1-5 嵐のような親子
親子でちょっとした言い争い。皆さんも経験ありますよね?
「で・・・もうそろそろ塾の時間だと思ったが?」
栗木様は呆れた表情で朝飛くんを見ていた。
「ったく・・・。相変わらず、うっせーな・・・。課題が終わらないから、ここでやってるだけっての。っつーか、親父こそ仕事はいいのかよ。」
注意された朝飛くんは不貞腐れたみたいな態度で栗木様から顔を反らしていた。
「ここのことろ仕事を詰めすぎていてな・・・。家にも帰れそうにもないから、一息つくためにLilyに来てるんだ。コーヒーを飲んだら、会社に戻るさ。」
「そっか・・・。ただ、まひるがパパに会いたいって寂しがっていたぞ。たまには家に帰れっての。」
どうやら栗木様の家族には朝飛くん以外にも、まひるちゃんという女の子がいるらしい。
話を聞いていると、栗木様の奥様はまひるちゃんを産んだ時に亡くなられたらしい。
そして栗木様は奥様を亡くされた寂しさを埋めるように仕事に没頭しているとか・・・。
一方、お母さんを亡くしたお家では朝飛くんとまひるちゃんが寄り添うように生活をしているらしく、まひるちゃんを育てたのは朝飛くんと言ってもいいくらいらしい。
「っ・・・。・・・わかった、今度、時間と作って家に帰ろ・・と、もう仕事に戻らなくては。朝飛も時間だろう?頑張ってこいな。」
「言われなくても、わかってるっつーの。」
栗木様も朝飛くんも、お互い憎まれ口を叩きつつもカフェを出ていく支度を済ませる。
「じゃ、オーナーまた。」
「じゃーねー由利さん♪」
去り際に、栗木様はさりげなく朝飛くんたちのテーブル分までお会計を済ませ、店を後にした。
栗木様・・・少し悲しい過去をお持ちですが、子供とは向き合ってもらいたいなと思ってしまう作者です。