神話神演
『主神』たちは皆、戦争のやり方がわからない。
『悪神』たちはとりあえず『二元論の戦争条約』の勝利条件である、『空へと送る手紙』の一部を『善神』たちから奪うため、とりあえず『善神』たちを襲撃する。
「うおらああああああ!! 」
切こみ隊長である、ヴィアがまっ先に攻撃を始める。
「うお! 」
ヴィアの攻撃が当たりかけた、ディケオスィニは寸前でかわし、大きく後ろに飛び退く。
「ちっ! 男らしくねえ……! 逃げてんじゃねえぞ!! 」
挑発的にヴィアは叫ぶ
「はあ!? 女に男を語られたくねえよ……、悪神はそんなことも分かんない能無ししかいないのか? 」
ディケオスィニは挑発的に笑い返した
「ああ!! てめぇ! 悪神を馬鹿にするんは許すが、俺は馬鹿にするのは許さねえ! 決めたぜ……! てめえをミンチにする!! ハアアアアアアアアアアアアア!!!!!! 」
ヴィアの体から爆発的な絶対神のオーラが吹き荒れる。
『主神』手に入れた『3の絶対神』の力、『神話神演』この力のおかげでお互いに殺し合うことができなかった『主神』たちが殺し合うことができる。
「させるか! グウウウウウウ!! 」
ディケオスィニの体からも爆発的に絶対神のオーラが出る、そしてそのオーラは形が出来始めていった、それは空と大地を駆ける四肢、それは鎧を砕く顎、それは敵を絶命させる牙。
色がない白い獣がヴィアに向かい激走する。
「くだらねえ……こんなもんか」
そう言ってヴィアは獣を拳の一振りで粉砕する。
「はっ! 期待はずれもいいところだな! え! こんなゴミ見てぇな、『神話神演』で可愛そうだなお前、だがまあ、俺の最強の『神話神演』……『返り血まみれの鉄拳』に殺されることを誇りに思えよ、なあ! こいつの能力はマジで強いぜ~! なんせ、なあ、戦いに必要な、攻撃力、防御力、速度、その全てが、究極! 極限! の領域にまで到達するんだ……! もうお前に勝ち目はねえよ……! おとなしく殺されてくれるんなら、一発でミンチにしてやるぜ、ヒャハハハハハハハハハハ!!! 」
ヴィアは顔を歪め勝ち誇るように笑う。
「それはどうかな」
ディケオスィニの言葉が静かにしかし確実に響く
「あ? 」
ヴィアはその後、なんだ? おかしくなったのか? と言おうとしたが、言えなかった、なぜならヴィアの腕に激痛が走ったからだ。
「あぎゃあああああああああああ!!!!! 」
ヴィアが粉々にした白い獣がヴィアの腕にその牙をしっかりと喰い込ませ、顎の力でミシミシと音をたてさせる、そしてそのまま引きちぎった。
「ぐぐぐぐぐぐぐぐぐ……! 」
ヴィアが必死の形相で脂汗を滲ませながら、濃厚な鉄臭い匂いが立ち込める血が垂れ出て、皮膚と黄色い脂肪、ピンク色の肉、白い骨が、グチャグチャになって見える腕を押さえ込む。
「痛いだろう……これが俺のゴミみたいな『神話神演』である『処刑執行猟犬』だ……こいつに狙われたら最後、あらゆる障害を乗り越えて、確実にお前を食い殺す……! せいぜい、食われる感触を楽しみな」
ディケオスィニは残酷な笑みを浮かべる。
「くっそがああああ!! 」
ヴィアは痛みをすら忘れるほどの憤怒の劇場の赴くままに、白い獣である『処刑執行猟犬』に絶対の暴力を浴びせる、しかし『処刑執行猟犬』はそれを意にも介さず、発達した四肢ある剣より大きく鋭い爪で脚を貫きながら掴む。
「あぎぃ!! 」
脚の皮膚、筋肉、神経、血管、骨、全てが蹂躙された痛みで情けない声をヴィアはあげてしまう。
そのまま『処刑執行猟犬』はヴィアの柔らかいお腹に牙を突き立て、引きちぎる
「うぶぇ! 」
ヴィアはされるがままにその体が蹂躙され破壊される激痛に白目を剥く。
そのまま、『処刑執行猟犬』は以外にカラフルな内蔵を一つずつ咀嚼する。
「あ……! あ……! あ……! 」
ヴィアにはもう、その身を痙攣させながら喘ぐことしかできない。
そうしてかつて、神であり、少女であり、ヴィアであった、それはただの血だまりになってしまったころ、『処刑執行猟犬』は煙のように姿を消す。
あたりに鉄臭い匂いが立ち込める。
「なんか、あいつ負けちゃったな……」
アパテイがそう言うと
皆、やる気が無くなちゃったので帰った。
......................................................
「ヴィア……クソうざい奴だったけど、いなくなると寂しいわね……」
ラグニアが宙を見つめながらそう言うと
「いや、ここにいるから」
ヴィアがそう返した。
神々は不滅であるため、死んでもすぐに蘇るのだ。
「あのまま、いなくなればよかったんじゃない? 」
ラグニアが冷たくそう言うと
「うっせー! あのやろ~、次に会ったらミンチじゃなくペーストにしてやる!!! 」
ヴィアはラグニアの言葉を無視するように、ディケオスィニの復讐に燃えていた。