突入、戦闘開始
「うおおお!怪我したくなきゃどけえ!!!」
中央教会本部、表門。そこには槍を構えた門番が2人いた。彼らは至極真面目で、信心深く、勤勉な門番であった。しかし、なにやら重いものが入っているらしい大きな皮袋と、鉄パイプを片手に握りしめながら走ってくる不審者に対して無力であった。彼らは不審者を教会に入れさせないことに誇りを持っていたが、その男が単純に恐ろしかった。
門番が逃げ去った所で、門にドロップキックが突き刺さる。それによって表門は吹き飛んだ。
無事、中央教会の本部に入り込めた壮一。彼は階段を登り続けた。カルクからとにかく階段を登り続ければ、壮一が戦うべき敵は見つかると聞いていたからだ。登り続け、3階にたどり着いたところで、両手剣が飛来してくる。これを避け、剣が飛来してきた方向に目を向けると、ナイフを持った虚ろな目をした女がいた。
「なんだ…、なにかおかしい?とにかく様子を見ながら戦うか」
「風間、壮一!タオす!」
「やっぱり何かおかしい感じがあるぞ!?」
壮一は苦戦を強いられた。彼女が断ち切る能力の使い手であることと、自身の身を顧みないような猛攻をしてきていたことからだ。能力については、綺麗に刈られたもみあげで実感済みだ。そこに海部が駆けつけてきた。
「風間さん!その子、操られているみたいです!捕まえてください!そしたらなんとかします!」
「捕まえろだと、そんな無茶な…」
「ううあ"あ"あ"!!」
「無理だな」
壮一はひたすら避け続けた。女は全く攻撃する隙を見せなかった。下手に手を出しては、そのまま手とおさらばだ。慎重になる必要があった。それを見かねた海部が動き始めた。
「なにをする気だ!」
「私が合図したら思い切りその子を殴ってください!!治しますから……今です!」
海部が走り、女の背後に回った時、海部は叫んだ。
「本当に頼むぞ!海部さん!!…オラっ」
合図と共に同時に壮一は左ストレートを放ち、壮一の左手は綺麗に断ち切られた。しかし、海部が女を後ろから羽交い締めにし、壮一は左手を犠牲にしながらも右手で女のナイフを持つ手を握りしめてナイフを振るえなくすることに成功した。
「痛え…腕の断面こうなってんのか…」
壮一があまりの激痛にどこか他人事のように感じていると、女は海部に倒れこんだ。それを不思議に思いながら見ていると、海部が女を抱えつつも壮一の"左手"に触れてきた。
「これが、海部さんの能力か…」
「どうだろうね。とにかく、この子の洗脳は解いたよ。話を聞いてみる。風間さんは先に行ってて」
壮一の断ち切られたはずの左手は綺麗に元どおりになっており、痛みも消え去っていた。それに、洗脳も解けたという。
壮一は、再び階段を登り始めた。




