三十話
ルーシーが王都内に侵入した頃、壮一は大通り入口の前に立っていた。顔の割れてない者がいるとはいえ、"事"を起こせば結局は大勢の兵隊とも対峙することになる。そこで、兵隊を撹乱することにしたのだった。
ーはあ…全く、凛の世話だけで済むかと思えば面倒なことになったもんだ…。
ため息をついた後、大通りに向かって歩き出す。しかし、入る前に見張りから呼び止められた。
「そこの男!止まりなさい、こんな夜更けに怪しげな…ん?お前は指名手配犯のソウイチか?!」
見張りは暗かったこともあり、最初は気付いていなかったが、すぐに壮一が指名手配犯であることに気付いた。
ーまあ、始めるか。
見張りが槍を構える前に走り出す。そして、兵隊を無視して王都の中へ侵入し、そのまま走る。
「止まれ!おい、待て!ちっ、みんな起きろ!侵入者だ!」
見張りがそういうと、笛の音が鳴り響いた。
ーこの音は…俺が侵入したことを伝えるものだろうな…。ここからが本番だ。
突き進む壮一の目の前に3人の男が立ちはだかる。しかし、壮一は相手にせずに路地裏へと入り込んだ。男たちは未だ追いかけてきており、時間が経つにつれ、数も増えてきている。
「奴の進行方向からも増援を呼べ!挟み討ちだ!」
再び笛の音が鳴る。今度は先ほどのものに比べて少し高い。数秒後には音を聞きつけた兵隊が壮一の前に現れた。
「もう逃げられんぞ、観念するんだな」
壮一の前後から兵たちがじりじりと近づいてきた。
「あんたらには悪いが、仕方ない。………、寝てろ!!!」
そう言って、壮一はまず、近くにいた兵の顔を殴り飛ばし、数人吹き飛ばした。吹き飛ばされた兵たちは、それぞれ持っていた武器を手放してしまう。その中に、役に立つ道具を発見した。
ー槍か…。
長めの槍を拾い、すぐさま棒高跳びの要領で兵たちを飛び越えた。飛び越えた先は大通りであり、囲まれた状態から抜け出すことに成功する。
「奴は曲芸師か?!追え、追えー!」
「ハァ…ハァ…、一旦隠れたが、これからどうするか…」
廃屋の中で息を潜め、壮一は次の策を考える。逃げることで撹乱し続けても、捕まるのは時間の問題だ。何か別の方法を考える必要があった。
ーまあ、これだけ暴れたら俺を捜すのに兵隊を割くはず。合図まで隠れておけばいいだろう。
壮一は仲間たちが動き出すのを待つことにした。
兵隊のセリフを頑張って考えたので、そこだけは評価してください




