三十九話
「どこに行くつもりじゃ?宰相、ヴィルフリード・カルク…いや、魔に属する者よ」
アナ、ガロン、クロエは壮一、ルーシーの2人と別れたあと、気配を感じた宰相の部屋に入った。そこにはいくつもの魔法陣が部屋中に描かれ、何かにこの部屋を使ったのは明らかだった。宰相の正体は魔に属する者であった。
「ち…っ、何をおっしゃるのです。アナトリア様、私が魔族だなどと、馬鹿げたことを…」
しかし、ここに来てしらを切るつもりのようだった。
「ギ…ああああああああ!???」
「黙れ、クソが」
悲鳴があがると、クロエがいつのまにか魔に属する者の口に銃口を突っ込み、四肢をナイフで貫いていた。もはや彼女はストレスで限界だったのだ。
「こっちは、こんなことに巻き込まれるわ…、襲撃されるわ…、もうとにかくイライラしてる…。ねえ、このクソを殺して今回の茶番終わらせてもいい?」
ガロンはクロエのこれには慣れたのか、特に反応も示さず、アナにどうするのか尋ねた。アナはクロエの行動に少し驚いたが、普通に答えた。
「む〜…今殺されては困るのお。聞きたいこともあるし、ここはわしの城であるし。わしもこやつには業腹なのじゃ。こ奴は、わしの預かりとさせてもらえんかの?」
「…わかった、です」
魔に属する者を攻撃して少しは落ち着いたのか、あっさりとアナの提案を飲んだ。
「お主は、先程魔族と言ったな。で、何者じゃ?」
「いうわけねえだろうが、下等な虫けらが…グッ」
クロエに右手を貫いていたナイフを動かされ、顔をしかめる。しかし、話そうとはしない。
「では、こちらを聞こうか。この城に異界を作った、貴様の目的はなんじゃ、話してくれんかの、?わしはな、今回の一件、なるべく平和的に終わらせたいのじゃ」
既に、アナは魔族が攻撃された際に見せた隙に異界に干渉し、崩壊させた。異界の中ではいくつかの魔法を使えなかったが、今はとっておきのものでも使える。
「話さんのであれば…、貴様の脳から無理やり記憶を奪ってやってもいいのじゃぞ?まあ、もちろん、貴様がどうなるかはわからん。今までの下衆どもは皆死んだからの」
魔族、ベイルは顔を真っ青にさせ、震えた声で話し始めた。
話を聞くと、魔に属する者の中でも、人と変わらない見た目を持つのが、ベイルの種族である魔族だった。他にも多くの種族がおり、争いが絶えないという。その理由は、魔族を含め魔に属する者は皆血気さかんであること、つまり好戦的な性格だからだ。ベイルはその性癖を人にも向けた。人の住む大陸で争いを起こし、それに参戦しようとしていたのだ。
「…わかったのじゃ、もう用済みじゃな。ゲート」
ベイルはゲートの中へと消えていった。
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