#142 ひとりじゃない
「夜見川に行きましょう。」
「私の車で行くか?手押し車だけど。」
「いや、タクシーで行きますわ。お金ならいっぱい持ってますわ。」
「そうか、ところで私たち二人だけ?」
「…料理サークルの方たちはすでに向かっています。」
みなさんどうも…逃げ出したい飛翔です…なぜここに転生したのか、間違いだけで本当に転生してしまったのは何だったのだろうか…なぜこの世界が僕なしでは動けないのだろうか。
「飛翔さん、このガストでお昼にしませんか?それともマクドナルドとかジョイフル、サイゼリヤとかあるんですけど。」
「ええ、かまいません。ところでここはどういう街ですか?」
「夜見川は少し特殊な街で、ここは元の世界とリンクするところ。だから元の世界が見えるんです。」
「なるほど…」
「私は元の世界のあなたの知り合いと思われる人を見つけたんです。」
「…その人たちは…?」
「残念だけど、あなたを探しているものは誰もいません。それどころかあなたの兄さんが元の世界で復活し、あなたを殺すように唆しています。もう戻れないんです。」
「そんな!」
「もし史実通りにあなたの兄さんが転生していたら…この世界はきっと終わってたでしょう。」
「…ありえますね。」
「でもあなたが来てくれたからこの世界は救われたんです。そして今の世界があるのも、幾度と会った危機を救ったのも、改心させて平和になったのもあなたのおかげ…この世界に来てくれて、ありがとう…」
「…」
「間違いだった転生も、今となっては定められた運命でしたし、この世界からあなたが消えたら…あなたを大事に思っている人が死んじゃうの…でしょ?そこの二人?」
「あ、あぁ…飛翔、出会ったばっかりで申し訳ないんだけどさ…やっぱ、いないとつまらないってか…とにかく戻ってきてくれないか?」
「飛翔さん、大事に思っているのはみんな同じです…ゆっくりでいいので帰ってきてください…」
「君たちも…飛翔さんを大切にしてるんですね。」
「わたくしたちだけじゃないですわ。」
「そうだな…そうだろ?そこで隠れてる若き料理人たち!」
「えぇ、バレてしまったか。…飛翔、やっぱりここにいたんだね。」
「もう心配させないでください…!飛翔さんはひとりじゃない…!」
「そうですよ。誰も一人にさせない!」
「会計は済ませたわ。」
「飛翔、一緒に帰りましょう?」
「…自分勝手に思い込んで裏目に出ること、」
「よくあるけど生きてゆきたい、今日より明日へ。」
「…これ以上は著作権があるのでカット!」
「それじゃあ神楽阪に帰りましょう!
「…バスって次いつなの?」
「今は19:00…次は…22:30。深夜バスなので…」
「大丈夫!みんな乗ろうよ!」
「飛翔、20:30にバスがあるよ。予約取ったから行こう!」
この町は…いや、この世界には僕が必要だ。考えすぎないように…カウンセリング行こうかな…




