1-4まさかの親子!?
普段は決まった時間にしか来店しない栗木様がやってきました。
夕方になると学生のお客様も増えるのだけれど、その中でも一際目立つ子がいる。
フルネームは知らないけど、周りの子たちからは朝飛って呼ばれていたその子は、私を見かけるたびに声をかけてきた。
「ねぇねぇ、由利さん。ここの問題わかる?わかるなら教えて欲しいんだけど。」
「朝飛くん。私は今、仕事中なのよ。それに私の下の名前を呼ばないでねって注意したよね?」
私が何度目も注意しても朝飛くんは「ケチ~・・・。」と言いながら、全く反省をしていない様子で席へと戻っていくのだ。
高校生って元気で可愛いな~と思うんだけど、元気すぎて少し苦手意識を持っていたりする。
それに朝飛くんを見ていると、なんとなく知り合いの誰かに似ている気がして、ちょっと落ち着かなかったりする。
=カランカラン=
「いらっしゃ・・・栗木様・・・珍しいですね、一日に二度もいらっしゃるなんて。」
「やぁ、オーナー。この時間に君の顔が見れるなんて僕は嬉しいよ。」
いつも席に座り、いつも通りにコーヒーを頼む栗木様。
だが、その表情はいつもよりも疲れているように見えた。
「ふぅー・・・。」
溜息まで吐く栗木様が気になり、私は栗木様に話しかけた。
「・・・だいぶお疲れのようですが。その・・・あまりお休みになられていないのですか?」
私が栗木様に話しかけたのが意外だったようで、栗木様は驚いた顔で私のことを見てきた。
「君が僕の心配をしてくれるとは・・・。無理してでも、この店に足を運んだかいがあったな・・・。」
普段とは違う栗木様の嬉しそうな笑顔に、私は思わずドキッとしてしまった。
「・・・あまりにもお疲れのようでしたので・・・ご迷惑でしたか?」
「いや・・・。ここのところ仕事が詰まっていてね。あまり眠れていないんだ。・・・あそこにいる高校生たちくらいだったら、きっとあまり眠らなくても元気でいられそうだがな。」
そう話す栗木様の視線の先には、うるさく無い程度に会話をしている朝飛くんたちが居た。
「むっ・・・。」
だが、栗木様は朝飛くんたちの方に目を向けるなり、席を立ちあがると、高校生たちの席へと足を運んだ。
「朝飛・・・。ここで何をしているんだ。」
「げっ・・・親父!?」
「えっ!?親子!?」
なんと栗木様と朝飛くんは親子だったらしい。
言われてみると、並んだ二人の顔をどことなく似ているような・・・。
それよりも二人とも背が高いな~・・・。
栗木親子の雰囲気があまりよろしくないのに、主人公さんはのんきに背が高いとしか考えていない様子ですね(笑)
天然さんなのか空気が読めないだけなのか・・・。