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システム
【願いを言え……】
人形の1体が声をかけてきた。
「あれ、ニワトリになるんじゃないの?」
「いや、あれは気分で…………初めてだったし……」
と、コイツは頬を桃色にそめた。
私は、特に何の感情も抱かず、訊ねた。
「願っていいの?」
「はい……」
やめてくれ、女子感出すのを。
「じゃあさ、未確認飛行物体てきなあれは?近くで見てみたいなぁ」
「はい……」
すると、コイツは、いそいそと地下足袋を履き出ていった。
5分後。
カチャカチャと鍵の開く音。
お前が合鍵のやつか。
…………うん。
いいね。好きだよこれ。
カップ焼きそばね。
今日の昼食を買ってきてくれた。
そして、1体で勝手に光って、ビュン、ガッ、とした。
他のは、はっとして、半分位のやつらがビュンビュンビュン、ガッガッガッ、とした。
慌ててまた1体が飛んだが、1人でタイミング悪くやっちまった感で気まずくなった。
後のは出遅れたようで、なんかしょんぼりしていた。
はぁ、次の願いはもう決めた。
《ナンデヤネーンノ、ピラルクオイシー》