表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
願いをかなえたまえの無駄遣い  作者: たのみこむこ
12/12

うらやましい


ピンポーン。


チャイムの音。

ピザ屋だ。

5人。

しょきこ、ほさこ、あいかぎは、初めての香ばしいチーズの香りを鼻から全身へと運んでいた。

「パーティですか?良いですね」

と2、30万の会計を済ませる。


4人でテーブルに座り、しょきこが無駄に頼んだ50枚のLサイズのピザを見る。

なぜパワポが使えてピザの注文ができないのか。

勿体ない事この上ない。

「さて、金は構わないんだが、この量を誰が食う」

しょきこが急に手をあげる。

そして次々と。


「わたし」しょきこ

「わたしが」ほさこ

「わたしがー♪」あいかぎ

「ぜよ」ほさこ


3人がこちらを、じっと見る。

無言の圧力に負けてなるものか。

「ちゃんと仲良く分けて食えよ」

チッと舌打ちが聞こえた。


実は、先ほどから無視していたのだが、足元でガタガタと人形たちが動いている。

人間になった3人が相当にうらやましいらしく、手を上げては、どうぞどうぞと言わんばかりの動きを見せている。


それを見ていたあいかぎが、サラミを床へ投げる。

ガサガサガコガコガンガン……

犬か。

そもそも、食えるわけがなかろう。

人形たちが散開したあと、また足元に目をやると、サラミは無くなっていた。

かなりのオカルト現象だ。さすが呪われた人形。


引きつった顔を元に戻しながら頭を起こす。

ほさこが、ペッ、ペッと何か口から出そうとしていた。

指で何かを引っ張り出す。

髪の毛が出た。

サラミを食ったのはこいつと信じたい。


口元が脂ぎった数体の人形はすでに視界から消えていた。


私の気持ちも関係なく、やつら3人で、ピザをちぎっては投げ、ちぎっては投げ、犬のエサやり状態。

結局こいつらが食っていたようだ。

50枚のピザはあっという間に消えた。

いろいろと怖いわ。


まずは、「人間の普通の生活」を教えなければ行けないのかもしれない。

育成ゲームか、あほらしい……。


でも、やはり見た目はかわいい。

悔しいけれど、ピザの箱を1人で黙々とゴミ袋に入れた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