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花束を持って、君と  作者: 雲雀ヶ丘高校文芸部
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4話-4

「エントリーナンバー十番、

 ワンダーフォーゲル部所属、西園寺姫依!

 愛車はセンスオブワンダー。木造のボディで作られたマシンです。美しい木目が車体を覆い、呼吸するボディという事で経年変化で色合いが変わるそうです。見た目以上に軽く、とても丈夫で燃えにくい処理を施しております! 電気自動車なので、環境にも優しいマシンになっております。走行性能も非常に高く、レースでも良い位置で走ってくれそうです!!!

 西園寺選手は、今回黒をベースに様々な色をした鳥の羽をあしらった衣装を着ております。これは、カラスの羽の色が黒くなった理由(わけ)を語った、昔話のワンシーンを再現しているそうです!!!

 こちらに向かって真顔でピースをしています。体調は万全の様です!!!」

「もうずっとこのマシンが走る映像を流すだけで良さそうですね。

 美しいフォルムから出る美しい走り。森林や峠などを走り抜け、湖畔のコテージに停車する姿を拝みたい。そんな気持ちにさせてくれます。

 西園寺選手はあの表情ですとかなりワクワクしてますね」

「分かるんですかっ!!?」

「分かります。唇が少し尖ってますね。あれは酉が嬉しい時にやる仕草なんですよ。僕も酉だったからよく分かります」

「なるほど〜。十二支にも癖があるんですね。それを聞いてから西園寺選手を見ると、ワクワクしている気がしました!」


「エントリーナンバー十一番、

 料理研究会所属、舞咲一華!

 愛車はアイムハングリー。取手付きの大きな鍋の様なボディですが、フロントノーズ部分がフランスパン! なんとフランスパンが鍋に突き刺さっています!!!

 鍋部分とのバランスをとる為前輪が小さく、後輪を大きくしております。

 鍋のちょうど真ん中辺りの高さにぐるりと囲う様にガラスがあり、そこから周囲を見渡せる様です。

 舞咲選手の衣装は、コンセプトが新婚さん。ハートのエプロンをつけておりますね〜。これは他の部員からのリクエストだそうです。家庭的な雰囲気がこちらまで伝わってきますね〜」

「料理研究会からの情報によると、彼女は仕事で家を空ける事が多い両親の代わりに、四人の兄弟の為に毎晩ご飯を作っているそうです。なんと、小学四年生の頃には既にキッチンに立っていたとか。

 料理の腕は確かですが、あの見た目のマシンを見てしまうと、どうも運転が心配です。まだ一年生で『下克上』も不慣れだそうですが大丈夫でしょうか?」


「最後に、エントリーナンバー十二番!

 陸上部所属、羽月真央・春日野ちよ子ペア!

 今年の『下克上』を荒らすダークホース!!! 順調に勝ち上がってきた彼女たちは、ついに情報部との対戦となります!!!

 愛車はプッシーキャット。横から見ると黒い長靴みたいな形をしているオープンカーです。フロントバンパーからボンネットにかけて大きな黒猫の顔、リア部分が尻尾をイメージしているそうです!!!

 サイドには大きく『猫』の文字が描かれた丸いステッカーが貼られています。

 そして!!! 先程からもう一人の春日野選手の姿がありません! 何かトラブルでも発生したのでしょうか!!?

 羽月選手も先程から浮かない顔をしております。このままだと、一人でのスタートとなってしまいます。時間内に春日野の選手が現れて、万全の体制で情報部との順位争いに臨んで欲しいですね!!!」

「随分変わった形のマシンです。車体の後ろ側に大きな荷物が積んであるのでしょうか? どうにも尻尾には見えません。

 春日野選手が間に合ったとして、彼女の席が見当たらないのですが、どう二人で乗車するのでしょうか? 今回も行動が全く読めません」


「以上、紹介したマシンと選手が今回のレースを盛り上げてくださいます!!!

 次はルール説明です!!!」

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