最期のヒーロー中編
最期のヒーロー中編です!
その時、背後から声がした。
「ようやく来たんだね、勇者ユウ」
振り返ると、青い鱗をもつ小さなドラゴンが浮かんでいた。
瞳は優しく、笑っていた。
「君を待っていたんだ。さあ、冒険を始めよう」
「夢かあ……さっきのゲームそっくりだ!!!体も軽い!!こんな立派な剣も軽々だ!!!筋肉もすごいもりもりだ!!!」
ドラゴンは少年の姿に変わり「俺の名前はリュクス!!!さあ、ユウ、一緒に冒険しよう!」と言った。
その声に「うん!!!」ユウは自然と笑みを返す。
森を進むと、リュクスが小さな村を指差した。
「ほら、あの村の人たち、困っているんだ。君の力が必要なんだ!!一緒に戦おう!!君ならできる」
ユウは胸を高鳴らせ、勇気が湧き上がり、剣を握る。
「よし、行こう!」
村人たちは彼を見て目を輝かせた。
「勇者様!助けてください!」
「ユウくん、すごい!」
その声に、ユウは自然と笑顔になった。
「僕が…こんな歓迎されるなんて...!夢みたいだ...あ....夢か……」
自分で言って虚しくなる。
「夢じゃないさ……ユウ!!!」
「…………リュクス」
「戦って村を救おう!!!」
「…………うん」
ユウは剣を握りしめ、手の震えを感じながらも力強く前を見た。
胸の奥がざわざわと熱くなる。毎日感じてた痛みも孤独も、今は全部どこかに消えた気がした。
奥からクラスメイトの女の子が駆け寄ってきた。
「ユウ、大好き!」
まさに想いを寄せていた子からの熱烈なハグに胸が熱くなった。
「気を付けてね……絶対に信じてる……頑張って」と手を握られ握り返す、普段の僕なら力が入らなくて握る力すらまともにないのに握り返せたその事がたまらなく嬉しかった...。
現実では叶わなかった、誰かに必要とされる言葉。自分の身体が思うように動く幸せ...。
ユウは涙を流してた...。
「ユウ……?どうしたの?怖いの?」
「ううん……違うんだ……嬉しいんだよ」
ユウは頬を伝う熱い涙を手で拭う。
心臓が跳ねるように高鳴り、手のひらに感じる温もりが、ずっと遠くにあった幸せの感覚を呼び起こした。
「……こんなに、嬉しいなんて……」
その時モンスターが村を襲った。リュクスはドラゴンの姿に代わり「ユウ乗るんだ!!」と言われ勇敢にドラゴンの背に乗り、剣を構えた!!!
羽ばたくたびに風が顔を撫で、森や山、遠くの湖まで見渡せる。
「うわあ……!!!すごい…高い...こんな景色見た事ないや…」
ユウは胸の奥が熱くなり、涙が頬を伝う。
体は軽く、痛みも孤独も消え去ったような感覚。
「こんな景色、現実では見られなかった…」
いつも見れるのは病室から覗く花や木、移り変わる雲や天気や四季の移り変わり...。
色んな患者や家族を見たり見舞いに来てくれてる人が羨ましかった...。
リュクスの背にしっかりとつかまり、ユウは叫んだ。
「やってやる!!!」
「その意気だ!!!ユウ、行くぞ!」リュクスの声が響く。
剣を振るたび、ユウの胸は熱くなった。
「これが…僕がずっとなりたかった自分なんだ……こんな風に空を飛んで見たかった...!思い切り体を動かして思い切り笑って……駆け回りたかった」
ユウは胸が高鳴り、剣を握りしめた。体が軽く、力もみなぎっている。
「よし、行くぞ!」




