施術
書きたくなって書いてみました。
TRPGが趣味の一個人です。
私のシナリオの作り方はキャラクターとプレイヤーの性格を元に、このキャラならこう動くと考えるものです。
ですのでキャラとの乖離が大きくなるとエタり易いと自覚がありますので期待しないでお読みください。
以下、好きな作者さんを上げておきます
高千穂先生・笹本先生・安芸先生・リュート先生
俺は施術のために声をかけた。
「それじゃあ、悪いが目隠ししてもらうぞ」
「わかりました」あっさり目隠しを受け入れるエルフ
少しは警戒したほうがいいぞ。
「精神波を流し込むから、出来るだけ精神防壁を弱めてくれ」と言いながら精神波を流し込む。
ズキッと頭に痛みが走った。
本来は、人の身体に干渉するような超能力じゃ無いから、負担がきたようだ。
俺はメタリカの種族能力の{思考分割}で久しぶりに、全ての思考領域を使用する。
{透視}で部品を確認しながら、{粒子操作}でミスリルを操作、バイオメタルを除去、素材をミスリルに混ぜ込んで青い合金に精錬すると同時に四つの並列使用。
目隠しをさせたのは、青い合金をこの場で精錬していることを隠したいからだ。
{粒子操作}が俺の持つ超能力で、メタリカの種族能力の{金属操作}が{念動}、{透視}、{千里眼}と複合したものだ。複合能力はいくつかの超能力が持ち主の性格や性質に沿って合わさり本来とは違う効果を持ったものとなったものだ。俺のは{金属操作}がより緻密になっただけだが。
ちなみに、内包した超能力は個別の超能力として使用も可能だ。
バイオメタルの摘出は終了。続けて固定部品の置換か
体内の部品は純ミスリル製だから、思考領域一つ分楽になるかと思ったが精神防壁の抵抗があって逆にきつい。
「もう少し、精神防壁を弱められないか?」
「申し訳ありません。限界まで下げているつもりなのですが、体内をいじられているような感覚がして集中できません」
エルフが謝ってくれるが、今は頭は動かすなと言いたい
ポタッと、脂汗を流しながら精錬を続ける。
表面にミスリルをコーティング状に残して完成だ。
「ふう、終了だ」
額の汗を拭おうとして、ゴッと装甲が当たる。
バルキリーを脱ぐのを忘れていたな、施術前に脱いでおくのだった。
解放している頭部以外はスーツが汗を処理してくれている。
目隠しを外し、義手を取り付けてやる。
義手を起動させると、ビクンっと動いた。
エルフは、携帯電脳を取り出して操作を始めた。義手のパラメータをいじっているようだ。
「感度が悪くなっていたために、設定を変えてあったので反応が過敏になっていました」
指・手首・肘・肩と順番に、何度も動かしながら調整している。手慣れた調整だな。
次は、仮想キーボードを立ち上げてキーを打っている。
満足したのか、手をグッパグッパとしながら、輝くような笑顔を向けてきた。
綺麗な笑顔だ。きちんと笑えるんじゃないか。
これは男と思いながら、俺は少し視線をずらす。
「悪いが、両脚を続けてすぐに施術するのはきつい。少し仮眠をとってからにしたいんだが?」
「もちろんです。明日同じ時間に、こちらに来ればよろしいでしょうか?」
「いや、悪いが仮眠をとったら、すぐに両脚にかかりたい。狭くて悪いが、今日はこの船に泊まって欲しい」
表情をいつもに戻して、首をかしげながら「それはかまいませんが、何か理由でも?」
「ある。ただあんたにも関係があるから、理由は施術が終わってから説明するつもりだ」
「わかりました。ところでもう十五時過ぎですが食事はどうされますか?」
言われて気付いたがそんな時間か
「お礼もかねて奢らせていただきますので、食べに行きませんか?」
追跡者の確認もかねて、一緒に出掛けるのはありだな
「了解。店は任せる」と二人で食事に向かった。
一応この船にも、自動調理機はあるけどな。
「おい! この店は自然食材も使う高級店じゃないか、こんな格好で入れるわけがないだろうが」
念のために着たまま、来たのはまずかったか。
「問題ありません。店員さん個室をお願いします」エルフは慣れた態度で店員を呼ぶと個室に案内させた。
「個室でしたら、そんなにうるさく言う店は少ないですよ。何か食べたいものはありますか?」メニューを確認しながら言ってくる。
高級店なんて、昔はともかく今は縁が無いからわざわざ自分の携帯電脳ではメニューを見る気もおきないな。
「食べられないものはないから、任せる」
「では、おすすめコースを二つと、飲み物はどれにしましょう? お酒もありますが?」
「酒は嫌いだ。そもそも未成年だからな。あんたは好きな物飲んでくれ」
種族によるから未成年=飲酒不可と言うわけではないけどな。
飲みたい人が飲むのは自由だ、迷惑さえかけて来なければ。本人は幸せのお裾分けのつもりかもしれないが「好きな物を飲ませろ」と言いたい。
いっそ、ドワーフのように酒嫌いに飲ますぐらいなら、自分が飲むって方がありがたいのだが
「それでは、なににしましょう?」
「ミネラルウォーター、食後にバニラシェイクで頼む」
一瞬、エルフが止まった気がするが気のせいだ、そう気のせいだろう
「では、ミネラルウォーターと食後にバニラシェイクを。私もノンアルコール飲料で」
「ところで、先ほど気付いたのですが、クロスロードさんは私の事をずっと「あんた」としか呼んでいません。クロスロードさんは私にとって恩人になったわけですし、名前で呼んでいただけませんか?」と目つきが少しだけきつくなったような?
