盗賊団退治後
ある宿の一階で男と女が死にそうな表情をしていた。椅子に座り、テーブルに伏せてはいるが、今にも床に崩れ落ちそうだ。その状態で男が言葉を発した。
「クソ…ガルガの野郎、たらふく酒飲ませやがって…、頭が痛え…」
「…なんで暇つぶしで盗賊団壊滅させてるんですか。それに、私もそのガルガって人にお酒いっぱい飲まされたんですけど…」
クロエが狂乱して倒れた後、壮一はガルガに呑みに誘われたのだった。クロエを宿に寝かせに行ったところ、帰ってきていたレイを壮一が見つけ、誘った。
これが、二人にとっての地獄への片道切符だった。ガルガはザルだった。最初は楽しくできていたのだが、勢いの止まらぬガルガに付き合わされ、気づいたら机に突っ伏したまま寝てしまっていた。今彼らを苦しめるのは二日酔いだ。
「すまん。そういえば、あんたとこうして話すってことがなかったから誘ったんだが…、裏目に出ちまった」
「最初のうちは楽しめてたからいいですよ…。ただ、次は、自分たちのペースで…」
その頃、大人組が再起不能となったため、子ども組は暇を持て余していた。
「クロエー、あそぼー」
「何をする、ですか?」
「この街の探検!」
こうして二人は街に出かけた。
凛とクロエは大通りで食べ歩きをしていた。二人とも昨日買った服を着ている。凛とクロエはまるで似つかないタイプだが、相性は良く、仲がいい。その様子を見た屋台の店主は、気を良くしておまけをしてくれるのだった。
「凛、今日は皆羽振りがいい、です」
「そう?でも、たしかにもうお腹いっぱいかも。じゃあお待ちかねの探検ターイム!」
二人は道をそれて、気になる方向へと進んでいった。
「あ!昨日会った人だよね、おじさん。こんな所で何してるの?」
二人は住宅が立ち並ぶ細い道に入っていった所、昨日宿を紹介してくれた男を見つけた。その男な目の前の家をじっと見つめているのが気になった凛が彼に話しかけたのだ。
「…ああ、君たちは昨日の子たちじゃないか。ここは危ないよ、早く宿に戻りなさい」
「…そうする、です。凛、帰る、です」
クロエは凛の手を引いて、大通りの方へとそそくさと歩いて行った。
「どおして走るの?!ねえ!クロエ!」
二人は走っていた。正確にはクロエが走って、凛はほとんど引きずられているような状態だったが。
「…あの男、なんか妙、です。たぶん…関わらないほうがいい」
「…わかった」
凛は納得はしていなかったが、クロエが真剣な表情をしていたので従った。そのまま二人は宿に戻ったが、まだ壮一とレイは寝ていた。
裏表




