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第8話 逆転のギフトランキング

唖然とする連が想像出来そうw


あの日、

未練たっぷりに「ブロック」のボタンを

叩きつけた連(勝利)にとって、

ミサキという存在は

「自分に執着する面倒な新人」として

記憶の隅に追いやられるはずだった。



それから半年後。

連は順調に「中堅層」としての地位を固めていた。


ある夜、

暇つぶしに新人カテゴリーのランキングを

眺めていた彼は、

持っていたプロテインシェイカーを

床に落としそうになった。


(……は? ミサキ? なんでまだここに……いや

レベルおかしくないか!?)


そこには、半年で「新人」の枠を

突き破らんとする勢いのレベルまで爆上がりした

ミサキの名前があった。


さらに目を剥いたのは、

彼女のギフトランキングだ。


1位、大西直也プロライバー

2位、健太(トップ層)。

3位、山本勇次。


(……三度見したわ。

なんで俺がDMの一通も送れない

雲の上のプロライバーたちが、

こいつの枠で札束ギフト投げ合ってんだよ!?)


自分が手放した「しなびた小石」が、

いつの間にか「巨大なダイヤモンド」になって

他人の手元で輝いている。


焦燥感に駆られた連は、

深夜にもかかわらず事務所の社長へ

震える指でメールを送った。



翌朝、事務所「ダブルスター」の社長は、

連からの必死すぎるメールを読み、

コーヒーを吹き出した。


「いや、自分からブロックしておいて何言ってんの、この子……」


社長は、ミサキの配信に連が乗り込んだことも、

マネージャー経由で全て把握している。

凛夏の動画も見たが、

あれは追い詰められた末の悲鳴のようなものだ。


正直、連の立ち回りの方が「子供か」と呆れていた。


(まあ、連は将来的にマネージャー候補として育てたい

お気に入りだけど……

今のミサキはうちの事務所の稼ぎ頭で、

トップ層との架け橋なんだよねぇ)


社長はニヤニヤしながら、意地悪な返信を打った。


『ミサキ? ああ、彼女はトップ層の誰かと

仲良くなったんじゃない?

なんなら、俺と大西さんは飲み友達だから、

今度配信枠で紹介してあげようか?』


「紹介」という甘い蜜を垂らされた連は、

自分の仕打ちを棚に上げ、

「さすが社長! お願いします!」と二つ返事で飛びついた。


運命の翌日。

大西直也の配信枠に、

社長は連を伴って「入室」した。


連は鼻息を荒くしてスマホを構えていた。


今日、レジェンド・大西直也と繋がれば、

自分もついにトップ層の仲間入りだ——。


しかし、画面を開いた瞬間、連の顔は引き攣った。


コメント欄の最前線には、

当然のように「ミサキ」と「山本勇次」が

鎮座していたのだ。


『勇次、ミサキ、さっきの演奏どうだった?』


『山本勇次:直也、今のミサキちゃんには少し

難しかったんじゃない?w』

『ミサキ:直也さん、すごかったです!』


(……ちゃん付け!? 呼び捨て!?

なんだよこの身内感、入り込む隙がねえよ!)


そこへ、直也が社長の入室に気づく。

「お、社長。お久っす!」


社長が「うちの事務所の連です、よろしく」と紹介すると、

勇次から事情をすべて聞いていた直也は、

一瞬だけ真顔を浮かべたが、すぐに笑顔になり


「ああ、よろしくなー。

……そういえば社長、

あんたの事務所『ダブルスター』だったよな。

ミサキもダブルスターじゃなかった?」


直也のわざとらしい一言に、

凛夏が『はーい!』と元気に返答し

社長に『社長、お疲れ様です!』と挨拶を送る。


社長は(やべっ、鉢合わせさせた……)と

冷や汗を流したが、もう遅い。


連は、画面の向こうで震えていた。


(先を越されてる……。というか、

俺が捨てた山本勇次とミサキが、

まだ、いや前より深く繋がってる……!)


格の違いを見せつけられた連は、

紹介された喜びよりも、

圧倒的な「置いていかれた感」に、

ただただ立ち尽くすしかなかった。



お読み下さりありがとうございます

次回もお楽しみに♡

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