4話-8
「ああっとー!!! まず飛び出したのは七番! リトルストレンヂだぁ!!!
真後ろを十二番プッシーキャットと一番ウインドブラザーズが続きます!!!」
「本澤選手はレース開始前からパワーを溜め込んでいましたからね。それにしても早いスタートでした」
克馬がレース前にペダルを漕ぎ続けて溜めたパワーが爆発して、スタートと同時に先頭に躍り出る。トレーラーの上に固定されている大きな六角注。その六角注にベルトで身体を固定した六人の科学部員。その内の一人が手に抱えるサンタの持つ様な大きな袋の口を開いた。
後方に向かって袋の中身が溢れる。中に詰まっていたのは、大量の桜の花びらだった。桜の花びらがあっという間に舞い上がって、後続のマシンの視界を妨げる。
「本澤選手、早速の妨害かぁ!? だが、これはあっという間に消えて……」
花びらはすぐに広範囲に広がり、あっという間にマシンの後方へと流れていく。少し戸惑った者がいたものの、全体的に──特に女性陣からは好印象だった。
「綺麗ね」優穂。
「ひらひらしてるっス」月卯。
「ぎゃー!!! 視界がっ! 視界がぁ!」一華。
「これは我輩からのプレゼントで〜す!」
いつの間にかスポーツ用のサングラスをかけている克馬が、全力で自転車を漕ぎながら台詞だけ置き去りにした。
「どうやら、これは彼なりの激励だった様ですね」
「つまり、妨害じゃない」
「はい。桜吹雪が舞う華々しいスタートになりましたね。いきなりのアクシデントでしたが、皆落ち着きを取り戻して走っています」
真の云う通り、後続のマシンたちは等間隔でほぼ一列で走っていた。その先頭で悠真と円は横並びで競っていた。
「おいおい! 何もう競ってんだよ!?」
「あんたこそ、ここで疲れてゴール迄辿り着かなくてと知らないからね!」
「あんだと!?」
「なによ!」
「「うおぉぉぉぉお!!!」」
競い合う二人の後ろで、無線によるやり取りが行われる。
「よしっ! 私も部員に良い所見せるんだ!!!」
「うぉぉ、燃えるっス! 自分、ちょっと混ざってくるっス!!!」
「優穂、私たちも月卯に続くよ」
「オーケイ」
「お前ら初っ端から飛ばし過ぎだぞ!」
「……」
二人を追いかける一華と月卯に続いて、優穂たち、伊吹、姫依の順に走る。
そのままの順位のまま、次々と第一チェックゲートを潜り抜ける。少しして龍美と紅律のマシンもチェックゲートを抜けた。




