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隠された港の発見

書きたくなって書いてみました。

TRPGが趣味の一個人です。

不定期更新


私のシナリオの作り方はキャラクターとプレイヤーの性格を元に、このキャラならこう動くと考えるものです。

ですのでキャラとの乖離が大きくなるとエタり易いと自覚がありますので期待しないでお読みください。


以下、好きな作者さんを上げておきます

高千穂先生・笹本先生・安芸先生・リュート先生

 オースティン中継ステーション近くの宙域までは、簡単に戻って来れた。

 俺達はステーションを、監視出来て発見されにくい、ぎりぎりの距離で、惑星の陰に隠れている。

 すでに、数日が経過している。

 

 リーフレットはワイバーンの管理電脳の演算能力の全てを使い、更には自分の携帯電脳まで接続して酷使している。現在座標からの直接での超空間通信の精度を少しでも上げようと演算させているのだ。

 オースティン中継ステーションの座標を利用出来るので、ほんの僅かだけ成功確率が上がっているらしい。本人曰く誤差とも言っていたが・・・

 

 正直な話、船も動かせないしやることがない。ボーッとセンサーを監視する程度だ。

 

 ん? いつ現れた?

 遠距離でわかりにくいが、オースティンに上部の港に入港していく大型輸送船がいる。だがあの船は何処から現れた? 航行してきたなら気付いたはずだ。

「リーフレット悪いんだが、ワイバーンのセンサー系のデータを確認したい」

「何かありましたか? レンフォードさん」

「いきなり、オースティンの至近に輸送船が現れたように見えた」

「データを出します。どの船ですか?」

 表示されたデータから輸送船を見つけた。軍用輸送艦だな。

「こいつだ」と指示する。

「少々、お待ちください」リーフレットは仮想キーボードを叩いてデータを遡っている。

「確かに、ステーションの下部から現れていますね。陰になっていてわかりにくいですが、数時間前に上部の港から移動したのでしょう」

「まさか、ステーションの下部に本来とは別の港でもあるのか?」

「そうですね。データを見る限り、あり得ると思います」

「例えばの話だが、攫ったサイキックを隠した港で輸送船に移すなりすれば、バレにくいのか?」

「管理側が関係するのなら必要はないと思います。ですが、逆に管理側でなければそんな施設は作れないでしょう」

 人を攫うにしては大掛かり過ぎると。

 あの港に潜入出来れば証拠が見つかるかもしれない。しかし、無関係って事もあり得る・・・

「俺の勘は、あそこがあやしいと感じるんだが、お前はどう思う?」

「完全に的外れな可能性がありますが、何かしらの情報は手に入るかもしれません。施設の調査ならお役にたてますよ」

 船でステーションに、気付かれずに近づくなんて普通は無理だしどうするか。

「ステーション外壁まで宇宙遊泳していけばいけそうな気がするんだが」

 リーフレットは「本気いえ、正気ですか?」と確認してきた。

「俺とバルキリーなら行けると思う」

 宇宙遊泳の実践なら嫌というほど経験があるからな。

「レンフォードさん、お聞きしますが私を連れて(・・・・・)行けると言うことでよろしいでしょうか?」

 いや俺一人・・・表情は変わっていないが、リーフレットから威圧的な精神波を感じる。

「ああ、もちろんだ。しかし、流石に簡易スーツで宇宙遊泳は無理だぞ」

「勿論、私用に装備を用意していただけますよね?」

 リーフレットからパチパチと火花が見える。こいつ{電光}持ちだったな。「漏電しているぞ」と言ったらヤバそうだ。

「施術で余った純ミスリルがあるから、予備のノーマルスーツの金属部分をコーティングすれば使えるだろう」

「そうですか、ではお願いします。と冗談はここまでにしましょう」

 いや、俺は本気だったんだが。

「だとすると、外部からのハッキングでなんとか出来るか?」

「無理ですね。ステーション管理級の電脳を相手にするには、こちらの装備が足りません。しかも、通信回線経由ですと切り札の{電脳投影}も使えませんから」

「使えない?」

「はい、接続が切れたら身体に帰って来るのが困難ですので」平然と言うことか?

