表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

船を確保しろ

書きたくなって書いてみました。

TRPGが趣味の一個人です。

不定期更新の予定?


私のシナリオの作り方はキャラクターとプレイヤーの性格を元に、このキャラならこう動くと考えるものです。

ですのでキャラとの乖離が大きくなるとエタり易いと自覚がありますので期待しないでお読みください。


以下、好きな作者さんを上げておきます

高千穂先生・笹本先生・安芸先生・リュート先生

 整備ドックの船は未完成と整備中だろうからハンガーの船から見ることにする。


 まず、目に入った中型戦闘艦は・・・正直、ボロい。

「えらく・・・ボロいな」

「だよね~。DPフィールドの実験艦だったんだけど実験が終わって、ルーン兵器の標的艦になっているはずだよ~」

 ちょっと待て。なんでそんなことを知っている?

「サイコ、えらく詳しいな?」

「ん? ああ、あの装置は、ボクの能力の内の、奪取の2つしか完全に制御出来たなかったんだ~。装置に入れられる前に、反抗して数人吸い殺したのが。よっぽど怖かったのかも。装置に触る研究員は、他のセクションのレポートも読んでたから、読心でちょっとね~」

 完全に封じ切れてなかった訳か。

「セクション?」

「あの研究所は、中央に共同区画があって、周囲に研究内容毎に区画わけされてるんだ~、一つの区画が一つのセクション。ボクの居たのは、ルーンの製造と制御プログラムの改良のセクション。共同区画への出入りは、かなり厳しく管理されてるみたいだよ~」

「他にはどんなセクションがあるのですか?」

「え~と、艦載武装に、携帯火器、ロボット関係とかそれぞれの軍事関係毎だよ」

 軍事関係か、仮想敵国が予想出来るな。

「それでレンフォードさん、あの船はいかがです?」

「無しだな。見ただけで分かるほどボロボロではな」


「だよね~、次は2番艦で見た目はキレイだよ。{光使い}のルーンでレーザー砲塔の威力を増強した火力重視だね~」

「・・・パス」

「レンフォードさん、いきなりですね」

「よりによって箱船(・・)じゃないか。しかも、艦首に4門のレーザー砲塔を集中配置した砲艦仕様。鈍足で話にならないぞ」

「箱船ですか?」

「ああ、蔑称だけどな。共和国製の船で、中型戦闘艦なのに船体外殻で強度を稼ぐって設計だ。船内のレイアウトが自由に出来るって理由でな。とち狂った船だ」

「え~と? 戦艦とかもそんな設計じゃなかったっけ?」

「いえサイコさん、戦艦は外殻だけではなくて、船内の隔壁でも強度を維持してます。逆に、船内のレイアウトに自由度はありません」

 あの箱船、中破レベルのダメージを船体に受けるとガクッと剛性が落ちる。その状態で高機動をして自壊した前例がいくつもある。中型戦闘艦辺りだと回避が基本だぞ。それを鈍足の砲艦仕様にするとは・・・棺桶か?

 

 残りは整備ドックにある二隻だな。片方は、組み立て途中で凍結中だから実質一隻か・・・

「・・・整備ドックに行くぞ」

「ラジャ~」

「わかりました」

 

 閉鎖式整備ドックにやって来た。

 ナイト型なら、加速性能以外は問題が無いはず。

「あのね~レンくん、言いにくいんだけど・・・3番艦に何か問題があって、4番艦が凍結されたらしいよ。ボクは詳しく知らないんだけど~」

 ・・・期待薄かよ

「3番艦は{光使い}のルーンでレーザーの収束、屈折を行う無砲塔レーザー発振器4基と、船体下部に、{電光}のルーンで、投入電力を増強する電磁加速砲だったかな~」

 外見上は問題なさそう・・・じゃ無いな。

「竜骨に歪みが出ているじゃないか。何が原因だ?」

 俺は竜骨に精神波を浸透させてみた。

「なんだこれ? 竜骨と船体フレームをミスリル合金に変更してある。わざわざ、強度を落としてどうするよ」

「あ~あのね、ルーンを使うには、BFエナジーと制御プログラムを流し込む必要があるんだけど、ミスリルが一番効率が良いんだよね。でも、流石にミスリルだとってことでミスリル合金に落ち着いたらしいよ~」

