神国 リターン 2
聖女!登場させたかったんです!
「ここがセントラァテナか。綺麗な街だが…、観光なんてしてる暇はねえ。あの教会になんとかして入る方法を見つけなきゃならねえな」
セントラァテナへ簡単に侵入することができた壮一。しかし、教会に入る手段はない。厳重な警備が行われていること、それだけしか壮一には分かっていない。そこへ、一人の男が現れた。
「風間さん。こちらへ」
あのアマテラスの男、カルクが自身を呼びかけていた。
「あんたはアレン・カルク…だったな。それで何の用だ?」
壮一はカルクに案内され、どこかに向かっていた。壮一の問いには答えず、カルクは歩き続ける。
ーなんだってんだ…。
それから歩き続けること数分、カルクが口を開いた。
「無視してしまい、申し訳ありません。しかし、この結界内に入るまで、あまり喋るわけにはいかなかったもので」
「ああ、あんたはそういう奴だったな。で、俺に何の用だ?」
「私とチェアマンに協力していただきたい。前回お会いした時と同じ要件です」
チェアマンが原因で起きた事件と、自分の失敗を思い出し、壮一の表情が曇る。彼にとって、あの一連の出来事はトラウマに近い。
「…実は、私とチェアマンに協力してほしいと言っても、チェアマンの目的と私の目的が偶然一致しているだけです。今はあなたも、ですが。とにかく、私は彼の動きに乗じて、あなたと協力して動きたい。ここは呉越同舟、どうかお願いできませんか?」
壮一は深く頷いた。
「それで何をすればいい?」
「あなたには最近、突如聖女として現れたある女性の部屋に侵入し、彼女の素性を調べていただきたい。その後はあなたにお任せします。あなたはお困りのようだったが…、私は抜け道を知っている」
「…やろう。俺の目的もお見通しか。にしてもあんた、底が見えねえな」
「褒め言葉として受け取っておきましょう」
その日の夜、壮一はスーツ姿で教会のお膝元にある大聖堂の長椅子に座っていた。スーツ姿であるのは、聖堂の中では正装でないと目立つからだ。壮一の目線の先には美しき声で歌う聖歌隊がいる。カルクの話では聖歌隊が歌い終わった後、聖女が現れるという話だった。
「綺麗な歌声だ…」
「そおですよね…、何度聴いても心が洗われるようです…」
壮一のつぶやきに答える声、それは壮一の真後ろから聞こえた。振り向き、その声の主を見て壮一は叫びそうになった。
ー聖女じゃねえか!!!
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