#130 僕だけの物語
「飛翔さん、準備ができましたか?」
「飛翔、材料は持ってきたよ。」
「飛翔、一緒に手伝うよ。」
…みんなありがとう!みなさんどうも、飛翔です!さて、サタンの会が空中分解している中、僕たちはかつ丼を作っていた。遥希のおかげでいつものかつ丼とは一味違う、よりおいしいものとなった!佳奈の選んだ材料、美白の味見、結花の献身的な支えによってみんなで作り上げた。
「お、ありがとうな飛翔…これ、ドミグラスソースのかつ丼!?」
「これは…これは…!」
「美味しいでしょう!」
「そりゃあ飛翔がほとんど作ったからな!」
「いやいや、魅華子さん。この丼はみんなで作ったんでしょ!」
「お、そうだったな!」
「みんな力が戻ってるねぇ。僕も力が湧く感じがするよ。」
「遥希!やっぱりデミグラスにしてよかったわ!飛翔のとんかつは前からデミグラスが合うと思ってたの!よかった。これで力が漲る…!」
「滾ってきた!タブリス、行きます!」
「さぁ、省吾さん、どうでしょうか?」
「これが…仲間の力…いいな。こんな仲間欲しかったな…俺が良かれと思って色々口出ししちゃった制で離れちゃったのかな…」
「うん。まだ先代の長がいたならきっとこう言うだろうな。“やっとわかったか”とな。」
「確かに言いそう…まぁ戻れないけどな。」
「そうだね。これからは孤独に生きたら?贖罪としてな。」
「は、はい…」
やっと力が戻った。戻ったからには生きていることに感謝しなければ!そして、みんなに謝らなくては!
「飛翔!」
「ひーくん!」
「飛翔さん!」
「みんな来てますよ~」
「え…えへっ!」
「えへってなんだよ!心配させやがって!」
「…みんな!ありがとう!そしてごめんなさい!」
「明日からバリバリいくわよ!」
「もちろんゆっくりで大丈夫ですよ~。」
「明日からよろしく~」
「大家さん、料理教室はいつから?」
「あ、瑞穂ちゃん!料理教室は…来週の土曜日からでいい?」
「瑞穂、飛翔さんに聞かないとですよ。」
「あずさ…そうだな。」
「…省吾、俺らにいうことないか?」
「…騙してしまってすみませんでした。」
「私、飛翔に対してひどいこと言ったよね…天使たち全員にも…」
「あとで謝りに行こう…省吾、お前はクビな。」
「は、はい…」
この後寝た時に夢を見たんだ。この世界からみんながいなくなって僕一人になった世界で誰かを探していた。結局この転生世界で生きていくのか現実に戻るべきなのか。そう迷っていると目が覚めた。その時たまたま結花さんが寝言で“わたくしはここに残りますわ。たとえ飛翔さんが現実に戻っても…心は一つだからですわ。”…そんなことを言っていた。僕はこの世界に生きていくつもりだ。もう戻れないから…