 ミスリルが鉄並み、ミスリル合金が鋼鉄並みの強度だからな。

 更に、精神波で探ってみると竜骨に直接固定されている電磁加速砲の固定部が一番歪みが酷い

「これ、電磁加速砲の反動で竜骨が歪んだとか言わないよな?」

「通常の電磁加速砲なら問題ないと思いますが増強して更に竜骨がミスリル合金ですから・・・強度設計はやらなかったのでしょうか?」

「研究所謹製のルーンの制御プログラムはイマイチだからね~。正確な威力とか出せなかったんじゃないかな。ボクが改良に手を貸す義理なんて無いし」

「改良ですか? 出来るのですか?」やはり、リーフレットはプログラム関係には食いつくか。

「うん。研究所のは、犠牲者の脳波データから疑似人格を作ってルーンに超能力を使わせるけど、ボクなら、精神波を複製して、制御プログラム無しにルーンを使えるよ。つまり、ボクだけはルーンを自由自在につかえるってこと。だから、ボクの複製した精神波を、組み込めば効率が良くなってプログラム容量が激減するね~」

 研究所の連中、ルーンを使うならサイコを懐柔しないと駄目だったんじゃないのか? そもそも、サイコの今の人格が、サイキックの犠牲者の記憶の集合体らしいから無駄な仮定だが。

「まともに使える船が無いな・・・」

「4番艦を組み上げるとかでしょうか?」

「メインスラスターがそもそもついてない。3番艦から付け替えるとして数日はかかるぞ。他の部分も何処まで組み上がっているかわからない」

「あのさ、時間が稼げればいいわけだよね~。いい方法がないわけでもないよ。ギャンブルにはなっちゃうけどね~」

「いい方法?」

「うん。ルーン製造のセクションには、ステーション上層への昇降装置があるんだ。だから、何者かがボクと捕まっている人を連れ出して、上層の何処かに隠れてると思わせれば時間が稼げると思うよ~」

「確かにこの港は通常、人がいません、閉鎖ドックの中で作業していれば盲点かもしれませんね。ですが、そこまで上手く行くでしょうか?」

 方法はあるな・・・

「それなら、本当に上層に逃げ出してから戻って来ればいいだろう。このステーションの廃棄街(スラムの街)には、逃がし屋などが使う違法エアロックがあるんだ。後は、ステーション外壁に沿って戻って来ればいい」

「レンフォードさん、あの時の宇宙遊泳の話は本気だったんですね」冗談だと決めつけたのはお前だぞ。

「宇宙遊泳~? って何のこと~?」

「気にするな。問題は宇宙服が足りるか? だな」

「それでしたら、上層でのサイコの目撃証言があれば良いだけですから、他の人達は連れて行かなくてもよいのではないでしょうか」

「ボクなら真空でも死にはしないよ~」

 死なないのと、苦しくないは別問題だろ。ただ、あそこの雑貨屋ならノーマルスーツの数着程度なら、手に入りそうだな。

「サイコだけ連れて戻って来るのは簡単だろう」

 しかし、問題は4番艦か・・・ルーンの実験艦ならこいつもミスリル合金製の船体フレームだろう。俺の手札を切るほどの船じゃないしどうしたものか。

「問題は4番艦だな。こいつも、ミスリル合金だとすると強度が低そう・・・ん? おいサイコ、まさか2番艦もミスリル合金がメインじゃないだろうな?」

 箱船もミスリル合金製だったら棺桶どころか段ボール箱だろう。

「え~流石に知らないよ~」

「しかし、4番艦も魅力に欠けるな。3番艦のメインスラスターを持ってきても、加速力は低いし・・・」

「私の設計した高出力スラスターが取り付けられれば良かったのですが」

 おい、リーフレットお前の専門は何なんだよ。電脳の操作にプログラム、セキュリティに銃器の設計、今度は船のスラスターもかよ。弁護士資格もあったよな

「リーフレット・・・いろいろ出来すぎじゃないか?」

「すいません。レンフォードさんに言われるとは思いませんでした」

 ちょっと待て、どういう意味だ?

「ねえ、リーフちゃんどうして駄目なの~?」

 おいサイコ、いまから大事な質問を・・・

「それがお恥ずかしい話なのですが、小型艦用に設計したのに、中枢部品の関係でどうしても、小型艦には搭載出来ない大きさになってしまうのです。これなんですが」

 リーフレットは仮想ディスプレイを展開して設計図を見せてくる。

 これ、発明品なのに簡単に見せてよいのか?

