「叶わぬ思い」
お前、まだそれ使ってんのかよ
誰かが主にそう言った
その日から僕は戦力外通告
小学一年生
元気はつらつな姿に胸が躍った
この子と僕はともに成長するのかと
僕は成長しないけど
この子はする、見たい
小学二年生
僕の同士が増えた
使いまわしで削る回数がへる
寿命が延びた、嬉しい
小学三年生
僕はもうそろそろかもしれない
三年は短いようで長かった
この子の寿命に比べたらほんの些細なものだけど
僕との三年間を忘れないでほしい
そう思っていた
その矢先だった、戦力外通告
もう日の目を見れないのかもしれない
あの子が喜ぶ顔も、泣き顔も、怒った顔も、笑った顔も
全部全部見れないのかな
寂しいよ、それじゃあ……
小学四年生
短い寿命が延びた……
嬉しくない
最近はずっと暗闇の中
暗闇に溶け込む感覚が怖い
あの頃とは違う
あの頃は絶対会える、という思いがあった
でも今はない
いつまでも待っている
待って待って待っての日々
叶わぬ願いを胸に……
ついに日の目が見れた
願いが叶ったんだ……
あれ? どこ、ここ
連れられ、行くのは部屋の外
目に映るのは
色々なものがごったがいした袋
そこに
ぽいっと
投げられた
正真正銘の戦力外通告