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「……は?」


 俺は見覚えのない場所に驚きを隠せない。ただただ広い草原に俺はポツリと一人、佇んでいた。否、一人ではなかった。後ろに五人の男女がいた。そのうちの一人の男性が一歩前に出て俺に向かって一礼して微笑みながらこう言った。


「はじめまして、我らが王よ」


「……は?」


 俺は思わず間抜けヅラを晒す。こいつは何を言ってるんだ。我らが王? 誰が王様なんだ? 俺か? 


「えぇ、貴方のことであってますよ」


 俺、声に出てたか? 喋ってないと思うのだが。もしかして心でも読んでるのか?


「そのようなものです。正確にいえば思考を読んでいる、となるのですが」


 思考を読む? よくわからない。声に出さなくても会話ができるってことか?


「できなくもないですが、こちらの思考を読めないと無理ですね。たとえ読むことができても声に出さない会話は寂しいものでしょう」


 まぁ、それもそうか。ていうか喋ったほうがいいのか?


「えぇ、是非」


「あ、あぁ。そうさせてもらうよ。っていうかこれおかしくないか?」


「ふふっ。それもそうですね」


 いくつか質問させてもらおう。まずはこれだな。


「それよりもここはどこなんだ?」


「ここは神界ですよ」


 は? また間抜けヅラを晒す。聞き間違いだろうか。


「聞き間違いではありませんよ。ここは神の世界であってます」


 神の世界? 頭がおかしいのだろうか。もしくは夢、だとか。


「また声にでてないですよ?」


 混乱してしまって喋ることを忘れていたようだ。


「だ、だが神の世界に人間の俺がいるのはおかしくないか?」


「人間? どこに人間がいるのですか?」


 俺はまた混乱してしまう。だが喋ることは忘れない。


「俺のことだよ! ていうか死んでないのかよ俺!?」


 俺は崖から落ちて死んだはずだ。地面に叩きつけられた感覚はあった。そこの見えない崖に落ちて生きていられるはずがない。


「えぇ、たしかに貴方は死にましたね。ですがわかりませんか? ここは神の世界。ここにいる私達六人、貴方を含み全員、神なのですよ。自己紹介をしましょう、私は生と死を司る神、アウル・デ・ヴァン・サンティス、と申します」


 神…様……?


 アウル様の後にいる四人も、そして俺も神? 意味がわからない。


「そのままの意味ですよ。貴方も私も後にいる四人も全員神という種族なのですよ。更に貴方は私たち神の王なのですよ」


 そんなこと最初に言ってたな、我らが王よって。俺はもう人間じゃないのか。


「なんで俺は神になったんだ」


「それはそういうもの、というだけですね。ぶっちゃけわからないのですよ」


「まぁいいや。ていうか後の四人は誰だ? 神というのはわかったんだが、何を司ってるのかとか名前とかわかんないんだけど」


 俺がそう言うとやっとか、といった感じで自己紹介を始めた。


「まずはあたしからかね。あたしは魔法を司ってるのさ。名前はマーリン・デ・ヴァン・サンテって名乗ってるさね。魔法に関してはあたしに聞いておくれ」


 マーリンは口調はなんかおばぁちゃんみたいな感じだけどめちゃめちゃ美人だ。出るところはでてて、引っ込んでるところは引き締まってる。濃い紫色の髪を肩まで伸ばしている。


「次は儂じゃな! 儂は武を司っておる。名はヴォルグ・デ・ヴァン・サンティスというのじゃ! 戦うのは大好きなのじゃ!」


 ヴォルグはなんていうか、ムキムキのおじいちゃんみたいな感じ。脳筋臭がするけど。容姿は髪の毛の一本も見えない頭に長い髭が生えてる。身長なんかニメートルくらいあるんじゃないだろうか。


「脳筋爺は引っ込んでろ、次は俺だ。俺は技能を司ってる。名前はダール・デ・ヴァン・サンティスだ。一つ言わしてもらう。王はものづくりは向いてない」


 ダールはTHE・職人って感じの中年親爺って感じ腕は樽みたいに太いけど背は190くらいだろうか。喋るのは得意じゃないみたい。初っ端から残念なことを言われたがまぁいいや。


「次はワタシだね。ワタシは大地を司ってて名前はベラ・デ・ヴァン・サンティスっていうんだ! よろしくねっ」


 やっと自己紹介が終わった。まだ俺はしてないが向こうは俺を知ってるみたいだけど。


「俺はしなくていいのか?」


「こちらは知っているので大丈夫ですよ」


「そうか。俺はこれから何をすればいい」


 これで何もしなくていいとか言われたらどうしようか。


「これから王には色々と学んでもらいます」


「それは必要なのか?」


 神になったのに勉強する意味がわからないんだが。


「えぇ。王の力が我々より下だと外界の者たちに示しがつかないのですよ」


「神様って見てるだけでいいんじゃないのか?」


「いえ。世界の均衡を保つためにはいろいろとやることがあるのです。世界の管理はワタシとベラがやっていますのでそれは追々ということでいいのです。しかし世界に何かあったときのために王には力をつけてもらいたいのです」


 どんな力をつければいいのだろうか。力といえど色々あるだろう。


「王に身に着けてもらう力は戦うための力。あとは今の世界で必要な知識です」


「なんかすごい大変そうだな。今までの歴史とか理論とか全部だろう?」


「いえ、流石にそこまで入りません。人々が知っているものと知っといたほうがいい程度のもとだけです」


 それでも大変そうだな。


「誰が教えてくれるんだ?」


「戦う力に関してはヴォルグとマーリンが。知識に関しては私が担当いたします。ベラは地理を担当してもらいます」


 全員で教えてくれるんだな。ありがたいな。これは頑張らないとだよな。


「よろしく」





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