 ・・・ん? これもしかしたら俺なら何とかなるのか? 予想推力は異様に高いな。小型戦闘艦で戦闘機並みの機動ができそうだ。その分、BFエナジーの消費量も多いが。

「なあリーフレット、邪道だとは思うんだが、俺の超能力前提で設計したら何とかなったりしないか?」

「レンフォードさんのですか?」

「ああ、俺の{粒子操作}と{念動}を使えば、組み立て・整備スペースが必要なくなるぞ。ただ、ナイト型は機関部のスペースが特に狭いんだが」

「レンフォードさん、機関部のスペースはわかりますか?」リーフレットがいきなり詰め寄ってきた。

「流石に狭いってことしか知らないな。現物がそこにあるんだことだし、見てみればいいだろう。組み立て中でセキュリティもかかってないしな」

「そうですね。すぐに見てみましょう」

 リーフレットに押し切られるように、俺達は4番艦の艦内に入ってみた。


「なんだこれは? 船内が異様に狭いんだが」

「あ~・・・確かルーンのために電脳とBF反応炉を増設したってあったような~?」

「艦橋で艦内図を確認するぞ」

 俺達は艦橋に移動して艦内システムを起動、艦内図を確認した。

「サイコ、4番艦は何の実験艦なんだ?」

「え~とね、{念動}ルーンで初期加速した魚雷を{転送}ルーンで敵艦近くまで転送する転送魚雷と、結晶怪獣のフォトン発生器官を{光使い}のルーンで騙して撃ち出すフォトンランサーだよ~」

 また色物の武装を創ったな。


 結晶怪獣とは無機物を無差別に結晶化、同化して増える水晶体の無機生命体らしきものである。惑星すらも取り込むため文明の天敵と言われていた。

 現在は、結晶怪獣の脳に当たる器官を、電脳などの演算部分の材料であるエレクリスタルとして使用しているため、資源にもなっている。

 フォトンランサーは、その結晶怪獣の主な攻撃手段で貫通力の強い光の槍を撃ち出すものだ。


「どうせなら、敵艦に直接魚雷を叩き込めばいいんじゃないのか?」

「宇宙空間での戦闘だと、{転送}の超能力の有効範囲的に無理だよ~」

 至近距離でぶち込めばいいだけだろう?

「この船を使うつもりなら、3番艦のレーザー発振器も移植した方が良いかもね~。あれは面白そうだよ~」

 ところでリーフレットは会話に参加してこないな?

「レンフォードさん、何とかなりそうです」検討に夢中だったようだ。

「なにがだ?」

「メインスラスターに決まっているではないですか。整備・組み立てスペースを極力排除すれば、かろうじてなんとかなります」

 本当かよ・・・なら俺の手札も切るか。リーフレットならとうに気付いていそうだしな。これを使えばミスリル合金の剛性を補える。

「なあリーフレット、お前の義肢に使った合金の正体気付いているよな?」

 リーフレットは当然のように頷いた。

「はい、わかっています。アポイダタラですよね」

「え~とアポイダタラって・・・ああ、記憶にあった~。超古代文明の遺産、5大幻想金属の一つだよね~、加工方法も精錬方法もわからないっていう。あれ合金? 合金だったなんて初めて聞くよ~」

「合金で間違いないぞ。未開惑星で遭難したときに加工出来るようになったんだよ」

 俺は自分の超能力についてサイコに説明した。

「へ~すごいね~、何と何の合金だったの?」

「ミスリルとウィスプ結晶だな。だから、ミスリル合金製なら、そのまま合金成分を抜いてウィスプ結晶を加えることで、アポイダタラに置換可能だ」

「あのレンフォードさん、その事を公表するだけで探索者として有名になれますよ」

「馬鹿言え、俺の知った精錬方法は、俺の超能力前提だぞ。科学的に作る方法なんて知らない。これを公表したら俺は一生、精錬加工生活だぞ。何処かの国にでも拉致監禁されるだろうな」

「あ~嫌だね。強制された加工生活。むむむ、恨みを思い出してきた~」

 サイコの赤い目がまた光り始めている。感情が高ぶると光るのだろうか?

