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1-8 デートの前に一波乱

デートの前に従業員たちは、恋愛話に盛り上がっています。


店の子たちに優しい由利は、バイトちゃんたちの勢いにタジタジです。

栗木様とデートを約束したその日。


私は栗木様との会話を聞かれていたバイトちゃんたちに責められてしまった。


「もうオーナー!何を考えて承諾したんですか!?」


「デートのお誘いですよ!?ちゃんと理解していて栗木様と話していましたか?」


「しかも、いつもの出勤時のような恰好じゃダメってこともわかっていますか!?」


バイトちゃんたちに詰め寄られた私は、その勢いに慌ててしまった。


「ちょ・・・。えみもりんもあきも落ち着いて・・・。栗木様のお誘いはたまたまで・・・そんなデートのわけ・・・。」


私がこう言うと、バイトちゃんたちはますますヒートアップしてしまった。


「なーに、言っちゃってるんですか!」


「鈍いにもほどがありますよオーナー!」


「いいですか?普段着じゃなくて、ちゃんとデートを意識した格好をしてくださいね!」


閉店作業終了後も、私はバイトちゃんたちにデート時の注意事項や洋服のあれこれを言われつつ、次の定休日を迎えるのだった。


(男の子たちからは同情の目まで向けられてしまった。)



=定休日=



舞やひなたに見立ててもらったけど・・・。


私には可愛すぎるんじゃないだろうか?


今日の私・・・チュール素材のフレアスカートワンピに、ひなたにヘアセットしてもらったシニョンヘア。


いつもと違う女性らしい自分の姿に、私は照れずにいられなかった。


この姿を、栗木様に見せるの・・・?


店の前で、一人あたふたしていると後ろから聞いたことがある声がした。


「あれ・・・?由利さん・・だよね?」


声をかけられた方へと私は振り向くと、そこには朝飛くんの姿があった。


「あ・・・朝飛くん、どうしてここに?」


私は朝飛くんが何故ここにいるのか聞いてみた。


「どうしてって・・・ここの道、塾への通り道だからさ。それより・・・。」


朝飛くんは私の質問に答えると、私のことをマジマジと見始めた。


恥ずかしいから、あまりじろじろと見られたくないんだけど・・・。


「由利さんの私服、初めて見たけど・・・。うん、可愛い。俺好みだわ。」


ジッと見つめてくる朝飛くんの視線に私はどうしていいかわからなく、固まってしまった。


「あ・・・あの、朝飛くん・「朝飛、由利さんが困っているだろう。」あ・・・栗木様。」


私が困り始めたところに、ちょうど栗木様がいらしてくれた。


「げ・・・親父!」


「ったく、お前というやつは女性をあまりジロジロと見るんじゃない。相手が困ってしまうし、失礼だろう。」


栗木様は朝飛くんの首根っこをつかんで、軽々と私から朝飛くんを引きはがしてくれた。


そして、私を庇うように栗木様は私と朝飛くんの間に立ってくれた。


「っ・・・。つーか、なんで由利さんと親父が一緒に。」


朝飛くんは少し悔しそうな表情を浮かべて、栗木様に疑問を投げつけた。


「それはお前には関係のないことだろう?それよりも・・・由利さんに何か言うことがあるんじゃないか?」


・・・いつもの温厚な姿からは考えられないくらいの低い声の栗木様に、私までぞくっとしてしまった。


そして、栗木様は朝飛くんのお父様なんだなと実感してしまった。


「っ・・・その・・・ごめん、由利さん。いつものカッコいい姿とは違ったから、つい見ちゃって・・・。」


顔を赤くしながら謝ってくれた朝飛くんの顔は、いつもの元気いっぱいな感じとはまた違ったように感じられた。


「それよりも朝飛。そろそろ塾が始まる時間じゃないかね?」


「あ、やばっ!もう行かなきゃ。・・・親父、家に帰ったら色々と聞くから覚悟しろよ。じゃ、由利さんまた店で!」


手をヒラヒラとさせながら、朝飛くんはあっという間にその場を去ってしまった。



男女関係なく、あまりジロジロと見られることはいい気分ではないですよね。

しかし、朝飛は由利のデートスタイルをお気に召した様子でした。


さて、この次は夕飛と由利のデートの様子です!

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