「悪いな、今まで名前で呼び合うようなの相手がいなくてな。親しくても「じいさん」とか呼んでいたし」俺は視線を外しながら答えた。
「では私の事はリーフレットと呼んでください。家名は名乗ってこそいますが、嫌いですので」
家名? 良いところの生まれか?
「俺の事は、レンフォードでもレンでも好きに呼んでくれ」
「では、レンフォードさん、改めてよろしくお願いいたします」リーフレットが、少しだけ微笑みながら言ってきた。
「料理もきたことだし乾杯」とグラスをぶつけ合う。
水とノンアルコール飲料だけどな。
店を出てワイバーンに向かって歩いている。
「そういえば、ハンターは危険な代わりに儲かると聞いたことがあるのですが、レンフォードさんは、儲かっていないのですか?」
お前もノンアルコール飲料だったよな?
「高い店に腰が引けていたのは認めるが、失礼だな。さっきの店の支払い程度なら、賞金付きの宇宙海賊を2隻も沈めればお釣りがくるぞ。まあ稼ぐのに運もいるけどな。俺は探索者志望だから、船や装備の購入資金を貯めているだけだ」
「あの合金を売り出せば、すぐに戦艦でも買えそうですね。イスカル王国の恨みを買いそうですが」
あれを売り出しのはまずいなんてものではない。探索者になれなくなるだろう。
「そんな事になったら、探索者になるなんて勿体ないと言い出す奴が必ずいるだろうな。余計なお世話としか思わないが」
人の夢にケチをつけるなよ。俺は信用できる仲間と冒険したいんだ。
金が必要なのは認めるが、必要なだけあれば良い。それが難しいけどな。
「私も家族に自分の人生を勝手に決められそうになりました。お金を稼げるようになったらそんなことは無かったかのように家にお金を入れろとしつこく連絡してきますが」
珍しく表情が歪んでいる。余程の事があったのだろう。
「いっその事、探索者にでもなるか? 船を家にして旅から旅だから連絡なんて届かないぞ」苦笑交じりにそう言うと
「一考の余地がありますね」真剣な表情で頷いた。
稼いでいるみたいだし、本気ではないだろう。
気付かれないように、後ろを見ると、つけてきているのが二人いる。
一人は俺、もう一人はこいつをつけてきた奴だ。俺が巻き込んだのか、それとも元々目をつけられていたのかどちらだろう?
