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1-7 デートへのお誘い

今日は従業員たちも浮足立っています。

カランカラン


「いらっしゃいませ。」


「どうぞ、こちらのお席へ。」


「ご注文をどうぞ。」


・・・とは言っても、従業員たちが通常業務の合間に栗木様と朝飛くんのどちらを応援するのかと話しているだけなんだけど・・・。


カランカラン


いつものように接客をしていると、再びドアが開く音が聞こえた。


「いらっしゃい・・・あ、栗木様。どうぞ、いつものお席が空いていますよ!」


「??あ・・あぁ・・・ありがとう・・・?」


普段の御来客時よりも歓迎ムードで出迎えられた栗木様は、戸惑っていたがいつもの席へと足を運んだ。


驚いていたのに、笑顔を崩さないのは大人だなーなんて思ったり・・・。


「店で何かやっているのかな?」


やはり店の雰囲気に違和感があったのか、栗木様は席に着くなり、私に質問をしてきた。


「いいえ。従業員が失礼いたしました。現在、少々、浮足立つことが彼らにあったようでして・・・。私の方からも注意しておきます。」


栗木様に頭を下げつつ、私は従業員たちに後ほど注意をしなくてはを考えた。


「あ・・・いや・・・そこまで言うようなことではないんのだが・・・。それよりもオーナーさん。」


「はい。何でしょうか?」


いつものコーヒーを栗木様の前に置き、彼の顔を見ると心なしかいつもより緊張しているように見えた。


「その…休みの日、君は何をしているかな?」


栗木様に尋ねられ、私は自分の休みの時の行動を頭に思い浮かべる。


「そうですね…。自宅を綺麗にと人並みのことと、あとはカフェの新作を考えたりしていますが…。何かありましたか?」


私が栗木様に質問を返すと、栗木様はジャケットの内ポケットから、何かのチケットのようなものを取り出した。


「いや…。たまたまなんだが、こんな物が手に入ったから一緒にどうかと思ってな。」


スッと差し出されたのは、ある企画展のチケットだった。


「世界のカフェとスイーツ展…!これは私が行きたかった企画展。どうしてお持ち何ですか!?」


興奮した様子の私に栗木様は嬉しそうな笑みを浮かべていた。


「いや・・まぁ、ちょっとね。」


栗木様に言葉を濁されてしまったが、この企画展に行きたかったのは事実で。


私は考える間もなく、栗木様に返事をしてしまった。


「行きます。行きたいです!よろしいのですか?」


「ははは(笑)そんなに嬉しそうにしてくれるなら、頑張って誘ったかいがあるな。もちろん、僕が誘ったのだから良いに決まっているじゃないか。」


嬉しそうに眼を細める栗木様。


「では、よろしくお願いします(笑)」


私も行けないと諦めていた企画展に行けることになり、嬉しすぎて満面の笑みでお願いをした。


「っ…そんな無防備な笑顔は反則じゃないか」


「・・・?栗木様?何かおっしゃいましたか?」


栗木様が何か言っていたような気がしていたけど、小声だったから上手く聞き取れなかった。


「(こほん)とりあえず、次のLilyの定休日。店の前に11時くらいの集合で大丈夫かな?」


「はい!ありがとうございます。」


楽しみだな~、企画展♪って、考えていた私はふととあることに気が付いた。


これって、もしかしなくてもデートのお誘いなのかな・・・?


「(よしっ)(見えないところでグッとこぶしを作る)では、次の定休日を楽しみにしているよ。」


栗木様は会計を置いて入れれると、足早に店を後にしてしまった。


心なしか栗木様の耳は赤く見えたような気がしたけど・・・。


しかし、私はそんなことよりも自分が行きたかった場所に行ける嬉しさの方が勝っていたのだった。



栗木様。

久々の恋愛でドキドキしていますね。


しかし由利さんも負けじと鈍いので、もっと全面的にアピールしてもいいのではとカフェのみんなは考えています。


果たしてデートはどうなるのでしょうか?

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