 おいサイコ、纏っている精神波が怖いぞ。

「俺は探索者をやりたいのであって、探索者として有名になりたい訳じゃない!」

 あのくそ親父とは違うんだよ。

「ただ、この船の竜骨と船体フレーム全てをアポイダタラにするのは、この港の備蓄からして無理だろう。純ミスリルにして、その外周をアポイダタラにかえて、強度を上げるってところか。それも、俺の超能力の効果範囲的に、時間がかかりそうだ」

 サイコが手を上げた。

「は~い、ボクがお役にたてるよ~。ボクの能力、{精神反射}は自分に向けられた、もしくは接触した相手の精神波を解析・複製・増幅して放出出来るから、複合能力だって増幅出来るよ~」


 増幅とは、同じ系統(・・・・)の超能力を持つものが片方の超能力を倍化する技術で、人数が増えれば増えただけ合わせるのが難しくなる。

 複合能力は同系統とは見なされないため、通常は増幅不可能とされている。

 サイコはサイコで、超能力関係では無敵だな。


「流石に、そこまでやるには時間が厳しい気がするな」

「あのレンフォードさん、あの研究所(・・・・・)ですよ。きっと気がつきませんよ」

 研究所へのリーフレットの逆方向の信頼が厚いな。

 最悪、箱船で逃げだすことも出来るか・・・

「それでですね。どうせですので、今ここで出来うる限り、最高の船を目指しませんか?」

 最高だと? 熱いな。

「サイコさんが言っていたように3番艦から武装も移植しましょう。ワイバーンの電脳も欲しいのですが、許可を貰えますか?」

 リーフレットがやる気に満ちているな。

「そこまでやるなら、ワイバーンの操縦系も移植しよう。あれもかなりの高性能なんだ。こうなったら、戦闘機並みの高機動小型戦闘艦を目指したい」

「わかりました」、「ラジャ~」

 二人とも良い笑顔だな。


「それで、レンフォードさんはメカニック経験があるのですから、工作機械もいけますよね」

 妙に断言された気がするが、確かに使えるぞ。

「自動加工機から回路製作用の工業プリンターまで、基本的なものは使えるな」

「工業プリンターは、基本ではないのですが・・・」

 ん? 何か言ったか?

「はい、は~い。ボクもサイキックブースターを作りたいな~」

 サイキックブースター?

「研究所だと、ルーン同士の増幅は出来ないことになっているけど、ボクなら出来るよ~。研究所の制御プログラムがヘボいだけなのにね~」

「それが出来るとどうなるんだ?」

「レンくんが言っていた{転送}で魚雷を直接送り込む、とか出来ると思うよ~。他にも{飛行}のルーンを船の推進力に使ったり{転移}で船毎転移したりも出来るかも。最低4個の増幅が必要だと思うけどね~」

 超能力戦闘艦か、夢が広がるな。


「それで手順はどうするか」

「でしたら、3番艦とワイバーンの分解を作業ボットに、メインスラスターの中枢部品の製作を自動加工にセットしてから、攫われた被害者の救助と欺瞞工作。平行して私がメインスラスターの再設計でどうでしょうか?」

「確かにそれが無難だな」

「わかりました」


「ところでレンくん、お願いがあるんだけど~」

「なんだ、サイコ」

「被害者助ける時に、あのセクションだけでも全滅させたいな」

 まあ、俺がサイコの立場でも殺るだろうしな・・・

「ああ、勘違いしないでね。恨みつらみは3割くらいで、他は6割、あのセクションに貯蔵されているルーンの回収が目的だから」

「ルーンの回収だと?」ん? 残り1割だけか? 被害者の救出。

「そう、あそこに大半のルーンが貯蔵されているんだ~」

 回収したルーンはどうするつもりだ。そういえば{精神賦活}をかけなければ、数年で自然消滅すると言っていたな。

「ルーンは消滅するのを待つのか?」

「へ? ううん使えば良いと思うよ~。1個は{精神賦活}のルーンがあるしね~」

「使って良いのですか? 被害者の思いなどは?」

「そこは俺も気になるな。怨念とか残っていそうだ」超能力を剥ぎ取って込めたものだからな。

 するとサイコは、心底不思議そうに答えた。

「怨念? ルーンに? 残るわけないよ~。超能力は精神に紐付いているから、ルーンに残るわけないじゃないよ。身体の方だよ」

 精神に紐付いているから残るんじゃないのか?


