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願いをかなえたまえの無駄遣い  作者: たのみこむこ
4/12

会談(呪)


ここは地下のプライベートシアター。


1000体は入らないので、くじ引きで話し合いの代表数体を決めた。


まず、書記長として呪われた人形、そして、その補佐に呪われた人形。コイツらは審議には介入できない。


それから、公正な審議をする5体の呪われた人形。


そして、夜に根回しをしていたスパイをその中に2体。


つまり、私を含め、お互いに主張すべきは同数となる。


ギリギリの公平だ。


この形で、合鍵のアイツと私が相対する。


討論の内容は勿論あれだ。


【光る、飛ぶのをするのかしないのか】


あらためて確認する。


「さて、書記長、本日の議題を」


書記長は補佐に目くばせらしきものをすると、


いつぞや社畜のころよく聞いた、エンターキーを強めに押すタンッという音がした。


すると、スクリーン一面、プロジェクターから映し出される画面に大きく市松人形が写った。


それ、カメラ機能な。インカメで何をしていたんだキサマ。


補佐は慌てて戻そうとするが、なかなか戻らない。


なぜなら、やつらは関節が微妙にしか曲がらない。


というか、普通は微妙にすら曲がらないんだが。


その体でガチガチとキーボードの上で顔面をガチガチぶつけている。


めんどくせぇ……


カタカタガッガッガッガッガッ


やっとそれらしきものが出たようで、私はあらためて、文字を読んだ。


議題

【どういう光り方飛び方なら良いのか、または替わる手段を考える】


違う。……書記長め。やりやがった。


「違う!おい!」


書記長はじっと動かない。


「お前!」


補佐はキーボードに突っ伏したまま微動だにしない。


他5体も同じく微動だに……


1体笑いを堪えて震えてやがる。しかもお前スパイじゃねぇかよ。


くうぅ、しゃべれないのをいい事に……。


もういい、強硬策に出る。


《ナンデヤネーンノ、ピラ……》


と、唱えてふと思った。


あいつらは私の声が聞こえる。


つまり、ヤツらが話せれば、会話ができるのか?ん?


与えよ、さすれば……なんてな。


なんとなく喉に魚の骨でも刺さったような違和感を抱えつつ、唱えた。


《ナンデヤネーンノ、ピラルクオイシー》




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