特別の3体
ひとまずムカつく書記長を掴む。
悔しいが、光ってるのでわかりやすい。
「願いは、こうだ、単純だ。3体だけ姿を変えろ、わかりやすくしろ」
その瞬間、我が家に犬が3匹現れた。
「ちがう」
書記長は「ぐはははは」と光った。
こいつは呪われ方が常軌を逸している。
掴んだまま言った。
「ひとまず、犬はかわいそうだから戻せ」
また光った。
具体的に言わないとこうなるのを再認識した。
「お前と、補佐と、合鍵、の3体を、光らずにわかりやすくしろ」
が、思った。
どうせ変なものとか不快なものとか、背中に紋章とか、わけわかんないことになるだろうな……
書記長は光った。他も全部光った。
ちくしょう。
しかも代わり映えがしない。
……。
「背中のタトゥーを取れ」
また光った。他は飛んだ。
当ててしまったようだ。
この無意味な行動を徹底するのに理由があるのだろうか。
伏線的なものとか……
具体的に何が良いか。そう、決めた。
書記長を放り投げる。
「書記長、補佐、合鍵、お前らの顔を人間にしろ、各々、別々の見た目でだ」
どうせ、おっさんとかにするんだろ。
あれ、なにこれ。
きもち悪い……
人形のままにそのままリアルな顔がついている。
こっち見るな……
こっちを……
って、顔は変わったけど、誰が誰だかわかんない。
なんか、2体は光ってる。
しかしどっちがどっちか。
「おい、教えろ、誰が誰だ」
2体がクスクスと笑う。
これは書記長と補佐だな。
怖いからこちらを見ないで、と心の中で思った。
スーッと1体がこちらへ浮遊移動してくる。
「気持ち悪いでしょ、ねぇ、そうなんでしょ」
バレている。
おのれ、わざとか……
こっちが書記長だな。
「ほら、ほら、なんでやねーんのー、ねぇ、なんでやねーんのぉ」
やはり書記長だ。
掴みあげると光った。
「ぐぉぉ」
まぶしくて、一瞬つぶった瞼をあけると……
……あれ?
あ、れ、?
こいつ、マジにやってるのかこれ。