二元論
全ての世界の全ては創造された。
『創造神』ディードは世界の運命を12の『主神』に任せ、『調律神』フレイヤと『虚構神』ヨグヨグと共に地下十階を去った
「なんか用があったら、呼んで」
それが、ディードの『主神』たちに残した言葉であった。
全ての世界の全てが創造されたと言っても、それは世界のみのこと。
12の『主神』は各々の『神の世界』に行き、『管理神』と『統率神』と共にただひたすら世界なだけである世界『原初の種』を形作り、星と命が溢れる世界にしなければならない。
しかし、ここでひとつも問題が起きた。
『創造神』ディード、『調律神』フレイヤ、『虚構神』ヨグヨグ、『3の絶対神』と呼ばれる者たちが、森羅万象の全てを管理しきれ無いように、『12の主神』と『管理神』と『統率神』は世界を管理しきれなかった。
そもそも、世界は一つの『管理神』によって管理される、広大にして広大、虚と零と実、完全なる無限である世界を形作るにはあまりに負担が大きすぎ、また不確実なものだった。
それゆえに『主神』たちは『管理神』の下僕となる『天使』を『世界を支える杖』で創造した。
しかし全知全能の神々といえど完全ではない、半数の『天使』が離反を起こし『悪魔』へと変質してしまった。
また『悪魔』の影響か、それとも元々素質があったのか、神々のうちの半数が『悪神』へと変質する。
さらに、その影響により各々の『神の世界』は融合してしまった。
こうして、世界の構築は一旦中断し、変質したもの『悪神』と『悪魔』、変質しなかったもの『善神』と『天使』による争いの火ぶたが切って落とされた。
だがしかし、神もその下僕も不滅の存在、永遠に闘争を繰り広げてなお決着がつくことはない。
『悪神』陣営も『善神』陣営も不毛な意味のない争いを喜々と繰り広げるほどの愚か者は多くない、そのため『善神』たちは『3の絶対神』を呼び出し、頼み込んで『悪神』を排除しようとしたが、『悪神』たちはいち早く察知し呼び出すために必要な道具『空へと送る手紙』を破壊またその一部を奪取。
そして『悪神』陣営はある条件を飲まないと奪取した『空へと送る手紙』の一部を修復不可なまで破壊すると宣言。
『空へと送る手紙』を一部とはいえ、完膚なきまでに破壊されたとなったら、いつか来る『3の絶対神』に裁きを受けるかも知れない。
『善神』陣営はそう考え、『悪神』陣営はある条件『二元論の戦争条約』を承諾。
『二元論の戦争条約』とは大きなルールは二つ有る。
一つは、『空へと送る手紙』を完成させた陣営を勝利とする。
二つ目に、勝利した陣営の総意を神々の総意とする。
いかに『3の絶対神』と言えども、神々の総意を無下にはできない、仮に『3の絶対神』が不服とし別の世界を創造したとしても自分たちの安全は確保される。
『悪神』陣営と『善神』陣営はともに『3の絶対神』の裁きから逃れるために、利害が一致した形で『二元論の戦争条約』を締結した形となった。