フローリングベッド
厚手の紺色上着を脱ぎ捨てる。
心が、熱いのに、震えているの。
締め付けられて、言葉が出なくて。
声が破れるまで、泣いていたい。
寝室は暗くて、寒くて。
そこには、仮面を忘れた私が立っている。
こっちにきて、と、手招きしているの。
私は、その手をもぎ取ります。
頭が痛くて、割れて横になる。
そこはいつもフワフワじゃなくて痛いんだ。
あと一歩なのに、身体が冷たく動かない。
真っ白な心と、真っ黒な頭に挟まれる私。
そこには大きな時の線路。
振り返ると、もうそこに道は無いよ。
間違ってたのか、迷っちゃったな。
不安積もる、親切な標識も無いんだ。
瞳開いて見てみる時間。
行かなくちゃ、もういかなくちゃ。
感覚のない足先でそっと立ち上がる。
また、ここで寝ちゃったな……
フローリングベッド――。