二十四話
「…なんで、知ってるの?」
保護者がルーシーの身柄を知っていたことで、ルーシーは保護者を警戒した。ある事情のためだ。
「ルーシー殿は表舞台にはあまり出られておらんかったな。いや、出ていないも同然であり、知る者は王族と召使いたち以外では知る者はいないはず、だと思っておるな?」
保護者の言う通り、ルーシーは表舞台には出たことはない。まさに、いない者扱いされていたゆえである。
「しかしな、私も国を預かる者だ。他国についてはリサーチをかけておる。特に、今まさにこの国を侵略しようとしている敵国であればなおさらだ」
これを聞いたルーシーは即座に身構えた。しかし、遅かった。
「王よ!それならそうとはよう言ってくれぜよ!歓迎するところでしたぴょん!」
四天王たちは保護者の言葉を聞くと同時に動き出していた。敵を捕縛するため、その見た目からは想像のできない動きを見せたのだった。
「四天王たちよ…早とちりだ!この者は関係ない!一人の王族が暴走した結果だ、これは!」
保護者が怒鳴り、四天王たちはすぐさまルーシーを解放した。
「それで、本当なの?ルメシュ王国がこの国を侵略だなんて」
ルーシーはまさか、あの王子もそんなことはしないと思っていた。話したことはなかったが、姉から聞いた人柄から、侵略をするとしても準備をしてからだと思っていた。しかし、保護者は驚いた様子を見せた。
「なぜ不思議に思う?あの男は昔から、この国をターゲットにしておったぞ。だからこそ凛殿に結界の強化をしてもらったというのに」
ルーシーは行動することに決めた。母国の民をあの男に従わせてはならない、そう確信したからだ。
「どこへ行く?お主一人では…」
どうすることもできない、そう伝えようとした保護者をルーシーは遮った。
「知ったことじゃない。ただ、私も王族の端くれ、その責務を果たすだけよ」
保護者はもう何も言うまいと考え、黙った。かつての友人の面影を感じる女を見て、その内面にも似た物を感じた。保護者はその友人を止めることは数えるほどしかできなかった。ならば友人の"娘"であるこの女も止めることはできない、そう思った。
凛を残してルーシーはルメシュ王国、アインス領近くの森まで来ていた。
ーまずは、姉さんを助け出すために、壮一と合流しなくては…。
1人でどうすることもできないのはわかっている。しかし、壮一と合流できれば、なんとかできると確信めいたものを感じていた。そのため、アクアマリンから隠れ家へ向かう途中のこの森で壮一を待ち続けた。
数日経ち、ルーシーは森のどこかで誰かが戦っているのを魔法で感知した。
ー戦っている…?壮一かもしれない、遠いけど見に行ってみるか。
第2章
お手伝い
終
感想や評価等いただけると励みになります。