「流石に、それは頼めないな。デブリのふりで近づくのも、近寄ればそれだけセンサー精度が上がるから難しい。近づいてしまえば逆に死角なんだが」

「どの程度の間、誤魔化せれば良いのですか?」

 ステーションの外観図などを表示して指で示す。

「管制用の主なセンサー類がここにあるから、ここ~ここまでを誤魔化せれば見つからないだろう」

 リーフレットが片手を上げて「その範囲だけでよろしいのでしたら、ワイバーンの電脳に投影して演算能力を借りれば{電光}と{光使い}の同時発動で一定方向だけなら、電子・光学ステルスが可能です」と提案する。

 電子機器関連なら本当に無敵だな。

「なら、その方法で接近してみよう。隠し港への侵入はその場で対応するしかないが」

「わかりました。では座標の演算を終わらせますね。通信文を用意しておいてださい」


「了解。そうだ、ステーション経由の通信だが、ワイバーンの船籍じゃない方が良さそうだ。これを使ってくれ」と予備に渡されていた船籍番号を渡す。

「なぜ、こんなものがあるのですか?」

「依頼主に要求した、前準備の一部だ」

「レンフォードさんは本当に準備が良いのですね」呆れている?


 カーゴで、ノーマルスーツの金属部分へのミスリルのコーティングを行おうと思ったが、ふと思いついた。

 ミスリルで極小のマイクロチェインシートを作り上げる。その両面にミスリルの皮膜状のものを貼り付けて強度と気密性を確保。

 ミスリルでウール状のシートを作る。ここを空気が通る

 ミスリルを線維状にして織り上げてミスリルの布にする。片面を微細な起毛状態にして、起毛の先端を極小の球体にするれば、肌に張り付かない

 この三つを一体化して三層構造の一枚の生地にすれば、強度・気密性・通気性・肌触りの揃った布地の完成だ。

 ミスリルのシートでミストとでも呼ぶか。


 俺はコックピットに向かい、リーフレットに声をかけた。

「忙しい所悪いんだが、ちょっとこのミストを肌に当ててみてもらえるか? ツルツルしていない面だ」

「ミスト?」手渡すと不思議そうな雰囲気を漂わせながら、顔に当てている。

「サラサラ? いえ表現が思いつきませんが、面白い肌触りですね」

「だろう? 身体に直接触れても変な感じはなさそうか?」

「はい、逆に良い感触ですね」

 首筋を開けて当てようとするなよ。まったく・・・

「それでこれがどうかしましたか?」

「いや、ノーマルスーツをコーティングするんじゃなくて、スーツの回路関係だけを使って、ミストで作り直したらどうかと思ってな」

 リーフレットは首を振りながら「レンフォードさん私はそこまでは頼んでいませんよ・・・ですが、是非お願いします。これで、下着を作るのも面白そうですね」

 専用の製造装置でも開発しなければ、俺にしか作れないミストで下着が作れるわけないだろう! 羞恥心を持て!

 もともと、俺は{千里眼}の応用で立体視が出来るから寸法も目視で判ってしまうんだよ。

「いや、通気性はあるが吸水性はないから無理だろう」

「そうですか? 問題なさそうですが」

 まずい、このまま話が進むと本当に作ることになりそうだ。

「肌触りに問題がなければこれで作り直しておく」と言って、カーゴに逃げ出した。


 なお、リーフレット専用ノーマルスーツは完成した。当然、肌着の上に着用するものだ。

 下着については思い出さない事を望む・・・


「それでは通信を開始します」ノーマルスーツを着用した、リーフレットが報告する。

 すでに送信する文面と宛先は渡してある。俺が銀河帝国、リーフレットが王国にそれぞれ一通。国境ステーションの更に先、それぞれの国内の中継ステーションを目標にしている。

 俺の方の内容は依頼主に、決められた法則で暗号化してある。リーフレットの文面も暗号化したそうだが、相手は解読出来るのか?

「・・・送信完了しました。続けて同じ文面をオースティン中継ステーションの外部アンテナで中継して送信します。・・・送信完了」

 リーフレットの操作が終わった。

 結果がわかるのはいつだろうか?

