表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/20

座敷わらしのリコちゃん【文芸_ホラー】

ジャンル:文芸_ホラー

タイトル:座敷わらしのリコちゃん

https://ncode.syosetu.com/n6849io/


◇作品紹介◇


「アキト。夏休みだが、母さんの実家でお前を預かってもらえることになった」


 小学五年生の笹島アキトは、お父さんから突然そんなことを言われて困惑していました。

 二ヶ月前にお母さんが事故で亡くなり、お父さんは毎日忙しそうでなかなか家に帰ってきません。必然的に家に一人でいることになり、そんな生活にもようやく慣れてはじめてきた矢先の出来事だったのです。


 アキトはどうしても、お母さんが生前言っていたことが気になります。


――いいかい。大人になるまで、私の実家には絶対に行ってはいけないよ。子どもをさらってしまう、悪い「隠し神」がいるからね。


 そんな言葉を思い出し、内心びくびくしながらお母さんの実家に向かったアキトは、そこでリコちゃんと名乗る同い年くらいの女の子と出会いました。


「私は座敷わらしのリコ。隠し神――“コトリ”から逃れたかったら、私の言うことをよく聞いてね」


【投稿日】2023/1/6

【URL】https://ncode.syosetu.com/n6849io/

(シリーズの「まさかミケ猫 全ジャンル傑作選集」リンクから全ジャンル踏破企画の全作品を辿れます)

※以下、作品のネタバレを含みます


 みなさんこんにちは、幽霊なんて絶対にいないと強気に主張しておきながら、心霊スポットとかには絶対行きません。だって怖いからね。まさかミケ猫です。


 本作は皆様に全力のホラーを届けようと、私なりに頑張って書いてみた作品です。普段あまり書かないジャンルではあるのですが、実は読むのは大好きなジャンルなので思い切ってチャレンジしてみようと思いまして。ゾクゾクするのを私も書きたかったんですよね。書いていて面白かったです。


◆発想のきっかけ◆


 まずタイトルはとても雑に決めました。

 ホラーといったら日本人形、人形と言ったらリ●ちゃん、そのままだと怒られそうなのでリコちゃんってことにしよう。怖いリコちゃんってどんな感じだろう……座敷わらしかなぁ。と、そのくらいの感じでしたね。


 あとは全体の流れはざっくり【可愛い怪異と仲良くなってウキウキしちゃうけど、実は超怖い子でした。残念、君はもう手遅れです。ドーン】みたいなイメージをはじめから持っていて、やりたかったことは実現できたのかなぁと思います。


◆こだわりポイント◆


 一番考えたのはリコちゃんおよび周辺の人々のキャラクターですね。キャラの作り方は人それぞれ好みが本当に分かれる部分なので、話半分どころか鼻をほじりながら「ほーん」って聞いていただければ良いかと思うんですけれど。


 今回はリコちゃん、祖母、変なオジサンそれぞれに「凄味」みたいなものを持たせたいなと考えて練ってみたんですよね。要は「どれだけ歪んでいて、自分勝手な価値観を元に、その行動をせざるをえない段階まで追い込まれているか」みたいな部分だと思ってます。

 もう少し分解すると、「共感できる動機」+「一般とずれた価値判断」となるでしょうか。この二つ、共感できるモノと共感できないモノを一人の内面に共存させて、競合しながら突き抜けた時に生まれる一種の「狂気」みたいなのが、私の大好きなやつなんですよね。楽しいじゃないですか。


 そうですね、即席で考えてみると。

 例えば「愛する我が子を殺された母親が、東京のどこかに必ずいる犯人を確実に殺すため、東京全土を火の海にする」みたいなのを考えたとするじゃないですか。それって論理的にも道徳的にも間違っている、はた迷惑な女だなぁと思います。

 ただ、愛する我が子を殺されたという強烈な動機をもとに行動しているので、誰かが頭ごなしに「あんた間違ってるよ」と言っても彼女は止まらないんですよね。俯瞰すると矛盾(自分の子を殺されて悲しんでるのに、無差別に誰かの子を殺すのか)していることなんて彼女自身も百も承知で、その上で自らすすんで狂気を身に纏っているんです。こういうキャラクターが凄味を孕んでいるのかなぁと個人的に思っています。もちろん、創作上だから許されることですからね? ホントにやったら完全アウトです。


 キャラの作り方なんてたくさんあるので、この作品はこの作り方をしましたが、他の作品では他の作り方をしています。というより、作りたいキャラクターによって作り方も都度変えていってますね。基本の型はあっても掘り下げ方が違うというか。

 そりゃあ、恨みの濃い復讐者を作る時と、可愛いキュンキュンなヒロインを作る時とじゃ、どの部分の解像度を上げるかって違ってくるもんですし。


 このあたりは本当に、勉強するたびに気づかされる部分なので、これからも色々な人の創作を分析させてもらって「このキャラを私が生み出すには、どうしたらいい?」は引き続き追求していきたいと思ってます。

