神国到着
神国編、スタートです!
「ここが神国、ジンパクか…」
「ここはジンパクの主要な都市の1つ、アマテラーですね。首都のジンパクはもっと賑わってますよ」
壮一たちはルメシュ王国に一番近い神国の都市、アマテラーに来ていた。ここは日本的な都市で、日本で見たことのあるものが多い。凛は辺りの店に興味津々な様子を見せているが、クロエは興味なさそうな顔をしている。今はちょうど昼の一番賑わっている時間帯だ。
「おじさん、レイさん!あそこの屋台で売ってるたこ焼き食べようよ!」
凛の指差す先にはたこ焼き屋があった。それは壮一の知っているたこ焼きそのままで、ここは日本かと錯覚してしまった。
「壮一さん、どうかしましたか?私も、というかクロエさんも興味ありそうなので食べましょうよ」
「いや、何でもない。それじゃ凛、みんなで食べようか」
全員6個ずつ買い、近くの広場に行って食べることにした。そこでは、子供たちが元気に遊んでいるのを保護者たちが見ていた。凛がこそこそとクロエに何か話し、クロエを連れて少し遠くで食べ始めた。取り残された壮一とレイは地面に座って食べることにした。
ーやっぱり、たこ焼きだな…。
壮一は元の世界で食べたたこ焼きと同じ味のたこ焼きを食べ、懐かしさを感じ、すぐに食べ終わってしまった。食べ終われば、寂しさのようなものがこみ上げてくる。
「クロエちゃん、あれたこ焼きって言うんだよ。美味しかったでしょ」
「…たしかに、たこ焼きは美味しかった」
凛とクロエの様子を見ながら、たこ焼きを食べ終わったレイが言った。
「ついさっきまで戦ったり逃げたりとしていた気がしますが、子供は気持ちの切り替えが早いですね。子供たちを見てると、私たちも何か安心しませんか?」
「そうだな…。あいつら見てると、なんだか心が安らいで、このまま眠っちまうような気がするな」
「私の膝、使ってもいいですよ?」
にやけながら、レイが自分の膝をポンポンと叩いた。
「フッ…、それなら遠慮なく、お言葉に甘えさせてもらう」
「あ、いや、ちょっと冗談…で、す…」
レイの停止も聞くことなく、すぐに膝の上で眠り始めてしまった。しかし、嫌がっているわけではないらしく、赤面してどかそうとはしない。
「ほらね?」
「なるほど…です、凛」
それを生暖かく見つめる2人がいた。それに気付いたレイがさらに恥ずかしそうにしたとか。壮一が起きると、レイに早く起き上がるように強く言われたが、その理由を知るはずもない。寝相が悪かったのかと勘違いしながら、レイに従った。
ーま、こういうのも悪かねえな。
頑張ってほのぼのとした様子を書いたのでそこだけは評価してください。