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唯一の光であり、希望
彼女達はひたすらに孤独だった。
厳密に言えば、独りでは無いのだが、それでも孤独だった。
周りの人間に見分けがつけれる人は居ないし、親でさえも分からないと来たときは絶望したのを覚えている。
それでも、いつか自分達を1人の人間として見てくれる人が現れると信じて疑わなかった。
だが、現実は残酷で悲しかった。
周りに集まる人達は、容姿を成績を家柄を戦闘能力を見るばかりで、本当の自分達を見てはくれなかった。
いつしか彼女達は、壊れ始めた。
お互いにどっちがどっちなのか分からなくなりだしたのだ。遂に自分も信じることが出来なくなって来て、世界に絶望しだした時に彼が現れた。
「えっ?そんな事で良いの?」
「でも、あの2人は全然違うけどなー」
普段なら聞き流すであろう言葉が、耳に残り、彼に近付く。
結論からして、彼は全問正解したのだ。
何度も何度も入れ替わり、自分の名前を求めると、必ず答えてくれる。
一切の迷いも無く、当たり前のように。
彼女達は救われて、完全に壊れたのだ