 もちろんコレは私のやり方なので、へーこういう作り方もあるんだなー、ふーん、頑張ってね、くらいの感じで捉えてもらえればと思ってます。部分的にも食べてもらって皆様の作品づくりにも多少のお役に立てたら幸いです。


◆苦労したポイント◆


 普段はホラージャンルの作品をあまり書かないので、作品全体の雰囲気を壊さないように苦労しました。私は気を抜くとつい「身も蓋もない説明」みたいなのをナチュラルに書いて雰囲気をぶっ壊してしまう性質を持っているため、ずっと気を張って書いていたように思いますね。


 ほら、一人称主人公だと特にですが、読者が読みやすいように笑える言い回しなんかをちょいちょい差し込んだりするじゃないですか。でも、本作でそれをすると、ちょっとヒリヒリ・ドキドキするような空気感を壊してしまうことになる。そのバランスが難しいなと思いまして。

 もちろん、狙って読者感情を緩めるシーンではふざけて良いのですよ? でも、崩してはいけないシーンというのもあって、そこはちゃんと書いたので……感覚的に、ホラー以外の作品を書く時とは勝手が違うなぁ、なんて少々苦労したポイントだったと思います。面白かったですけどね。


 本作は「リコちゃんの凄味をどこまで描ききれるか」の一点にほぼかかっていたと思います。だから情報の出し方には多少気を配りました。まぁ、ストーリーとしてはそこまで捻りもなくシンプルだったんじゃないでしょうか。


◆「ホラー」の魅力◆


 読んでいる人をゾクゾクさせたい、物語をひっくり返して読者に鳥肌を立たせてやりたい、書いてる自分の背にも悪寒が走ってほしい……という愉快なジャンルがこの「ホラー」になるわけですが。私も今回書いていて、これを自由に書けるようになったらめちゃくちゃ楽しいだろうなと思いましたし、ホラーの上手い他の作者さんのとかをあらためて読むと「すごいなぁ」と感嘆するばかりです。解析しきれていないテクニックがたくさんあるなぁと感じています。いっぱい勉強しよ。


 読者の背筋を凍りつかせるような恐ろしい作品って、もうホント良いなぁと思うんですよねぇ。一口にホラーといってもいろいろな怖さがあると思うんですが、自分の書いた文章で読者がめちゃくちゃ怖がってくれたら、それって最高じゃないですか。私自身も怖がりたいですし。もっともっと怖い作品を書けるようになりたいなぁと思って、修行を頑張りたいと思います。


★次回予告★


 というわけで、今回も次に執筆する作品のジャンルを抽選で選び、フィーリングでタイトルだけ決めて執筆していきたいと思います。

 もちろん、普段は手を出さないジャンルの作品を書けてとても面白かったんですよ? ですが、「コメディ」「その他」「ホラー」と難しいやつばっかり引き当てているので(あと現代舞台ばっかなので)、今度こそ本当に書きやすいジャンルが来て欲しいところです。


 そろそろ魔法とか書かせて! それかSF!

 というわけで頼みますよ、小説の神様。ルーレット、スタート!


 ドゥルルルルルルルルル……。

 テンテケテンテン、テンテケテンテン。

 ジャン!


●ジャンル→【文芸_アクション】


 んーーーーーーーー……。


 そういえば、あんまり深く考えたことのないジャンルなんですけれど……ハイファンやローファンでも冒険をしてるとアクション要素ありますよね。SFでも作品によりけりですが、職業によってはバリバリなアクションするじゃないですか。ほら、ロボットを操縦してバチバチなバトル展開、とか私も大好物ですし。


 でもあえて、文芸の枠の中でアクションをさせると?

 あれ? これ実は地味に難ジャンルじゃないですか。


 えっと、たぶんですけど魔法要素がある作品を書いちゃうと、ハイファン/ローファンにジャンル設定すべきだし。SF世界になると空想科学、VRゲーム、宇宙とかのジャンルに分類できちゃいますもんね。それらの作品を書いてジャンル「アクション」に設定したら、たぶんジャンル違いになってしまう気がするんですよ……んー、どうしよ。

 現代舞台にするとどうしても「コメディ」ジャンルの作品ばかり頭に浮かんでしまうんですが……それもジャンル違い。ちゃんとアクションの格好良さをメインに描かないと。


 あっれー? ぶっちゃけノーマークで「まぁいけるでしょ」くらいの感覚だったのに、どうしてこうなった。ヤバい。頭の中に何の作品の構想も浮かんできません。


 あ、タイトル先に決めるんでしたっけ。

 分かってますよ。分かってます。決めますから。


 よし、これで傑作アクションを書いてきまーす!


【NEXT】

ジャンル:文芸_アクション

タイトル:帝国議会を破壊せよ!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