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花束を持って、君と  作者: 雲雀ヶ丘高校文芸部
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2話-12

 一週間ぶりの祝日! 天気は快晴! 私がやる事といえば──洗濯!

「みんな、さっさと起きて~!」

フライパンの背にお玉をカンカン当てて鳴らす。双華、三華、多華士、ついでに両親も起こしてやる。皆の布団を剥がし、ベランダに干す。パジャマを着替えさせて、洗濯する。全部で三回、洗濯機が鳴り次第中身を交換して、出来たものからどんどん干してく。

「一華……頼むから寝かせて」

「最近忙しかったから……」両親がゾンビみたいな動きで床を這いずり回っている。

「はぁ……しょうがないわね。いいよ、寝てられるならね」私は大判のタオルケットを持ってきて、二人にかけてあげた。そして、その背中に小さな影が飛び乗る。三華と多華士だ。

「三華、やめてやめて」お母さん。

「ぎょえ~。多華士、頼むから後五分だけ」お父さん。

「お母さん、今日こそ一緒に買い物行くんだからね」これは三華。

「親父、サッカーしにいこうぜ。あとキャッチボールも」多華士……背中で飛び跳ねたらお父さんが死んじゃうよ。

 今朝のご飯は双葉が作ってくれた。皆が自分のペースでもそりもそりと食べ、私も洗濯機が回っている間にいただいた。双葉も冷蔵庫に食材がある時は、私の代わりに晩ご飯を作ってくれる。三華と多華士も美味しい美味しいと云っていつも食べている。お母さんの味付けを、私も双葉もしっかり覚えた。

「出かけてくる」

「いってらっしゃい。──お父さん、私もそろそろ行くね」双葉が出かけていき、私も着替えて出かける準備をする。

「おい、行くって何処に」

「内緒。お母さ~ん。双華が起きたら冷蔵庫のおかず出してあげてね」双華はまだ眠っている。

「は~い。よろしく云っておいてね~」

「母さん、よろしくって、一華は誰とよろしくするんだ?」

 お父さんをほっといて、私は靴を履いて玄関の扉を開ける。とてもよく晴れた空から光が差し込んで、春の匂いが飛び込んできた。


 駅の待ち合わせは、十時ちょうどだったはず。私は辺りを見渡した。まだ少し早いけど……いたっ!

「陽翔く~ん! おはよう」

「一華さん。おはようございます」

 今日は陽翔くんとデートである。

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