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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

奥大奥大奥

はじめに

 妻のことを「奥様」という。その理由は、家の「奥」を仕事場とするからだ。たとえば台所である。最近のアパートなどでは、玄関入ってすぐキッチンという間取りも珍しくないが、一軒家では今も台所は玄関から離れた場所にあることが多い。江戸時代の長屋では、玄関に入ると和室があって、その奥に土間があり、この土間に竃(台所)があった。


1:大奥

 たとえば「先生」に「大」をつけて「大先生」とすると、通常の「先生」よりも持ち上げた言い方になる。同じく「豪邸」よりも「大豪邸」、「富豪」よりも「大富豪」、「事件」よりも「大事件」、「問題」よりも「大問題」といった具合である。

 庶民の家でも「奥」があって、そこを司る妻は「奥さん」と呼ばれるので、江戸城ではお殿様の奥方たちが住まう場所を、「奥」に「大」をつけて「大奥」と持ち上げて呼んだ。


2:奥大奥

 大奥にいる奥方たちは、いずれもお殿様に見合う格式高い家柄のご令嬢である。もう、生まれたときから女中たちに世話をしてもらう生活が当たり前で、自分で料理や掃除などしたことがない。お殿様に嫁いで大奥に入っても、突然家事ができるようになるわけもなく、また大奥の先輩奥方に教わるということもない。先輩奥方もできないからだ。

 そこで、大奥の奥方を専門に世話する女中たちが必要となる。大奥の「奥(台所など)」を司るので、これを「奥大奥」という。


3:大奥大奥

 奥大奥の女中たちが、大奥の奥方たちを世話していると、奥方に会いに来たお殿様がたまたま女中を見かけることがある。そして「おっ、この子かわいいやん」と思ったら、お殿様はその女中に手を出す。これを「お手つき」という。

 お手つきになった女中は、お殿様の子供を生むかもしれない。従って、大奥のメンバーに加わることになる。しかし女中は、大奥の奥方たちほど格式高い家柄の出身ではない。となれば大奥の奥方たちは、お手付きになった女中をうとましく思う。「女中あがりが自分たちと同格のつもりか、生意気な」というわけだ。

 そこで、大奥の奥方たちと、お手付きになった女中たちとを、区別しようと考えた。しかし奥大奥のお手つきになっていない女中たちとも区別しなければならない。万が一お手つきになった女中が妊娠していて、無理に奥大奥の女中仕事を続け流産などしようものなら、お殿様の血筋を絶やさんとする企みかと大問題になる。今風にいえば国家反逆罪だ。当時の刑罰でいうと一族郎党皆殺しという重罰であった。従って、お手付きになった女中をそのまま奥大奥においておくわけにはいかない。

 かといって、大奥のメンバーに迎え入れるというのも気に入らない(前述の通り)。

 そこで、大奥よりは格下だが、奥大奥よりは格上という形になるように、「奥大奥」に「大」をつけて「大奥大奥」と呼んだ。


4:奥大奥大奥

 大奥大奥のメンバーになった女中は、お殿様の子供を生むために、女中たちに世話をしてもらう立場となる。ちょうど大奥の奥方たちが奥大奥の女中たちに世話してもらうのと同じように。

 ところが、ここでも大奥の奥方たちが文句を言う。奥大奥の女中たちは大奥の世話をするためにいるのであって、大奥大奥の世話をするためにいるのではない。それを同じ奥大奥の女中たちが世話するということは、大奥大奥の女中あがりを自分たち大奥と同格に扱うことだ。けしからん。というわけだ。

 そこで、大奥大奥の世話をするために、専用の女中たちが組織される。大奥大奥の「奥」を司るので、これを「奥大奥大奥」という。


























 ほとんど全部ウソです。


 騙された? ねえ、騙された?


 ┌(┌。A。)┐ アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!

すんません、調子に乗りました!

_|\○_土下座

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― 新着の感想 ―
[一言] 見事にだまされてしまいました。でもウソでも知性やギャグのセンスが感じられ、何故か悪い気はしない面白さなのでした。
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