二十三話
片や罪悪感、片や驚愕で何も言えないまま少しの時間が経った。いつのまにか鏡は普通の鏡のように凛たちを映すようになっていた。
「まあ、いいわ…よくないけど。この鏡は何かしら?一見普通だけど」
「よくわからない、いつのまにかルーシーお姉さんのいるところが見えたから触ってみたら入れた」
不思議な鏡について二人は考えを巡らせる。凛はゲートを使えるが、それとは異なるものを感じた。違和感の正体は何かがわからず、真相はわからない。
ルーシーもまた、王家で聞いた財宝でこのような鏡がなかったか思い出そうとするが、記憶にはなかった。
結局鏡については後回しにすることにし、ひとまず部屋を出た。
その時、作業の終わったパシリたちが廊下を通っているところだった。
「やあ凛殿、そして新たな客人。私のことは…保護者か、パシリとでも呼んでくれ。ところで、どうやら鏡を通ってきたようだな?」
保護者は鏡について言及した。つまり、保護者は鏡についてある程度は知っているということだ。ルーシーは鏡について尋ねることにした。
「はじめまして、ルーシーと言います。私は凛に連れられてあの鏡を通ってきたのですが、あの鏡はいったい?」
保護者は少し考える様子を見せた。説明しづらいようだ。
「すまぬ、実はよくわかってなくてな。鏡を見た者にとって後々助かる行動を促す鏡…らしい。おそらくお主をここに連れてくることが凛殿にとって後々助かる行動であり、それに鏡が対応した…ということだろう。しかし、まさか人を通すとはな」
不思議な鏡だ。映すだけのはずの鏡が行動を促す、とはおかしな話だとルーシーは思いながら、もう一つ尋ねた。
「なぜ私が鏡で通ってきたと思った…いや、確信したのですか?」
保護者はルーシーを見て、確信を持って鏡を通ってきたと言った。その理由が気になったのだ。
「実は、私は魔法を全て感知できる。ここへの魔法干渉はなかったからな、鏡を通ってきたのだろうと思っただけだ」
ルーシーは驚いた。保護者が手の内を明かしたからだ。仮にも国のトップらしき者が簡単に手の内を明かすだろうか。これが意味するのは何か。
「さあ、礼を尽くすため、種明かしはしたぞ。これでよろしいか。ルメシュ王国の王族よ?」
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