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美しい毒の花


「あっお兄ちゃんお帰りー!!!」


 俺は家に帰り、扉を開けると弾丸が飛んできた。これは何時もの事なので、ヒラリと身を交わすと弾丸も一緒に動いてきた。


「うぎゃー!!」


 人間が発していいギリギリのラインの声を発して弾丸を受け止める。流石に叱ってやろうかと思ったが、胸の中で愛くるしい笑顔を向ける妹に毒気を抜かれてしまった。


「毒花!毎日突っ込んでくるなって言ってるだろ?」


 そうこの突っ込んでくる弾丸は、我が悪野家の女神「悪野 毒花(あくの どくは)」である。ここで察しの良い人は分かると思うが、毒花も中々の異能を持っている。

私の綺麗な粘液(全てを溶かす毒)〉である。最初に聞いた時は色々な意味で怖かった。そんな彼女だが、極度のブラコンである。

そろそろ兄離れを願うが中々上手くはいかない。

彼女も中学3年である。彼氏の1人や2人は出来る頃だろうから、それまでの我慢である。


 しかし、彼は知らない。

彼女は壊れていることを。


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