 

 次は、オースティン中継ステーションへの接近だ。

「それじゃあ、接近を始めるぞ」

 ワイバーンのセンサー類をパッシブに切り替えトランスポンダーを停止、慣性航行でステーションに近づいていく。管制用のセンサー類が、ステーション本体に遮られて死角になる位置までスラスターを噴かす訳には行かない。

 ワイバーンの電脳の演算能力はリーフレットが使っているから、軌道の自動補正は出来ない、俺の経験だけが頼りだ。動き出しでぴったりと予定軌道に乗せた。後は、ステーション直近までそのまま管制航行で進む。

 ステーション近くの小惑星帯から、採掘を行った採掘船が戻ってくるタイミングに合わせてステーションへと接近していく。採掘船を壁にするのだ。連中は仕事上がりの一杯を楽しみにしてこちらを気にはしないだろう。

 予定の座標に近づいた所で、{電脳投影}中のリーフレットが、電子・光学ステルスを行い始める。

 ご丁寧にモニターの隅に『ステルス中』と表示されるが、本当に効果が発動しているのかは俺にはわからない。強い精神波がステーション方向に向けられていることはわかるが、それだけだ。

 って、遊びを入れる演算能力の余裕があるのかよ! 自動補正出来たんじゃないのか? 確かにわかりやすいが・・・


 息が詰まるような時間が過ぎていく。ステーションからの動きはなにも無い。本来なら、船籍確認の自動対応が行われて港へのコース変更を要求されるはずだ。

 電子・光学ステルスは効いているらしい。ワイバーンが小さいとはいえ、リーフレット1人の超能力だけでこの効果とは・・・


 予定座標に到達すると、今度は『予定座標に到着しました』と表示された。

 芸が細かい・・・


 姿勢制御スラスターを使ってワイバーンの速度を落とす。無駄に噴かせばそれだけ反応が出る。管制からは死角とはいえ、ステーション外壁にも監視装置はあるはずだ。

『ステルスを解除します』と表示される・・・なにも言うまい。


 ステーション外壁までの距離が10mを切ったところで完全に制止させる。

 外壁をよく観察して監視装置を探す。

「こことここ、ここもか」と口に出しながらモニターを指さし、確認するとそこにマークが表示される。いや、俺の指さした場所だけじゃないな。『ここにもあります』とも表示される。俺は経験則で見つけているが、リーフレットは超能力で探している。


 しかし、ここがオセルス共和国で良かった。アーカード銀河帝国だったら、外壁にもPSPセンサーが設置されているところだ。イスカル王国は言うに及ばないな。共和国は、サイキック嫌いなせいで、サイオニクス研究が遅れていて助かった。

 

「じゃあ、船外活動でワイバーンを固定してくる」俺が立ち上がるとリーフレットの身体が力を取り戻す。{電脳投影}を解除したのだろう。

「固定はどうするのですか?」

「監視装置の無い場所にワイバーンのアンカーを持っていって、引っ張り込んで固定するだけだ。無重力空間で、俺はバルキリー(パワードスーツ)を身につけているからな」

「パワードスーツありとはいえ、生身でやることでしょうか?」

「未開惑星で大型の探索船を固定するのに比べれば楽なものだ。じゃあ出てくる」

 俺はエアロックを抜けて、アンカーを引っ張ってステーション外壁に降り立った。勢いをつけすぎず、それでいて力強く手繰り寄せる。

 ワイバーンを外壁に固定した。多少の宇宙風程度ではビクともしないだろう。


 船内に戻った俺をリーフレットが迎えてくれる。


「一息ついたら、隠し港を探してくる。おおよその場所はわかっているからな」

「レンフォードさん、探してくるではなく、探しに行く(・・・・・)ですよね」

 ワイバーンで待機していて欲しいのだが・・・無理そうだ。

「なら、腹ごしらえをすませたら出るとしよう」

 補給も出来ずに、しばらく外に停泊していたから、自動調理機用のフードカートリッジが残り少ない。

 星間戦闘機のワイバーンの浄化装置では水の再利用にも限界がある。リーフレットが金属アレルギーのせいで自動洗浄装置が使えないからと、身体用の洗浄シートを持ち込んでいてくれて助かった。