 結局、リーフレットが詳しく聞き出してくれた。(なお、それすら概略で、後日、ルーンについてレポートを書くと、数日がかりで聞き取りしていた)

 サイコの主張だと、魂なんてものはないそうだ。

 以下概略

 精神がOS=人格で、身体がハードウェア。記録が残るのは身体であって、精神は最適化されるだけ。記憶というのは、精神の人格を通してみた記録のことだから、引き抜いた超能力に、怨念が残るはずがないと言うことだ。感情は精神で感じるものだが、参照する恨みの記録は身体にあるからと言っていた。

 正直、よくわからない。


 リーフレットが「精神生命体もいますよね?」とも聞いていたが、精神生命体は、身体が肉体(肉)ではなく非実体の身体を持っているだけだと。

 何でもサイコ本人が、自分は肉体こそあるが、たとえ頭がなくなっても、すぐに再生するので、身体は、物理的に外部に干渉するためのツールでしかないと。サイキックヴァンパイアは精神生命体の亜種だと考えたかららしい。ここら辺は、幽体離脱持ちのリーフレットとしても気になるらしく喧々囂々のやり取りをしていたと追記しておく。


「サイコは犠牲者の記憶があるんだよな。嫌だとか思っていないのか?」

「思っている人もいるよ~。その人達は消えるに任せれば良いと思うよ~。でも、ほとんどの人は無駄死には嫌だって、自分の超能力を使ってもらいたいって思ってるよ~。ただし、研究所関連に使われるのは死んでも(・・・・)嫌だって」

 死んでもって実感がこもっているな。犠牲者は、殺されたから当たり前だが。しかし、俺達に都合が良すぎないか?

「それにね、便利に使えるなら、研究所から回収してくれる人達もいるだろうって」

 なるほどな。倫理観に目を瞑ってでも使いたい奴はいるだろうな。俺達もだが。

「帝国に報告を上げたら、全て提出しろと言われかねないな」

「それでしたら、私から王国にも、知人経由で報告を上げましょう。そうすれば、牽制しあって一部の提出で終わらせられると思います」

「それなら、ボクが犠牲者から提出の希望者を募るね~。でも{精神賦活}のルーンは無理だよ~。研究所でも、重要な物資扱いで持ち出されているから。個数が残っていないもん」

「帝国や王国なら問題ないだろう。{精神賦活}は珍しくても探せばいるからな。同じようにサイコの身柄も何とかしないとだな。いっそ行方不明になったとでも報告するか・・・」

「あれ~? ボク、レンくん達についていくつもりだったんだけど?」

「いや、俺とリーフレットは成り行きで一緒に居るだけで」途中で遮られた。

「そ・れ・で・す・が!! 以前、レンフォードさんは「私に探索者になったら?」と仰いましたよね。てっきりスカウトしてくださったと思っていたのですが」

 嘘だろ、それ「一考の余地がある」って言っていただけだっただろう?

「それとも、私では不足でしょうか」

 探索者の方が役不足だと思うぞ。

「いや、そんなことはない・・・が・・・」

 俺の理想はもっとハードボイルドな・・・

「レンくん、何か?」サイコ、お前の{思念伝達}って接触限定じゃなかったか?

