表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界子守道中  作者: トライド
第一部 ルメシュ王国
28/122

二十六話

 一晩を森を抜けた先で過ごした壮一たちは、全員馬車に乗り急いでいた。森の中であった昨日までに比べ、血虎が好調であるため今日中に隠れ家にはつけるだろう。しかし、速くなったためか、子供たちは少し車上酔いしてきているようではあった。

「う…気分悪いです。非常識です、こんな速さ…」


 クロエが気分悪そうにそう言ったのを聞いた壮一は、血虎に速度を落とさせた。子供達だけではなく、壮一以外は内心気分が悪かったのか安心した様子を見せる。遅くなったことで景色を見る余裕ができたレイが何かを発見した。

「壮一さん、止めて!魔物がいます!」


 前方に巨大な魔物がいた。こちらに敵意を向けており、ただでは通してくれない様子だった。

「よし、ここはオレの出番だな」

 そう言ってガロンはいつぞや帳簿を送る際に使った鞄から、壮一と戦った際に使っていた棒を取り出した。魔物は全身が黒い色をしたオーク、ローブのような物をきている。このような魔物をガロンは知らない。これもまた、最近の新種なのだと判断して警戒する。


 突然、オークはこちらに突撃してきた。進路から考えると、狙いは馬車のようだった。

 ー魔物が馬車を狙うだと?!様子を見たかったが、先にやるしかねえじゃねえか…。

 ガロンも武器を構えて突撃、勢いを利用して足にフルスイングを行う。オークはそのまま地面に倒れる。倒れたオークの頭をガロンはめった打ちにした。

「オレの!手を煩わせやがって。くたばれ!」


 オークはそのまま静かになった。もう終わったと思ったガロンは馬車に戻ろうとした。

「あれでまだ立ち上がる、ですか…?しかたないです。ほら寝てるです」

 そこでクロエが拳銃でオークを撃った。起き上がろうとしていたオークは今度こそ永い眠りについた。

「く、クロエちゃん…助かったぜ…。しかし物騒すぎる物持ってんな…」

「どういたしまして、です。魔法は結界で使えなかったりするですが、これは弾丸さえあれば使えるですから」


 ルーシーもその言葉を聞いて頷いている。ルーシーも魔法が使えない状況があることを理解している。

「雇い主が強い…。私の就職先はとっても安心できそうです」

 1人、ずれたことを考えていた。


 その後は魔物に出会うこともなく、隠れ家に到着した。

「大丈夫そうね…。荒らされた様子もないし、ここは安全だったということか」


 一通り見回してから、ルーシーたちに気付いた見張りから凛がいなくなったと報告を受け、別の場所に移したと伝える。他には何も起こらなかったようだ。


「いや、そんなこともなさそうだ…」

 壮一がそう言うと、黒装束の集団が現れ、隠れ家の周りを包囲した。

「こ、これはまずくないですか?皆さん、頼みましたよ!」

「じゃあ、私は子供達を守ることにするわ。レイだけじゃ不安だし…、頑張ってね」

 ルーシーとレイは戦いを壮一たちに任せ、クロエ以外の子供達を守るために家の中へ連れて行った。


「これで安心して戦える…絶対隠れ家の中に入らせるな!いくぞ!」

シリアス感出そうと頑張ったのでそこだけは評価してください

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