 数日で何とかしないとオースティン中継ステーションに、再入港する羽目になる。その場合、ここに戻ってくるのは難しいだろう。


 食事を終えてエアロックに向かう。ついてくるリーフレットに聞いた。

「ところで、リーフレットは宇宙遊泳の経験は?」

「ありません」リーフレットはヘルメットをすでに着けているので表情は見にくい。

 ・・・ワイバーンで待機していて良いんだぞ。 

 リーフレットは、初の宇宙遊泳だというのに落ち着いている。

「なら、俺が抱えて行くしかないな」

「管制宙域の外から、ここまでたどり着けるレンフォードさんなら可能ですね」

 ・・・過去の発言は取り消せないだろうな。リーフレットなら、証拠動画を確保していそうだ。

 俺はバルキリーのヘッドユニットを閉じて、表情を隠してから返事をする。

「大人しく抱えられてくれれば問題ないな」

「わかりました」

 空気の抜ける音を聞きながら、リーフレットをさっさと抱き上げる。

 柔らかくはないな、心配になる細さと軽さだ。

 空気の抜けきったところで、エアロックを解放する。

 ワイバーンの床を蹴ってステーション外壁に降り立った。

 初の宇宙遊泳なら適当に動いて流される奴が多いが、リーフレットはピクリとも動かない。

 生命維持装置きちんと動いているよな? 息しているか? 逆に心配になるぞ。

「監視装置やあやしい場所を発見したら教えてくれ」

「バルキリーの電脳への私の携帯電脳からのアクセス許可をいただきたいのですが?」

 勝手にアクセス出来そうだが確認してくれるのはありがたい。携帯電脳の、簡易PSPセンサーが反応しても五月蝿いしな。

 俺は自分の携帯電脳のPSPセンサーを停止した。

「俺の携帯電脳をバルキリーの補助電脳にリンクさせてあるから、そっち経由で頼む」

 バルキリーのヘッドディスプレイに『ありがとうございます』と表示される。

 その他にも監視装置の場所が表示された。自分でも探しているが見落とす心配が減って助かる。これがやりたかったのか。


 監視装置を迂回しながら予測された場所に近づくと『注意してください PSPセンサーが存在します』と表示される。

 PSPセンサー、俺にも見えて(・・・)いるけどな。

 見つけた、港への入出港口だ。開閉式で隠蔽されているが、至近距離からなら見分けがつく。大型の宇宙船が出入りするのが限界だろう。PSPセンサーは港を護るために設置されていると思われる。

「流石に、警備は厳重なようだな。近づくのは難しそうだ」

『どうしますか』

「入出港口の整備用にエアロックがあるはずだ。警備が緩いかもしれないから、そっちを当たろう」

『わかりました』

 周囲を探すこと十数分。エアロックを見つけた。見つけたんだが・・・

『PSPセンサーもありません、狙い目ですね』

 ・・・罠か? 入出港口をガチガチに固めておいてこっち(エアロック)は通常の監視装置だけってあり得るのか?

「罠なのか? いくら何でも・・・」

『あやしい反応はありません 古めの共和国規格の通常エアロックですね。規格品をそのまま使っているかと』

 ・・・馬鹿か?

「リーフレットならあのエアロック開けられるか?」

 プシュッ、と音がした。もう開けていたか。

「あー・・・リーフレット。気持ちはわかるが、せめて俺に確認してくれ」

『申し訳ありません 簡単過ぎて つい』

 いや俺だけだときつかった・・・と言いたいが実は{金属操作}で、配線を直結するだけで開けられるんだよな。入出港口との落差が酷すぎる。

 エアロックに侵入して、内部に空気を補充させる。

「内扉を開ける前に、{透視}と{千里眼}で内部を調べてみる」

 扉に精神波を浸透させて{透視で}覗いてみる。接触して、精神波を浸透させる事で、PSPセンサーに検出されにくくするテクニックだ。

 扉の向こうは通路になっていた。左右を確認していると警備用らしき戦闘ボット(戦闘用ロボット)が通っていく。巡回させているのだろう。

 ・・・巡回させているのだろうが、警備用にもPSPセンサーを、搭載してしていないってどうなんだ?

 巡回の頻度を確認していると4台通りすぎると1台分ほど時間が空く。・・・まさか5台セットで1台整備中とか言わないよな?

 頭痛を感じながら、戦闘ボット1台に{千里眼}で視点を移す。後は戦闘ボットが勝手に案内してくれる。

 ・・・これ戦闘ボットにタイミングを合わせてついていくだけで、監視区画を突破出来そうなんだが?

「リーフレット待たせて悪かったな。ここの警備はスニーキングミッションのゲーム並だな。突破されるためにあるような警備だ」

 首をかしげるリーフレット。

「突破されるのが前提? ああ、なるほど。そこまで緩いのですか」

「この港、外れかな。極秘だとしても民間施設な気がしてきた」

 議員が関与しているとか、共和国そのものが敵だとか考えすぎな気がしてきた。俺の勘も鈍ったか・・・

「レンフォードさん、落ち着いてください。民間施設に専用の港を作るなら、流石に公表されますよ。港の管制も正規の港と同時に行うはずです」

 そう・・・だよな?

「違う可能性も考えながら、穏便に調査しておくか。俺に合わせてついてきてくれ。監視区画を抜けるぞ」

「わかりました」

 バレなければ犯罪ではないとしておこう。


 注)普通に犯罪です。よい子は真似しないでください!