さてどうするべきか・・・
俺が囮になっているのは納得の上だから問題ない。だが、リーフレットは、どう見ても非戦闘員だ。残念ながらサイキックなので無関係とは言えないが。
しかし、巻き込むのは俺が許せそうにないな。
「リーフレットは義肢が直ったらどうするつもりだ?」
さっさと、王国に帰ってくれると助かるんだが。
「仕事は一段落していて特に予定はありません、共和国内で食べ歩きでもしましょうか」
おいおい、お前はどんだけ金持っているんだ? 自分の船もなしに星間国家内を巡るっていくらかかると思っているんだ。
「なあ、リーフレットはこのステーションまではどうやって来たんだ?」
「知人のつてで、船をチャーターして来ました」
「帰りもその船を頼めるのか?」
「いえ、別の仕事があるとすぐに出航しましたので」
仕方がないか。俺の調査は遅れるが、こいつがこのままこのステーションにいるのは拙そうだ。
「リーフレット、事情は船に戻ったら説明するが、サルファ国境ステーションまで送ってやるから、すぐに王国に帰った方が良い」
しばらく俺の顔を見た後に、リーフレットは「理由をお聞きしないと納得出来ないと思います」と答えた。
「だろうな」危険性を伝えて納得してもらおう。
ちなみに、国境ステーションとは友好的な二国間に国同士の玄関口として、最低一つは国境線に共同で設置されるステーションだ。アーカード銀河帝国、イスカル王国、オセルス共和国は表面上は友好国だからな。
サルファ国境ステーションは、イスカル王国とオセルス共和国の国境となる。
ワイバーンに戻ると、すぐさま「それでは理由を教えて下さい」とリーフレットが落ち着いたまま聞いてくる。
「危険だからだ」リーフレットの目を見ながら伝える。
「実はだな。ここ数年、このオースティン中継ステーションの近隣星系でサイキックの行方不明が多発している。俺は調査依頼ってことにはなっているが、実際は囮として送り込まれたんだろう。サイキックで見習いハンターなら狙いやすそうだろ? 俺がこのステーションに目をつけたのは行方不明者のうち、サイキックを含んだハンターチームの足取りが、ここを最後に途絶えていることが多かったからだ。ワイバーンに来るリーフレットにも尾行がついていたから、リーフレットも狙われているかもしれない。乗ってきた船がまだいるのなら送り出して調査を続けたんだが・・・」
「相手の目的などは分からないのですか?」
「奴隷売買についても調べたが白。共和国では違法だし奴隷市場が少ないからな。共和国のサイキック嫌いは根強いから、サイキックを狙うようなテロ組織も探してはいるが見つからない。ここのスラムも調べたが大規模な人身売買などはしていなそうだ」
顔を逸らしながら「親しい友人に警告するくらいは、依頼主から許可されているしな。王国との国境ステーションまで送ってやるからこの国から離れろ」
「ですが、貴方はこのステーションを離れてしまってよろしいのですか?」
「元々、俺が個人的にここがあやしいと睨んでいるだけだ。ついでに、サルファ国境ステーションのギルド支部経由で、帝国の依頼主に中間報告でもするさ。本当は、どこのギルド支部経由でも連絡出来るはずだったんだが、ここの支部の職員は馴染みのハンターを優遇しすぎで信用できない」
「それでしたら、このステーションをすぐに出てから、移動中に施術した方がよろしいのでは?」
「いや、船ごと行方不明になっていると思われる行方不明者も多いから、移動中も気を抜きたくない」
「わかりました。それでどうしますか?」
「先ずは、後から全額返金するからギルドで指名の送迎依頼を出してくれ。そうすればこのステーションにとんぼ返りしてもおかしくない」
「いえ、返金は必要ありません。送っていただくのは本当ですので」
「面倒をかけてすまないな」と俺が頭下げると
リーフレットは「こちらこそご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いいたします」と頭を下げた。
「じゃあ悪いが、今からギルド支部にいって手続きをすませておこう。ただし、俺達をつけ回していたのはハンターだったから注意してくれ」
「わかりました」返事をするリーフレットを連れてギルド支部に向かったのだった。
相変わらず見張りはついている。お前ら仕事しているのか? いい加減見飽きてきたぞ。
ギルド支部に着いて手続き用の端末に向かう。わざわざ、受付嬢に頼む必要もないからな。
「これで手続きをするんだ」とスリープを解除して手続きを始める。
見習いハンターのライセンスで基本内容を入力していく。後は依頼主の欄だな。
「この依頼主の欄に入力を頼む」
リーフレットに場所を譲ると、入力をあっという間に終わらせてくれた。
ん? 今、報酬額の欄を修正していなかったか?
確認しようとしたところで、余計な奴が絡んできた。
「おいおい、見習いの戦闘機乗りなんかに指名の送迎依頼なんて無理だろ。俺様のチームに任せろよ」
大男が端末を覗き込んできた。咄嗟にリーフレットとの間には割り込んだが俺の身長だと遮るには足りないか。
しかし、人が操作している端末を勝手に覗くなよ。
こいつは、俺達をつけ回しているハンター達のチームのリーダーだ。ゴンザだったか? 戻ってきたら尻尾を掴んでやる。
しかし、人の受注済みの依頼に割って入るのは、ハンター規約違反なんだが脳みそまで筋肉で知らないのか?
