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異世界子守道中  作者: トライド
第二部 神国ジンパク
70/122

As a man

ちょっと息抜きに書きました。例の如く短めです。

「お前が…勇者か」

 壮一は進み続け、広い部屋にたどり着いた。そこにいたのは、妙な光を放つ西洋剣を持った青年、勇者だ。

「その通りだ、風間…。俺の計画をめちゃくちゃにしやがって…、殺してやるよ」

 勇者はそれだけ言って壮一に斬りかかり、彼にとって長く辛い戦いが始まった。


「てめえ…、マジで何者だ?」

 訝しむのは当然だった。彼は彼の能力に自信を持ち、自身の攻撃を避けられることなど全く考えていなかったからだ。

「さあな…、悪いが、もう終わりだ」

 壮一は肩に担いでいた袋を床に下ろして両手を中に突っ込んだ。その次の瞬間、袋が勇者に向かって投げつけられる。

「こんなのに当たっっっがは…」

 投げつけられた袋はフェイントであり、避けたところに待っていたのは壮一のダイヤの指輪がはまった拳。顎にモロに受けたかと思えば、頭を鷲掴みにされ、そのまま壁にぶつけられ、車に衝突されたような錯覚を覚えることになった。

「放しやがれ…!」

「それはいいが…、あんたには寝ておいてもらう」

 もう一度、また先程と同じような衝撃を受け、勇者の意識は途絶えた。



「お前が…勇者か」

「てめえ、もうお前の思い通りになると思うなよ」

 この言葉を疑問に思っている様子の壮一だったが、剣を構えた勇者の突進を迎え撃つため、思考を中断した。


 ーなんだ、何かおかしい。俺の攻撃を全部知っているみたいによけやがる。どういうことだ?

 戦う中で、自分の手の内を相手に全て知られているように感じて背筋が凍り、壮一に焦りが見え始めた。勇者は自分の格下であることは確信していた。しかし、同時にこのままでは理由はわからないが、負けることもまた確信していた。

 ー勇者の能力ってやつか…。

「どうしたア!あんたの底もそろそろ見えて来たな!?俺は勝つぞ!」

 やはり、壮一の動き方のクセまで知っているように的確に隙を狙ってくる。

 ーやばいな…。まて、こいつはそろそろと言ったのか?

 壮一は突然、勇者に背を向けて走り出した。

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