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霧島くんの捏造神話【その他_その他】

ジャンル:その他_その他

タイトル:霧島くんの捏造神話

https://ncode.syosetu.com/n3875io/

◇作品紹介◇


 保育園に通っていた私が“なぜなぜ期”に入ったのとちょうと同じ頃、マンションの隣の部屋に住んでいる霧島真也くんはいろいろなお話を作るようになった。


――どうしてかぜがふくの?


「それはね、かみさまがオナラをしたんだ」


 普段は物静かな真也くんも、そういう話をする時だけは饒舌になる。私は真也くんの作ったお話を聞くのが大好きだったから、一緒に小学校に入学しても彼にずっと質問ばかりしていた。


――どうして空は青かったり、赤かったりするの、黒かったりするの?


「それはね。空に絵を描きたい神様が三人もいるからだ。朝の神様は早起きして、空を青く塗って白い雲を描いている。夕方の神様はのんびり起きてきて、頑張って赤い絵の具を塗る。でも、すぐに夜の神様が邪魔しに来て、空を真っ黒にして星を描いちゃうんだよ」


 私はずっとずっと質問ばかりして、真也くんはずっとずっと捏造ばかりしているものだから……いつしか、彼の作るお話は壮大な神話のようになっていた。


【投稿日】2023/12/30

【URL】https://ncode.syosetu.com/n3875io/

(シリーズの「まさかミケ猫 全ジャンル傑作選集」リンクから全ジャンル踏破企画の全作品を辿れます)

※以下、作品のネタバレを含みます


 みなさんこんにちは、完全な嘘話をそれっぽく捏造してまことしやかに他人に吹き込むのが大好きです。まさかミケ猫です。


 今回は「その他_その他」というジャンルの傑作を書いてきました。なかなか「どのジャンルにも当てはまらない」作品というのは難しかったのですが、これはかなり良いのが書けたなと思ってます。推敲しながら「好きぃ……」ってなってました。


◆発想のきっかけ◆


 ジャンルを見て頭にパッと浮かんだのは「資料集」だったんですよね。作中で真也くんの語るような捏造神話とかを考えるの、すごい好きなので。それで、資料集だったら間違いなく「その他」ジャンルだろうと。

 なので、タイトルはギリシャ神話→キリシマ神話→霧島くんの捏造神話みたいな連想ゲームを雑にして、おもしろ資料集を作っちゃおうかなーというイメージでタイトルをパッと出したわけですよ。


 だけど、いざ捏造神話を考えていた時に、


「君、資料集を傑作と言い張るつもりかい?」


 と脳内のリトルミケ猫が抉るような右ストレートを繰り出して来ましてね。


「君はなろう全ジャンルを傑作で踏破するって宣言したんだよね? で、資料集かぁ……ふーん?」


 なんて煽られまして。そんなわけで、私は脳内で全力の土下座をくりだして、吐血しながら方向性を大幅修正する羽目になったわけです。

 それなら、資料集としての神話にサイドストーリーを追加して物語にしちゃおう。女の子の質問に答える形で、霧島くんが一つずつ神話を捏造していく形はどうだろうと。そんな風に考えて本作が出来上がっていきました。


◆こだわりポイント◆


 なんといっても真也くんが語る神話ですよね。

 私もう、この神話の部分だけなら永遠に書いてられるんじゃないかと思って。小さな「どうして?」に不思議な理由をくっつけて捏造ストーリーを仕立て上げるのってすごく好きなんです。実は作品の雰囲気にマッチしないため除外した神話なんかも色々と書き溜めているので、また別の作品の中で活用していけたら楽しいなと思っています。


 というか、私自身が昔からボーっと自分の世界に浸っている真也くんのような子どもだったんですよね。いや、彼ほど素敵な人間ではないですけれども。

 一応、自分ではちゃんとしてるつもりだったんですよ? でも周りから「いつもボーっとしてるよね」って言われるような子で。運動会のダンスも棒立ちしてる映像が残っております。何を考えていたのか……たぶんなんか変なことばっかり考えていたような気がしますけど。


 えー、そんなどうしようもない自分自身を、できる限り美化して良いトコだけ素敵に切り出したのが真也くんになります。なんかごめんなさい。

 それと、タイトル回収だなんて胸を張れるレベルではありませんが、第三話の最後の一文については早い段階で「あ、締めはこうしよう」って決めておりました。そこを起点にいろいろとプロットの波を考えていった感じですかね。