 

 本当に、タイミングを合わせて移動したり、やり過ごしたりで、監視されている外周部を突破出来てしまった。

 内部は完全に独立した港になっていてかなりの広さがありそうだ。

 外周部はガチガチに警備している(つもりの)ようだが内部に入り込んでしまえば、重要施設以外は警備が緩い。しかも戦闘ボットや監視装置だけで警備の人員が見当たらない。

「何なんだこの港は? 常用している様子もないし、何のための港なのか理解できないな」

「必要な時以外は、人工知能による無人管理なのでしょう。無駄(・・)の多い施設です」

 リーフレットは無駄とか嫌いそうだな。俺は無駄は嫌いではないぞ、好きな言葉は機能美だが。


 ポヨン

 ん? なんだこれ?

 緑色の半透明なスライム? がいて近づいてくる。直径は30cmか。

 俺は、腰の銃を素早く抜き、銃口を向ける。キーンというジャベリン(エナジーマグナム)特有の音がする。

 まあ今は、非殺傷用の硬質ゴム弾だが。

「リーフレット気をつけろ。変なのがいる」

 スライム? は動きを止めた。

「レンフォードさんこれ(スライム? )は何でしょう? ご存じですか?」

「見たこともないな」

 動きを止めたって事は、銃を向けられたと理解しているのか? まさかな。

「言葉が判るなら跳ねてみろ」

 ポヨン

 ・・・偶然か?

「言葉が判るのですか? はいなら二回、いいえなら一回、跳んでください」

 リーフレット、流石に無理だろう

 ポヨンポヨン

 ・・・偶然?

「わかっているようですね」

 ポヨンポヨン

 ・・・なんだこの謎生物

 あっちが理解していても、こちらは、はいといいえしかわからない。意思疎通は無理だな。

「レンフォードさん、可愛い気がしてきました」

 そうか?

「あなたはついてきますか?」

 ポヨンポヨン

 ・・・マジか。知能高いぞ、これ。


 テッテレー

 レンフォードは謎のスライム? を仲間にした!

 ・・・つい現実逃避してしまった。


「まあそいつは置いておいて、港の調査を続けよう」

「わかりました。ところでそのおかしな銃は何ですか?」

「エナジーマグナムってマイナーな銃だな」

 おかしくて悪かったな。まあマイナーで不人気だから否定出来ないが。

「エナジーマグナムですか?」

「ああ、BFエナジーを薬室に充填して爆発力に変換、弾丸を撃ち出す不人気銃器だ」

「説明だけなら、炸薬も要らないので便利そうですが」

「薬室に充填する時間が、数秒とはいえかかるから連射性能が弱い。更に、同じ量のBFエナジーを消費するなら光学兵器の方が威力が上。光学系の防御手段が効かない以外は、良いところが無いという評価だな」


 俺のジャベリンは、通常のエナジーマグナムをわざわざ再設計したものだ。薬室をシリンダー状にして6発までは連射出来るようにしてある。6発撃ったら再充填に10秒かかる。青い合金(・・・・)を使っていなければ強度不足で機構部分が爆発するだろう。塗装してあるが。

 外見は、オートマチックにリボルバーのシリンダーを組み込んだ銃に見えるだろう。

 消費するのがBFエナジーと金属の弾丸だから、俺の超能力とバルキリーのBF反応炉があれば、ある意味無限に撃てると思いついて設計した。充填時間は二丁拳銃で補っている。切り札もあるので俺のメインウェポンだ。


 ついでに、BFエナジーについても説明しよう。

 BFエナジーは、ウィスプ結晶という結晶体に水銀を反応させることで生じるエネルギーだ。変換器を使うことによっていろいろなエネルギーに変換出来て、電気・光・熱量・推進力と多彩に使える。俺のジャベリンのように爆発力にも変換可能性だ。

 以前の技術の電気回路に電気変換したBFエナジーを供給するだけで使えるため、たいした混乱もなく移行されたと聞いている。

 なお、BFエナジーの発生量は水銀に接触したウィスプ結晶の表面積に比例するため小径のものの方が使いやすい。しかし、ウィスプ結晶は加工も破壊も不可能と言われているため採取されたままの大きさで使われていて、小径5cm・中径1m・大径20mとなる。

 水銀もそのままでは使いにくいと水銀溶液に加工されて使用されている。



「そういえばリーフレットは、護身用に何か持っていないのか?」

「私はこれです」

 レーザーピストル? 本当に、護身用らしき小型のものだ。

「熱線レーザーピストルです。{電光}で投入電流を増強しても耐えられる設計にしました。{光使い}で更にレーザー光を増強も出来ますよ」

 設計? リーフレットは電脳の操作以外に設計もいけるのか。しかし、どれ程威力があるんだ、それ?


