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神神戦記  作者: 鋏と電灯
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善なる神々

12の『主神』はその力を同じ『主神』には十分に振るうことはできない、なぜなら『主神』の力と存在は同格であり、個性も無いに等しい。


 12の『主神』は、『3の絶対神』の落し物を取り込み、その力と存在と精神に個性を得た。


「これで、悪神どもを敗北に追いやることが可能になったというわけか」


 『秩序』となった『タクシィ』は感慨深そうにそう言うと


「しかし、悪神もおそらく同じことをしているでしょう……そうなると私たちも敗北に導かれる可能性があるというわけです」


 『謙虚』となった『メトレィオヴロン』はそう言って、気を引き締めるように促す。


「ふん! くだらん! 我々の勝利に間違いは無い! 」


『正義』となった『ディケオスィニ』が自信満々にそう言う


「メトレィオヴロン……あなたは『3の絶対神』を裏切った悪神に私たちが敗北するだなんて言いたいの……ありえませんね」


 『信仰』の『ピスティ』がメトレィオヴロンをたしなめるように言う。


「みなさ~ん、喧嘩はやめてくださ~い! 」


 『平和』の『イリニ』が困ったような声を出す。


「しかし、悪神とはいえ殺すのはいかがなことかと……」


 『生』の『ゾイ』が苦言を呈すと


「何を甘っちょろい事を言ってんだゾイ! 悪は皆殺し! これが正義だ! 」

 

 ディケオスィニが声を荒げる


「異端どもにかける慈悲はありません」


 ピスティはきっぱりと言い放つ


「だから喧嘩はやめてくださ~い」


 イリニの消えるような声を出す


「まあまあ、そう怒らずに」


 メトレィオヴロンが落ち着かせようとしても


 ディケオスィニとピスティは荒ぶったまま落ち着かない


「落ち着け」


 タクシィがそう言うと、二人に小さく儚い雷が落ちた


「ぎゃあ! 」


「きゃん! 」


 二人が驚いたような声を上げると


「今、我々に必要なのは仲間割れではなく、協力だ、悪神に遅れをとらず慈悲をかけず、殲滅しようという心がけは結構だが、悪神とてただ突っ立ているまとではない、自分自身で敵を増やしているようでは敗北する……、そしてゾイ、お前は命を大切にするのはいい事だが敵に情けをかけるとこちらが死ぬ事になるぞ、今ここで悪神に対する、慈悲は捨てろ」


 タクシィは優しくしかし厳しくそう言うと


「ああ……」


「わかりました……」

 

 ディケオスィニとピスティは落ち着き納得した。


「…………わかった」


 ゾイは納得はしてない様子だが、一応タクシィの言葉を承諾した。


「そしてだ……我々善神のリーダーは我が務める」


 タクシィがそう宣言すると


「はあ!? 何勝手に決めてんだよ! 」


「自らがトップなど傲慢ですよ……」

 

 ディケオスィニとメトレィオヴロンが反発してくる。


「なら我がリーダーに相応しい理由を一つずつ言おう、まずディケオスィニとピスティはとにかく細かいことでいちいち文句をつけすぎだ、自分の思いどうりいかないからと癇癪かんしゃくを起こしていたら収拾がつかなくなる、だからリーダーには不向きだと判断した、しかしその他の追随ついずいを許さず、悪を殲滅することにかける熱意は素晴らしいものだ戦場で存分にその力を発揮してくれ」


 タクシィがそう言うと


「わかったよ」


「ええ」


 二人は納得した様子だった。


「次に、メトレィオヴロンとイリニは他者を尊重し過ぎる、リーダーとは時に他者を服従させる厳しさが必要だ、だからリーダーには不向きと判断した、だがその他者を尊重する心で皆の潤滑油やムードメーカーになってくれ」


 タクシィがそう言うと


「そこまで考えていたとは……感服です」


「わたしはリーダーなんてなる気ないよ~」


 ふたりは納得した


「最後にゾイ、お前は優しすぎる、敵に情けをかけるのは戦場ではあまり褒められたことではない、しかしその優しさを敵ではなく仲間たちに向け、皆の癒しになって欲しい」


 タクシィは強くそう言うと


「……わかった」


 ゾイはそう言った


 タクシィはゾイを横目で少し見たあと


「皆、納得してくれたようだな」


 タクシィがそう言うと


 5人は頷いた。


「では、これからの方針について話し合いたい」


 6人の善神は、タクシィが創造した椅子に腰掛けた。

 

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