第九十四話 思いを聞いて!!
第三章開幕。
がやがやと街は今日もたくさんの人の声で溢れています。
この街は昔からたくさんの人で賑わっていますが、今日はひと味ちがいます!
子供も大人もおじいさんもおばあさんも、えらい人もそうでない人も、たくさんの人が朝から夜まで、夜から朝まで騒いでいます。
そう、お祭りです!
少し前から始まった大きな大きなお祭りです。
そして、今日はお祭りの最終日!
一番盛り上がる日です!
あちこちで、色々な事が起きています!
あそこでは競争が始まったのでしょうか?
みんな一直線に走っています。
すごく早い!
押し合いになっているけど、みんな頑張れ頑張れ!
あ、転んだ人が出ました。
でも、誰も手を貸そうとしません。
いくら急いでいるとは言ってもお祭りなのだから、少しは仲良くしてほしいです。
あ、なんとか一人で立ち上がりました。
ただ、足をくじいたのかさっきみたいに走れませんね。
一歩でも前に進もうと足を動かしていますが、普通に歩くよりも遅いです。
ケガが痛いのか、走れない事が悔しいのか、お顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃです。
…これ以上はもうダメですね。
向こうでは剣を持った人達が遊んでいます。
周りには連日のお祭りで疲れたのか、あちこちで眠っている人もたくさんいます。
本当はよくないけど、お祭りだから仕方ないですね。
また一人、休んだ人が出てきました。
はしゃぎすぎたのか、そのまま横になっています。
みんな、お休み用の赤い服でおそろいですね。
大人になってもみんな同じなのはうれしいです。
他の場所も盛り上がってます!!
お祭りはまだまだ終わりません!
もっともっと楽しみましょう!
いっぱいいっぱい騒ぎましょう!!
そう!!!
命が消えるその瞬間まで。
もう誰にも止められないのだから。
次回更新年始予定。