 レーザーには二種類ある。

 熱量で対象を溶かしながら貫通する熱線レーザーと、命中箇所で気化爆発を起こすパルスレーザーだ。


 俺達+1はこの港を管理している施設の近くまでやってきた。目的は管理用の電脳内の情報だ。

 入り口には認証システムがあり、監視装置が多数設置してある。当然のように、PSPセンサーもあるので超能力の使用も出来ない。

「流石に、あれを突破は難しそうだ。ネットワーク経由でハッキングは可能か?」

「それが、この港は閉鎖式のネットワークで独立しています。先ずはそのネットワークに侵入の必要がありますね。港の他の施設からなら可能かもしれませんがその端末の性能にもよります」

 リーフレット頼みで、何とかしようと言うのは人頼みすぎたな。

「なら他の施設を・・・」

 リーフレットは周りを見回していたが

「ようやく確信出来ました。この施設の監視装置ですが、経験の浅い頭でっかちが、独りよがりでくみ上げたものではないかと」

 経験の浅い頭でっかち? リーフレットは元セキュリティ会社勤務だったな。

「どういうことだ?」

「連動や効率を考えずに、ただ多く配置すれば良いという置き方ですね。ですから、巡回の戦闘ボットも、常に予備機を準備しておくなどの対策をしなかったのではないでしょうか」

「なるほどな」

 物量でどうにかしているだけか。もしかして何処かに警備の穴でもあるかもしれない。

 PSPセンサーに反応されない距離で{千里眼}を使って周囲を調べてみるか。

 ・・・本当に大穴があるな・・・使えないが

「監視装置の穴が見つかったが、使い道がないな」

「穴があるのに使えないのですか?」

「施設の屋上だからな。PSPセンサーの設置を忘れているらしい・・・。空でも飛べないと意味は無いし、他の監視装置は普通にある」

 そのせいで忘れたんだろうな。

「私を抱き上げて、バルキリーで飛べませんか?」

「バルキリーのスラスターは、宇宙空間の移動用で大気・重力下で飛べるほどの出力は無い。俺一人でも無理だな」

「そうですよね」

 フヨフヨ・・・

 スライム? が飛んでいる。跳ぶじゃなくて・・・

 本当になんだこの謎生物。

「飛んでいますね」流石にリーフレットも驚いたらしい。

「だが、こいつが飛んでも意味は無いだろ。リーフレットがたどり着ければ、監視装置を無効化して入れそうだが」

 ブワッ

 スライム? が膨れ上がってリーフレットを取り込んだ。シャボン玉のようだ。そのまま屋上に飛んでいく。

 咄嗟に撃ち落とそうと考えて、ジャベリンを抜き放ったがリーフレットに当たると躊躇した。その間にも上昇を続けていく。今から撃ち落としたら墜落するだろう。

 くそっ、油断した。何かあったら監視装置を無視してでも乗り込んでやる。


 {千里眼}で見ていたら屋上で何事もなく、リーフレットが解放された。監視装置は無効化したのだろう。

『レンフォードさん、無事にたどり着きました。このまま施設に乗り込んでみますのでお待ちください』

 リーフレットの携帯電脳は無線機能まであるのか。

『待て、危険だ。そのスライム? に俺も運ばせるように・・・』

『一回、跳ねているので断られました』

 本当に聞いたんだろうな? 見えなかったぞ。

『ふざけるな、と伝えてくれ』

『私だけで無理なようでしたら呼びますね』

 リーフレットはサッサと内部に侵入していく。たまに、人の言うこと聞かないよな、あいつ。


 待つこと、しばし・・・

『電脳の掌握が完了しました。入り口の認証IDを送りますので入ってきてください」

 リーフレットは、PSPセンサー連動の防衛装置でもなければ無敵だな。俺は要らなくないか?


 俺は認証IDを使って管理施設に侵入した。


 ・・・格好つけても、なにも起きようがないけどな。管理の電脳が発行したものなのだから。

出来れば誤字脱字報告お願いします。m(_ _)m

ちなみに句読点の使い方が下手な自覚あり

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