AI自動生成なんて創作じゃねえ!【SF_空想科学】
ジャンル:SF_空想科学
タイトル:AI自動生成なんて創作じゃねえ!
https://ncode.syosetu.com/n8762im/
◇作品紹介◇
AIの存在が当たり前になった未来。
小説家を目指す物垣ライタにとって『AI自動生成なんて創作じゃねえ!』という意見は共感できるものだった。と言っても、AIの便利さを全否定するつもりはない。昔と比べれば人類はすっかり数を減らし、食料生産、交通、行政、医療から教育に至るまで、AIなしで社会は回らないところまで来てしまっているのだから。
それでも、創作に関しては……心を揺さぶる芸術や、耳に残る楽曲、人々を熱狂させる物語を作るのは、人類にとって最後に残された「人間らしさ」なんじゃないだろうか。創作を志す者として、その情熱は失いたくないと彼は思っていた。
全てがひっくり返る、あの日までは――
【投稿日】2023/12/17より毎日17時
【URL】https://ncode.syosetu.com/n8762im/
(シリーズの「まさかミケ猫 全ジャンル傑作選集」リンクから全ジャンル踏破企画の全作品を辿れます)
※以下、作品のネタバレを含みます。またエッセイ掲載時に未投稿の部分は話はぼかして記載しています。
みなさんこんにちは。先日お絵描きAIに某魔法学校風の絵をリクエストしたら、主人公の周りで親友くんが三人くらいに増殖してて大爆笑してました。まさかミケ猫です。
今回は「SF_空想科学」ジャンルの傑作を書けたので語っていきたいんてすが……SFってファンタジーより人口少なめなのは、どうしてなんでしょうね。
日本では国民的猫型ロボットが何十年も活躍しているので、みんな意識のどこかに「便利な道具も使い方次第で大惨事になる」とか「栗まんじゅうが倍々で増えたらヤバい」とか刷り込まれていて、SF的な素養はみんな十分あると思うんですけれど。とっても楽しいジャンルですよ。
◆発想のきっかけ◆
さて、本作は「第二回書き出しコロシアム」に出場した作品なので、まず先に「書き出し祭り」「書き出しコロシアム」についてざっくり説明しておきます。
まず書き出し祭りはプロアマ百名が集まって冒頭四千字を武器に匿名で殴り合う楽しいお祭りです。祭りからプロへの道がひらけた人とかいますしね。
そして書き出しコロシアムは、書き出し祭りの上位入賞者が六千字×三話という凶器を持ち寄って覆面で殺し合いをする殺伐としたイベントになっています。超楽しかったぁ。みんなそれぞれの得意分野で超面白いのばっか書いてくるんだもん。私はストライクゾーンがかなり広めの人間なので、ジャンル問わずどれもバシバシ刺さりました。
そんな中、私はわりととんでもないタイトルの作品で猛者たちに勝負を挑んでみました。
実は私自身、大学時代に人工知能に関する卒業研究をしたくらいにはAI大好きっ子でして。まぁ当時はDeep Learningもない時代、Javaで再帰型ニューラルネットやパーセプトロンを作って遊んでた基礎研究みたいな世代なんですけど……なので最近のAIの発展はワクワクしながら見守ってるんです。私が死ぬまでには、どっかの優秀な研究者が猫型相棒ロボットを作ってくれるんじゃないかと期待してるんですよ。老後が楽しみ。
それでまぁ、AIについては創作界隈でも是非が分かれるじゃないですか。個人的には何にせよ、議論そのものに参加するつもりは欠片もないんですけどね。
それこそ産業革命で工場機械が登場したり、インターネットが世に出た時だって、顕在化するたくさんの課題をみんなが議論して様々な分野・業界でそれぞれが良い感じのルールや着地点を見つけていったじゃないですか。AIについてもそうやって頑張っている人が既にたくさんいるので、時間をかけて社会の形が変わっていくのかなぁと想像してます。
一人の文字書きとしてできるのは、ひとまず創作テーマとして面白おかしく活用するくらいかなぁと。何かを偉そうに語れる立場でもないですしね。
そんなんで、作品の構想自体は前々から温めていたので、書き出しコロシアムで闘うために作品化してみた、という次第です。
そしたらつい楽しくなっちゃいまして。気がついたら10万字くらい書いちゃってました。第四話までの序章でひとまずそこそこのジャブを打てたと思うので、ここから面白く面白く転がしていきたいと思います。あ、完結まで毎日更新です。
