの枠、完全にミサキが主役って感じなんです」


『社長:連、とりあえず

「特定の投げてくれる人」に頼り切るの、

もうやめな。

みんなで盛り上げるスタンスで行かないと、

太客から消えていくよ。

それに連鎖して、

投げないリスナーまで

居心地悪くなって来なくなるからね』


社長の正論が、今の連には毒のように染みた。


「……こうなったら、ミサキを戻すか」


ボソリと呟いた連の言葉に、ももかが即座に反応した。


『白百合ももか:はあ!? ミサキが戻ってくるなら、

ももか、もうここに来ないからね!』


最近、ももかの投げ銭額は目に見えて減っている。

口は出すが金は出さない。

そんな彼女の脅しに、連の心は冷ややかに動いた。


(……ミサキは、あんなに投げられるようになってる。

一時期は俺を死ぬほど好きだったんだ。

本気で謝れば、チョロいミサキのことだ、

きっと戻ってくるはず)


ももかが来なくなるなら、

それはそれで都合がいい。

そうさえ思い始めた連は、

自惚れに満ちた「和解プラン」を練り始める。


だが、彼は致命的なことを見落としていた。


今のミサキ(凛夏)は、

自分をバカにした男の謝罪を待つほど暇ではない。


彼女は今、

自分を正当に評価し、

守ってくれる山本勇次という「大人の男」の包容力に、

完全に夢中になっているのだ。


連の都合の良い妄想など、

今の彼女の世界には1ミリも存在していないことに

彼はまだ気づいていなかった。



お読み下さりありがとうございます

次回もお楽しみに♡

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