◆苦労したポイント◆


 苦労とまでは言いませんが、深羽(みう)ちゃんの語り口ができるだけ明るく楽しくなるようにいろいろと心がけてみました。

 どうしても真也くんの紡ぐ神話は「作者が読んでほしい情報」を押し付ける形になってしまうので、彼女には「読者が読みたくなる感情」を担当してもらって、バランスを取った形になります。


 推敲の時に直していったポイントとしては、細かい単語の使い方だったり、同じことをもっと面白く言い換えられるんじゃないか、こういう話し方をした方がクスリと笑ってもらえるんじゃないか、なんて部分になりますね。

 もちろん、こういった軽い口調を書くのがナチュラルに得意な作家さんもいらっしゃるので、私はそういう天才肌の方々のエッセンスを超分析しまくって、どうにかこうにか再現しようと試みているわけですが……このあたり、ここをこうした方がより面白くなるよ、みたいな意見があればぜひご意見いただきたいものです。


 構想段階からの大幅な路線変更は大変でしたが、結果的には予想もしていなかった作品を書けてしまったので、めちゃくちゃ楽しかったです。

 自分の癖を詰め込んで書き切ったので、ある意味で当然なのですが、めちゃくちゃ自分好みの作品に仕上がってましたねぇ。


 改めてジャンルを考えると……


 ファンタジーやSFの要素はないですし、あえて一番近いジャンルを上げるなら「現代恋愛」かと思いますが、恋愛ドラマとしての起伏はありません。ヒューマンドラマというには人間模様ものっぺりしてますし、純文学と言い張るには人間の心理を繊細に描いたわけでもない。あくまで本作は真也くんが捏造する「神話」にフォーカスして物語を紡いだわけですね。


 よし。これは「その他」ですね(甘々判定)


◆「その他」の魅力◆


 創作って自由じゃないですか。

 私はプロットを作らないと自分が納得できる作品をなかなか書けない人間なんですけれど、逆にプロットを作るほうが書けなくなる人もいたりして。作り方もみんな違って、出来上がるものも全部違う。だから当然、うまくジャンル分けできない作品だって生まれますし、そういった中に次世代の種が眠っていたりするわけです。


 ジャンルを気にせず好き勝手に文章を書いてみたけれど、どこにも分類できない。そんな作品をまるっと受け止めてくれるのが、この「その他」というジャンルになります。

 つまりは「みんな自由に創作しようぜ! どこにも行けない奴はウチに来な!」っていうとても懐の深いジャンルだと思いますので、みなさまぜひぜひ安心して、自由に創作を楽しみましょう。


★次回予告★


 というわけで、今回も次に執筆する作品のジャンルを抽選で選び、フィーリングでタイトルだけ決めて執筆していきたいと思います。

 今回は思ってもみなかった作品を書けたので超楽しかったのですが、さすがに「コメディ」「その他」とけっこうキツいのばかり引き当てているので、今度こそ本当に書きやすいジャンルが来て欲しいところです。そろそろ頼みますよ、小説の神様。ルーレット、スタート!


 ドゥルルルルルルルルル……。

 テンテケテンテン、テンテケテンテン。

 ジャン!


●ジャンル→【文芸_ホラー】


 おおおおおぉぉぉぉぉ!!!

 本音を言えば、立て続けに現代ばっかり書いてるんで、そろそろ魔法とか出てくるやつ書きたいんですけど。ハイファンとか。ダメですか? ダメですか……ルールはルールだもんなぁ。


 この「ホラー」ジャンルのポイントは、とにかく読者を「ゾクゾクさせる」必要があるということですよね。読んだ人が「恐怖」という感情を想起させられる必要があるわけです。そういう意味では、目的がめちゃくちゃハッキリしているジャンルではあるんですよ。


 でもそれって、言うほど簡単ではないですよねぇ。

 単純に血みどろの化け物を出したら怖くなるかと言われれば、それは違うでしょう? 幽霊が出てくれば怖いのかと言われれば、別に幽霊自体が出てくるエンタメなんて腐るほどありますし。猟奇的な人間を出せば怖いのかってのも、同じ理由でそれだけの要素で怖がってくれる読者なんてあんまりいないんですよね。


 私自身はこれまであまり書いて来なかったジャンルなんですが、書き出し祭りや書き出しコロシアムで面白いホラーをたくさん摂取したばかりなので、どうにかこうにか私なりの全力のホラーをお出しできればなと思います。

 ククク、みなさまをゾクゾクさせてみせますからねぇ……覚悟して楽しみにしていてくださいね……。内容はこれから考えるんですけど。


 あーそうだ。

 タイトル決めるんでしたね……んー、これでどうでしょう。


【NEXT】

ジャンル:文芸_ホラー

タイトル:座敷わらしのリコちゃん


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