25話 戦闘準備
気づけば職員室にはこの学校に勤める教師、30人が集まっていた。
1人1人が魔法の達人であり、心強い味方であった。
そして何より、王宮魔導士エリーナ・ルシフェリアの登場はトワたちに希望を見せてくれた。
「エリーナさん?なんで」
「ちょっとやることがあってきてたんだ。そんなときに限ってこんなことが起こるんだもん、私ってつくづく運がないよね。いや、むしろ運がいいのかもしれないけど」
どんな事情であれ、王宮魔導士の力を頼れるというのは大きい。
むろん彼女一人でどうにかできるような規模ではないが、一区画を任せられる強者ではあるだろう。
「ぼ、僕たちのことを信じてくれるんですか?一生徒の言うことを」
「ふっふっふ。当然だよ。生徒を信じるのは先生の務めでしょ」
「それもありますが、エリーナ魔導士がかけておいた魔法のトラップがことごとく破壊されているのです。スタンピードでなくとも、強力な魔物が迫ってきているのは確実でしょうね」
「アインス先生?なんで言っちゃうんですか?私がかっこよく決めたのに」
当然のことだが、教師陣がトワたちのことを確実に信じていたわけではない。
証拠もなくいたずらである可能性も秘めているのだ。簡単に信じてしまえば、大事になってしまう。
しかし、アインスの言う通りエリーナが事前に仕掛けておいた罠が作動していることからも、緊急事態であることが伺え、真実である可能性が高いと考えた。
「さて、悠長に話している時間はないんでしょ。ギルドにも連絡したし、さっさと作戦会議を始めるわよ」
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「じゃあ、私たちが確認したことを軽く説明するね」
会議はリーティアの言葉から始まった。
森に魔物が見当たらなかったこと。かと思えば大量の魔物が襲ってくる音を聞き取ったこと。もう数時間としないうちにこの街に入り込むという事。
「ふむ、原因は何なんでしょうか」
「そんなこと考えても仕方ないでしょ。それよりもどう対処するのかってことよ。私たちがしくじれば学校も街も破壊される。ここはこの国の首都で『憤怒魔王』の最前線。もしもそんなことになれば、魔王がどう動くか分からない」
「そうですな………。しかし正確な数と配置が分からない以上、作戦を立てることは難しいと思うのですが」
「前線で数を減らす組と討ちもらしから街を守る組で分けたいわね」
こうして会議は進んでいった。
念のため外で見張りをしている者はいるが、それでもいつ魔物たちが襲ってくるか分からないなか、迅速に。
そして、20分もしないうちに簡単な作戦に落ち着いた。
前線をトワ、リーティア、エリーナなど、他ギルドのハンターに任せ、街を守る防衛ラインとしてアルジェルトやカンガル、ユナ、アインスに任せようとなった。
「よし、もう時間もないだろうから私たちは行くよ。君たち後衛はこの学校で見張っていておくれ。警戒を頼んだぞ」
「ええ、もちろんです。エリーナ魔導士もお気をつけて」
「昔みたいに呼び捨てでいいんですよ、アインス先生」
「もうそんな立場でもないでしょう。さ、早く行ってください」
そう言葉を交わすとエリーナは職員室を飛び出し前線へと向かう。
魔物が来るまでに出来るだけ罠を仕掛けておきたいのだろう。
「じゃ、私たちも行ってくるね。危なくなったら逃げなさいね」
「逃げないって言ったじゃないですか。何が何でも守りますよ」
「怖いこと言わないでくれよ。まあ、僕たちが出来るだけ倒すけど、頼りにしてるぞ3人とも」
「ええ、任せてください」
3人に背を向け、2人は歩き出す。
怖いことは変わらない。今度こそ死ぬかもしれない。治りきらないケガをするかもしれない。大切な人がいなくなるかもしれない。
それでも、大切な人を、場所を守りたいから戦うんだ。
「見えたね………」
「リーティア、死ぬなよ」
「トワ君も信じてるからね」
眼前には数えるのすら億劫になるほどの魔物の大群。
人鬼、牛頭鬼、戦死鬼、闘狼、月狼、闘豚猪など様々な魔物が仲間割れをすることなく迫ってくる。
皆、何かから逃げるように必死の形相で迫ってくる。
「あちらさんにはあちらさんの事情があるんだろうけど」
「だからってやられるのを黙って見過ごすわけにはいかないんだよね~」
「僕たちには守るべき場所があるから」
うーん短い。
いや、1日に2話って大変なんですよ。書き溜めしてないところなんで本当に追いつくのが大変。今週はやることもあるから追いつかなくなるかも。
頑張るけどね!!