「なあ、止めないのか?」受付嬢に声をかけるが特に反応がない。まさか職員も規約知らないのか? 大丈夫かよ? ここ。
「人の受注済み依頼を奪おうとするのは規約違反なんだが?」と、受付嬢に告げると、ようやくゴンザに目配せを送っている。
「レンフォードさんに依頼に来たのであって、貴方には頼んでいません」リーフレットがはっきりと断る。
怒ったのかゴンザが、リーフレットに詰め寄ってきたので立ち塞がる。流石にまずいと思ったのか受付嬢からも制止がかかった。
依頼主に喧嘩を売ってどうするよ。
受注も終わったし、うるさいゴンザは放置して退散する。
「悪いなリーフレット、ここの職員の教育はどうなっているんだ? 後で、ギルドの共和国統括本部にチクってやろうか」
「いえ、レンフォードさんのせいではありません。ところで、さっきの状況の動画データがありますが必要ですか?」
「録画していたのか?」いつの間に?
「フリーランスですと、打ち合わせで言った言わないになりやすいので、いつでも録画出来るようにしています」と胸ポケットの携帯電脳を指さす。
「私の超能力はそれ向きですから」
電気系でそれ向きなら{電子操作}か? 手を触れずに電子機器を操作出来る超能力だな。
「一応、言っておくがこの国は超能力の使用にうるさいから気をつけろよ」
まあ、俺にもまったく精神波が感じられなかったからPSPセンサーに引っかかるはずはないけどな。
「私なら超能力の傾向から、PSPセンサーの場所も何となくわかりますので大丈夫です。精神波は感じませんが、レンフォードさんもよくなにかしていますよね?」
「気付いていたか、俺は{千里眼}も持っていてな。遠くを見るだけの超能力だと思われがちだが、視点を飛ばすものだから、慣れれば前を見ながら後ろも確認できる」
「慣れればですか? 難しいと思いますが」リーフレットがこちらを見て言う。
もしかして呆れが混じっているのだろうか? 表情からはよく分からないが
「俺の場合は、メタリカの種族能力で{分割思考}があるからな、思考領域の一つを割り当てるだけですむ」
「そういえば、メタリカという人種は聞いたことがなかったので、種族能力も初耳です。検索しても情報がありませんでしたし」
「脳が元々分割されていて思考領域が四つある。普段は、三つを使用していて順番に一つは眠らせている。おかげで睡眠がたまにですむ。確か、鳥だか魚にもそんなのがいるらしいな」
「マルチタスクとは違うのですね」
「正確には知らないが{分割思考}は脳の機能、マルチタスクは技能だったはずだ。俺だと使えれば効果が高そうだからマルチタスクは身につけたいと思っている。リーフレットは使っているように見えたが、コツとかあるのか?」
「そうですね。先ずは、右手と左手で別の作業が出来るようにする事からでしょうか。私は右手と左手、更には{電子操作}で思考入力も行っています」
「左右の手で、複数同時操作の出来るアクションゲームでもやってみるかな。慣れたら別々のゲームが出来るよう訓練するか」
「訓練方法としては有りかもしれません」素で、マルチタスクを四つ以上同時進行させてそうなリーフレットに言われると効果がありそうだ。
ワイバーンに戻ってきたので、俺は寝る準備を始める。
当然、バルキリーは脱いだ。
「寝苦しいだろうが副座式のコックピットだから後部の座席を寝るのに使ってくれ。新品でなくて悪いがきちんと洗った毛布もある。俺はあっちで寝袋で寝るから」
「ですが」とリーフレットが言いかけるが、ヒラヒラと手を振ってカーゴに移動した。
流石にさっき思考領域を四つフルに使ったせいで頭が疲れていた。おかげで眠くなる。俺は寝袋に入って、意識を手放した。
目を開けると、ふわっとココアの匂いが漂っていた。
「どうぞ」リーフレットが自動調理器からカップを持って近づいて来る。
「リーフレットはしっかり休めたのか?」
「エルフは種族能力に{短時間睡眠}がありますので、3時間も寝れば十分ですよ」
そういえば、そんな能力を持っているんだったか
「それなら、両脚の部品交換もサッサと終わらせよう」俺はリーフレットに背を向けて準備を始めた。
後ろでシュル、パサッと服を脱ぐ音が聞こえる。
「さてと」と振り向くと全裸のリーフレットがいた。
顔・胸・へそと視線を下げていくとあるはずのものがない?
