表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

「叶わぬ思い」

 お前、まだそれ使ってんのかよ


 誰かが主にそう言った


 その日から僕は戦力外通告



 小学一年生


 元気はつらつな姿に胸が躍った


 この子と僕はともに成長するのかと


 僕は成長しないけど


 この子はする、見たい



 小学二年生


 僕の同士が増えた


 使いまわしで削る回数がへる


 寿命が延びた、嬉しい



 小学三年生


 僕はもうそろそろかもしれない


 三年は短いようで長かった


 この子の寿命に比べたらほんの些細なものだけど


 僕との三年間を忘れないでほしい


 そう思っていた


 その矢先だった、戦力外通告


 もう日の目を見れないのかもしれない

 あの子が喜ぶ顔も、泣き顔も、怒った顔も、笑った顔も


 全部全部見れないのかな


 寂しいよ、それじゃあ……



 小学四年生


 短い寿命が延びた……


 嬉しくない


 最近はずっと暗闇の中


 暗闇に溶け込む感覚が怖い


 あの頃とは違う


 あの頃は絶対会える、という思いがあった


 でも今はない


 いつまでも待っている



 待って待って待っての日々


 叶わぬ願いを胸に……


 ついに日の目が見れた


 願いが叶ったんだ……


 あれ? どこ、ここ


 連れられ、行くのは部屋の外


 目に映るのは

 

 色々なものがごったがいした袋


 そこに


 ぽいっと


 投げられた


 正真正銘の戦力外通告




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