◆こだわりポイント◆
今回は書き出しコロシアムってことで、書き出し祭りの時の冒頭四千字で勝負するのとは、かなり意識を変えて作品を書いてきました。
というのは、書き出し祭りではたった四千字の冒頭だけで「作品全体の方向性」だったり「主人公の覚悟」だったりを読者に提示しないといけないんですけどね。
でも書き出しコロシアムは、第三話までは絶対に読んでもらえる企画なんですよ。だから、まるまる一冊分の小説を書くつもりで、序章(本作で言うと第四話まで)を通してライタが覚悟するまでの過程を丁寧に描きたいなと思ったわけです。
とはいえ、ダラダラと書いているだけではすぐに読者が離れてしまいますからね。気の長い構成にする代わりに、各話の末尾にはかなりこだわりました。読んだ人が「次どうなるの?」と引き込まれるように、プロットの段階から色々と仕込み、執筆時も修正したり取っ替えたりを色々やって、面白く仕上げていったわけです。
それから、本作でこだわった……というか、SFを書くにあたって意識しているのは、情報の扱い方でしょうか。
ミステリだと気になる謎を散りばめて読者を引っ張っていくじゃないですか。これがSFだと不条理を叩きつけて叩きつけて事態を大きく転がしていくことになるので、やり方としては真逆くらいの感覚でいるんです。頂いた感想では「最初からクライマックスだけど大丈夫?」なんて言われてましたが、第一話の博士のざまぁなんて、雪だるまを作る時の最初の小玉ですからねぇ。
もちろん情報を叩きつけながら伏線もあれこれ仕込んでいるので、びっくりしてもらえると嬉しいなぁと思ってます。ぜひぜひこの先の展開に期待しててください。
◆苦労したポイント◆
土下座を……土下座をさせてください……。
というのは、私は書き出しコロシアムの感想を見るまでこれっぽっちも意識できてなかったのですが、このタイトルだと「現在AIを正しく有効活用してる人」にめちゃくちゃ変な刺さり方をしちゃうじゃないですか。
これは本当に、ただひたすら謝らせていただきたくて。感想配信なんかを見ながら「ごめんなさい、ごめんなさい」と内心ずっと謝ってました。そんな事態は本気でまったく想定できてなかったんですよ。これは私が馬鹿でした。そりゃそうなるよね。本当にごめんなさい。ぜひ今後も気兼ねなく、AIを活用して創作活動を楽しんでくださいませ。
本作は結末まで書いちゃったので堂々と公開しますが、次からはこういう変なことにならないように、企画段階から気をつけようと思います。反省します。
あ、執筆自体に苦労ポイントは特になかったです。
一番好きなジャンルを自由気ままに書き殴ったので。
◆「空想科学」の魅力◆
皆さんは、ちょっとだけ先の未来にありえそうな技術って言われたら、何を想像しますか? 空飛ぶクルマ、相棒ロボット、サイボーグ、電脳空間、タイムマシン、巨大ロボット、はたまた宇宙に飛び出すのも良いですよね。みんなそれぞれ、色々思いつくと思うんですが。
そうやって面白いものをポンと一つ置いて、それを巡る物語を妄想するとこのジャンルになるわけです。恋愛モノが好きな人は、じゃあ例えばタイムマシンを使った恋愛を書いてみようかとか。コメディが好きな人は、巨大ロボットがボケツッコミを繰り広げて都会を大惨事にする作品にしてみようとか。
何を起点に、どういった物語を広げるか。
それを考えるのがめちゃくちゃ楽しいジャンルです。
困った時は、脳内の押し入れに居候している相棒ロボットに問いかけてみてください。まったく君は仕方ない奴だなぁ、と言いながら妙ちきりんな道具を出してくれると思いますので、それを使って作品を書けばいいんですよ。
あ、書き上がったら私にこっそり教えてくださいね。張り切って読みに行きますので。
★次回予告★
次回は「その他_童話」ジャンルになります。
実はXで見かけた「ひだまり童話館」様の素敵な童話企画に参加させていただいたのですが、今回のテーマが「ふにゃふにゃな話」ということで、私もほっこりほのぼのしたいなぁと思って書いてみました。
他の参加者様の作品も読ませていただいたのですが、素敵な作品ばかりで気持ちがふにゃふにゃに柔らかくなりましたよ。ぜひ検索して読んでみてください。これも楽しかったなぁ。
【NEXT】
ジャンル:その他_童話
タイトル:人をふにゃふにゃにするスイッチ
備考:第32回ひだまり童話館企画 参加作品