「ボク、{戦闘予知}持ちで、それでなくても勘はいいほうなんだよね~」

「では、多数決を取ります。賛成の方、挙手を」

「「はいっ!」」

「賛成多数で可決しました」

 完全に押し切られた・・・ 誰も民主主義国家出身じゃないのにな。

「両国との交渉は任せてください。サイコさんは護りきります」

「わ~、リーフちゃん頼りになる~」パチパチ

 嫌な訳では無いが探索者なんて良いところも悪いところもあるんだが。二人の気が変わるまで付き合うか・・・

「む~? なんか不愉快な気配」

 勘が良すぎる。

「さて、それならワイバーンの回収からだな。リーフレットは港の方を頼む」

「・・・わかりました」

「逃げたね~」、「逃げましたね」、ポヨン

 俺にハードボイルドは荷が重いな・・・


 ありがたいことに、隠し港の入出港口付近の監視装置は、ここの電脳の管理下にあった。その為、拍子抜けするほど簡単にワイバーンを回収できた。

「ワイバーン、レストアが完了してから1年ちょっとか・・・短い付き合いだったな」

「あのレンフォードさん、本当によろしいのですか? 4番艦の下部に固定して持っていく方法もありますよ」

「いや、最高の船をめざすんだろ? 電磁加速砲も持っていくつもりだからそれは無理だ。移植して一部でも残るならそれで良い」

「それからリーフレット、これ」と俺は手の中のものを軽く放った。それから、自分の携帯電脳を取り出して設計図と稼働データを転送した。

「アポイダタラの説明でわかるだろうが、俺はウィスプ結晶の加工も出来る。渡したのはウィスプ結晶を粉末状に加工したものだ。俺はウィスプパウダーと呼んでいる。設計図とデータはワイバーンで使っていた改修BF反応炉の図面と稼働データだ。俺がでっち上げたものだから目を通してみてくれ」

「それで、あの連続超空間跳躍ですか。筒状の容器にウィスプパウダーを詰めて、個々に水銀溶液の水位で出力を調整する。いろいろ出来そうで面白いですね」

「これで、俺の切れる手札は全部だ。後は、バルキリーやジャベリン、ワイバーンのフレームに、アポイダタラを使っているって程度だな」

「程度だなで、すまさないでください」

「あのさ~レンくん、アポイダタラの精神波やBFエナジーの透過率とかは?」

「ミスリルと同等、強度などは歪むことはあっても破壊は不可能って言われているからわかるだろう?」

「お~、無敵の鎧だね」

「いや、衝撃と熱は普通に通るからな。装甲が無事でも俺も無事なわけじゃないぞ」

 やばい、口が滑った。

「熱? ・・・レンフォードさんが焦げ臭かったことが・・・」

「そんなことよりもだ。ワイバーンからは操縦席、電脳、BF反応炉、3番艦からはレーザー発振器、電磁加速砲を移植。メインスラスターは新造して取り付け。可能なのか?」

「はい、可能です。・・・ただ、船内に休憩室兼用の食堂と小部屋一つしかスペースが残りません。その小部屋もルーンの倉庫に使うとなると・・・」

「被害者の人数によっては大問題だな」

「今までのボクの経験だと、最大で一度に10人だったかな~。滅多にないことだったけど」

「俺達は艦橋で座席で寝るとして、被害者は休憩室で雑魚寝してもらうしかないな」

「そうですね」、「それしかなさそうだね~」


「そろそろ朝時間になってしまうな。サイコには悪いんだが」途中で遮られた。

「ううん、気にしなく良いよ~。自由が待ってると思えば楽勝~」

「なら、穴も塞いでおかないとだから俺が付き合うか。リーフレットは設計を頼む。戻ってきたら解体と中枢部品の加工準備だな」

「あのさ~、念のためあの穴、隠し扉でも付けておかない?」

「それは・・・ありだな」「ありですね」

「了解、そっちも作っておく」

 俺達はサイコを装置に押し込んだ後、それぞれの準備を始めた。


 準備が出来次第、セクションの制圧だ。精々痛い目を見せてやる。

 

 

 リーフレットside


 レンフォード・クロスロードさん

 最初は、態度が悪い少年だと思っていました。

 銀髪で青い目をしたまだ幼くも見える少年。光の加減で金属のように見える肌は、メタリカという人種特有のものなのでしょう。

 デバル医師の紹介だと言っても、取り合わずに立ち去って行ってしまいました。今思うと疑われていたのですね。

 まだ、成人年齢にも達していないのに、経験豊富なハンターだと思われます。

 操船だけではなく、対人の護衛経験まであるようです。ハンターギルドに向かったときには誰かしら近づいて来ると、必ず間に割って入れる位置どりをしていました。


 血の繋がった家族にも、金属アレルギーを理由に欠陥品と言われ続けて、領地(・・)の別邸で一人暮らしてきた私なんかを女性として扱ってくれました。女なんかが、女ならと言われて抑圧されたせいで、女性らしい成長を無意識に抑え込んだ私をです。


 多額の報酬を掲示しても、断ろうとさえします。私にはお金しか無いと思っていたのですが・・・

 有用性を示し続ければ、同情ではなく私を認めて貰えるでしょうか?

出来れば誤字脱字報告お願いします。m(_ _)m

ちなみに句読点の使い方が下手な自覚あり

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