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神神戦記  作者: 鋏と電灯
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6対6の戦争

 善神たちは、前の戦いで悪神たちの力量を見て、侵攻を開始しても問題ないと判断した。


「イリニ……お前は『空へと送る手紙(スカイ・レター)』の一部を守るという大事な役割がある、だから全力で守ることだけ考えろ」


 タクシィは念を押すようにイリニにそう言うと


「は……はい! 」


 緊張した面持ちで答えると


「大丈夫です、私たちを信じてください」


 ピスティがイリニの肩に手を置き、緊張をほぐそうとする。


「はい……! 」


 イリニの体と心が柔らかくなる


 6の善神たちは、程よい緊張感に包まれながら行進し、しばらくすると


「悪神どもの拠点についた! とりあえず作戦の確認だ! 」


 タクシィが声を出す。


「まずは、ディケオスィニが悪神たちに奇襲をして、その後イリニ、ディケオスィニを除いた4人で『空へと送る手紙(スカイ・レター)』の一部を奪う! いいな! 」


 タクシィが強い口調でそう言うと5人はうなずいた。


 そしてディケオスィニが『処刑執行猟犬エモニ・キニギテイコス・スキロス』を生み出す、対象は悪神全員だ。


......................................................


 悪神たちはダラダラしていると急に白い獣が襲撃してきた。


「うお!? なんじゃ!? 」


 アパテイが驚きの声を上げる


「あれは……『処刑執行猟犬エモニ・キニギテイコス・スキロス』!! 」


 ヴィアは憎々しそうな声を上げると、そのままどこかに行って消えてしまった。


「『存在を刈り取る湾内刀テロス・アダミヴィ・ズレパニ』」


 タナトスは絶対神のオーラを世界を飲み込むほど黒い大鎌にし、『処刑執行猟犬エモニ・キニギテイコス・スキロス』に軽く切り込みを入れる。


 すると、『処刑執行猟犬エモニ・キニギテイコス・スキロス』は死んでしまった、しかしまた蘇ることを教唆きょうさするように生気が感じられる。


 触れたものを全て殺す『存在を刈り取る湾内刀テロス・アダミヴィ・ズレパニ』でも時間稼ぎにしかならないか……。


 タナトスがそんなことを考えているうちに『処刑執行猟犬エモニ・キニギテイコス・スキロス』は復活してしまった。


......................................................


「相当苦戦しているぜ……! 」


 ディケオスィニがニヤついていると


「よし! 侵攻開始だ! 」


 タクシィがそう言った瞬間、ディケオスィニが何者かに心臓が握りつぶされ息絶えてしまった。


「やっぱりな……」


 ディケオスィニの心臓を握りつぶした何者かは、『処刑執行猟犬エモニ・キニギテイコス・スキロス』が消えたことを感じ取って不敵に笑みを浮かべる。


「お前は……たしかヴィアと言う悪神だったな……? 」


 タクシィがそう言うと


「ふん! おおかた飼い主様をぶっ殺せばワンコロも消えると思ったぜ……、さて次は誰を殺そうかな?」


 ヴィアがそう言った瞬間


「『一矢報いる軍勢ズィナミ・ハノ・イロアス』」


 ピスティが大量という量をはるかに超えた程の小さい兵隊を顕現けんげんさせる、この兵隊はひどく弱く、その槍はなにも貫けず、すぐにその命を落としてしまう、だが、ただでは死なないその心は常に仲間のために自分を殺した敵にへばり付きその敵の強さを失わせる。


 幾千、幾万、幾億、幾兆、もはや無限に近い数の『一矢報いる軍勢ズィナミ・ハノ・イロアス』をヴィアは殺した、もはや元の0割の強さしかなくなったが


「くだらねぇな……」


 そのままディケオスィニを無造作に投げつけ、ピスティにぶつけると


 そのまま、ピスティは原型を留めていない汚い肉塊になり、遥か彼方まで吹き飛ばされてしまった。


「おっと、降参だ」


 タクシィが両手を上げ、ヴィアにそう言うと


「あ? 殺す……! 」


 ヴィアはそう言うと、塵も残さず消滅した。


「フフ……殺すだなんて言うから、死んじゃったんだよ」


 ヴィアを消し去ったタクシィは陽気にそう言うと


「メトレィオヴロン、ゾイ、数は減ったが気にせず予定どうり行動開始だ」


 タクシィはそう指揮した。


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