数秒後、俺の顔に血が上り慌てて反対を向く。
「お前、女だったのか!」
「はい、そうですが。そういえば、言った覚えがありません」
見るのはまずいので、振り向かずに「お前、女が男だけの船に乗り込むとか、裸を見せるとかなに考えている!」
性別不詳ではあったが、あまりにも警戒心が欠如していたから、男だと思い込んでしまった。ギルドでの依頼書もゴンザのせいで、こいつのパーソナルデータを確認していない。
そもそも、そのスーツ男性ものだろ。
「いえ、私の身体なんて欠損した欠陥品ですので、気にしないでください。女らしさも皆無ですし」
いや、確かに絶壁だったけど、綺麗ではあるだろうが! と口には出せないが。
「せめて、ショーツぐらい履け!」
ショーツなんだよな? 脱いである服の確認はとても出来ないが。ブラをしていなかったのは確定だ。
「ですが、右脚はつけ根部分ですので邪魔だと思いまして」
確かに邪魔になりそうだが、そういう問題じゃないんだよ。
「私は気になりませんので、お願いします」声に変化がない。
本当に気にしてないようだ。というか、全裸の女性の前で跪いて脂汗流しながら作業する俺が気にするんだが!
そもそも、親しくしているようなのはじいさん含めて数人で、女はいないんだよ。
「それではお願いします」リーフレットの声に僅かに振り向くと、すでに目隠しをして箱に座っていた。
お前こっちの言うこと聞く気が一切無いだろ・・・
俺は冷静にと、心の中で呟きながら仕方なく施術を始めようとする。
右脚は気が散りそうだから後回しにして、左脚からにしよう。両脚の義足を外してから、左の太股に{粒子操作}を発動する。
間違っても視線は上げない。
作業を始めてしまえば慣れている{粒子操作}の発動だ。気が散ることは無い! 無いんだよ!
左脚が終わり義足を取り付ける。義足の動作確認は後回しにして右脚に取りかかる。
俺の今の姿を他から見たら変態だろうなと思いつつ、集中する。
脚の根元だから、こちらの固定部品は骨盤にも繋がっていた。
確かに骨盤は女性だな。女性に{透視}を使っているのも複雑だ。見ているのは骨格だけどな。
「あっ、ふっ」まずいだろうと思っているんだから変な声を上げるな!
冷静にと言い聞かせながらリーフレットに聞く
「どうかしたのか?」
「いえ、腹部の中を触られているみたいな変な感覚がありまして」本当なのか? 表情変わらなくてわからないぞ。
焦らず、落ち着いて、平常心と唱えつつ作業を続ける。
どれだけ時間が経ったかわからないが、ようやく終わってくれた。超能力の消費とは別の意味で、精神力が削れたな。
右脚の義足も取り付ける。
「終わったぞ。サッサと服を着てくれ」
「いえ、動作確認とパラメータ調整も服がない方がやりやすいので」
俺はリーフレットのセリフの途中でコックピットに逃げ込んだ。
リーフレットがコックピットに顔を出した。
「パラメータ調整など、諸々終わりました」
「調子は?」と確認すると
「良好です。これなら走ったりも出来ると思います。本当にありがとうございます」微笑みながら言われた。
今は、微笑まないで欲しいのだが。思い出しそうになるだろうが!
自分の意識を逸らすために、手元のものを食べる。
「あの? なにを食べているのですか?」リーフレットが俺の手元を見ながら言う。
「エナジー・バー、カロリー補給用のチョコレートバーだな。頭を使った後は糖分が効く」
ショックな事もあって疲れたからな。
「一つ頂けますか?」手のひらを向けるのでのせてやる。
「甘いですが、悪くはないですね」
「疲れた時用に常備している。この製品は、このステーションじゃ廃棄町の雑貨店にしか無かったが」
そういえば、あの店主のオババはホログラムだったが、ただ者じゃなさそうだ。
「さてと、俺はもう一度仮眠する。起きたら出航予定だ」
頼むから夢に出るなよ。種族的に夢は見ないがな。
「わかりました。私は少しやりたい事がありますので、レンフォードさんが起きるまで後部の座席をお借りしても?」携帯電脳を片手に言ってきた。
「ああ、別に構わない。お休み」片手を上げてカーゴに移動して寝ようとした。
ショックで、眠気がどこかに行っていたので寝付くのに時間はかかる、そう時間がかかるだけだ。
うとうとしていると、そういえば部品の製作・施術費用を決めていなかったなと思い出す。
まあ、リーフレットが払わないなんてことはないだろう。
女性の裸は初めて見た・・・思い出すな。俺・・・
出来れば誤字脱字報告お願いします。m(_ _)m
ちなみに句読点の使い方が下手な自覚あり




