As a man
ちょっと息抜きに書きました。例の如く短めです。
「お前が…勇者か」
壮一は進み続け、広い部屋にたどり着いた。そこにいたのは、妙な光を放つ西洋剣を持った青年、勇者だ。
「その通りだ、風間…。俺の計画をめちゃくちゃにしやがって…、殺してやるよ」
勇者はそれだけ言って壮一に斬りかかり、彼にとって長く辛い戦いが始まった。
「てめえ…、マジで何者だ?」
訝しむのは当然だった。彼は彼の能力に自信を持ち、自身の攻撃を避けられることなど全く考えていなかったからだ。
「さあな…、悪いが、もう終わりだ」
壮一は肩に担いでいた袋を床に下ろして両手を中に突っ込んだ。その次の瞬間、袋が勇者に向かって投げつけられる。
「こんなのに当たっっっがは…」
投げつけられた袋はフェイントであり、避けたところに待っていたのは壮一のダイヤの指輪がはまった拳。顎にモロに受けたかと思えば、頭を鷲掴みにされ、そのまま壁にぶつけられ、車に衝突されたような錯覚を覚えることになった。
「放しやがれ…!」
「それはいいが…、あんたには寝ておいてもらう」
もう一度、また先程と同じような衝撃を受け、勇者の意識は途絶えた。
「お前が…勇者か」
「てめえ、もうお前の思い通りになると思うなよ」
この言葉を疑問に思っている様子の壮一だったが、剣を構えた勇者の突進を迎え撃つため、思考を中断した。
ーなんだ、何かおかしい。俺の攻撃を全部知っているみたいによけやがる。どういうことだ?
戦う中で、自分の手の内を相手に全て知られているように感じて背筋が凍り、壮一に焦りが見え始めた。勇者は自分の格下であることは確信していた。しかし、同時にこのままでは理由はわからないが、負けることもまた確信していた。
ー勇者の能力ってやつか…。
「どうしたア!あんたの底もそろそろ見えて来たな!?俺は勝つぞ!」
やはり、壮一の動き方のクセまで知っているように的確に隙を狙ってくる。
ーやばいな…。まて、こいつはそろそろと言ったのか?
壮一は突然、勇者に背を向けて走り出した。




