コウモリ戦士は黄昏に覚醒する【ファンタジー_ローファンタジー】
ジャンル:ファンタジー_ローファンタジー
タイトル:コウモリ戦士は黄昏に覚醒する
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◇作品紹介◇
――この映像は、作り物ではありません。
四国の山で生配信をしていた動画投稿者が、ノリと勢いで古い封印を破壊した結果、ウサギの化け物に首を切り落とされる。その凄惨な映像が作り物ではないと分かると、世間は大騒ぎになった。
東京でコンビニ店員をしている尾引ダイゴも、その映像を見て驚いた一人である。だが、自分には無関係。そう思っていたのだが。
『――なぁ、オレと契約して戦士になろうぜ?』
ダイゴの前に現れたのは……コウモリに似た怪物であった。
彼ら「トーテム」と名乗る怪物たちは、かつて人間の祈りによって生み出され、封印された存在。世界各地で暴れはじめた謎の化け物も、それを退治している超常の戦士たちも、その力の源はすべて「トーテム」なのだという。
頑なに契約を拒むダイゴであったが……急激に変化していく日常の中、決断の時はすぐそこまで迫っていた。
【投稿日】2024/3/23
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(シリーズの「まさかミケ猫 全ジャンル傑作選集」リンクから全ジャンル踏破企画の全作品を辿れます)
※以下、作品のネタバレを含みます
みなさんこんにちは、特撮を見てて傑作だなぁと思うと、高確率で脚本家の先生が同じなんですよね。どれも印象深い作品だからすごいなぁと思ってます。まさかミケ猫です。
さてさて、今回はジャンル「ローファンタジー」ということで、わりと頭を空っぽにして楽しく書かせていただきました。現代舞台にファンタジーを突っ込めばだいたいローファンですから、だいたいなんでも書けますもんね。楽しい。
◆発想のきっかけ◆
読者層的にたぶんポイントとかは振るわないだろうなぁと思ったんですが、一度めちゃくちゃ格好いい特撮ヒーローを思いっきり書いてみたかったんですよね。はい、ただそれだけの動機です。
あとコウモリモチーフのヒーローが大好きなので……ほら、あれとかあれとか。
特撮キャラのモチーフとして、コウモリって昔は敵怪人のイメージが強かった気がするんですが、平成あたりから主役級のモチーフになったりもしてわりとメジャーになりましたよね。あ、意識はしてなかったんですが、そういえばアメコミにも有名な人がいましたね。
◆こだわりポイント◆
覚悟を決めた最初の変身ってめちゃくちゃ格好いいじゃないですか。コレをもう最高に格好良く仕上げたかったので、第二話のそこに向けての盛り上げは初期段階から意識してました。
それと、今回は主人公をあえて一人だと不完全な奴にしてみました。媒体が小説だとなおさらだと思うんですが、絵的な格好良さよりも内面の揺れ動く様子の方にフォーカスして書きたいなぁと思ったんですよね。そういうの好きなんです。
それで、主役三人――ダイゴ、コバット、シオネの三者を合わせるとわりと理想のヒーローになるんじゃないかなと思ってまして。複数人のキャラ配置・関係性による魅力、みたいなものをちょっと出してみたいなとこねくり回した形です。
◆苦労したポイント◆
苦労。苦労か。苦労は全くしてないですね今回。ひたすら頭空っぽにして書いてただけなんですが……まーそれでも、あえて苦労した点を挙げるなら、「嘘を一つだけにする」という点でしょうかね。
ローファンでもSFでもそうですが、作品を考えるときは現実に「嘘」を混ぜ込むと思うんです。それで、今回この嘘は一種類にしたかったんですよね。ようは、敵の正体も主人公の能力も、すべてが「同じ嘘を起点に発生したモノ」で描きたいなぁというのが今回のこだわりでして。
もちろんそうじゃない名作もありますけどね。あくまで今回の作品に限り、私が意識していたポイントです。短編ですし、いろいろあるとゴチャゴチャしちゃうなぁと。
なので同じトーテムの力を与えるのでも、敵は「憑依」で主人公側は「契約」みたいに。そのあたりをひねり出すのは……まぁ、苦労は全然してないんですよね。ひたすら楽しく妄想してただけなので。はい。めちゃくちゃ楽しかっただけです。大好きなんです特撮ヒーロー。
◆「ローファンタジー」の魅力◆
ここまで主に特撮の魅力というか私の趣味しか語っていない気がしますが、ローファンタジーってジャンルは本当にいろいろ書けると思うんですよね。現実世界をベースにして不思議なものを混ぜ込めばこのジャンルになるので、すごくいろいろ選択肢の幅が広いと思います。
広い意味で考えるとホラーだってSFだってローファンに包含されると思うんですよ。文芸の各ジャンルも、あまりファンタジーを混ぜすぎるとこっちに寄ってきますからね。
現実世界の裏側にはこんな真実が隠されていた。または、現実世界に突然奇妙な事件が発生した。考える起点は色々あって、それを誰の目線でどう切り取って作品にするのかも自由ですから、もう自由にやりたい放題できる素晴らしいジャンルだと思ってます。
★次回予告★
というわけで、今回も次に執筆する作品のジャンルを抽選で選び、フィーリングでタイトルだけ決めて執筆していきたいと思います。
気がつけば残り2ジャンルですからね。残ってるのはVRと推理。ここまで来たら、どっちが先でも後でもあんまり変わらないので、最後まで楽しんでやっていきたいと思います。
というわけで最後のルーレットになります、小説の神様。これまでありがとうございました。ルーレット、スタート!
ドゥルルルルルルルルル……。
テンテケテンテン、テンテケテンテン。
ジャン!
●ジャンル→【文芸_推理】
おおう。ついに来たか推理くん。
ミステリはけっこう好きで読みはするんですけど、実は自分で書く機会ってあまりなかったジャンルなんですよね。皆無というわけではないですし、他ジャンル作品でもミステリ要素って大事だと思ってますが、主題に据えるにはめちゃくちゃ思考カロリーが高いというか。
なんというか、人それぞれ「デフォルトジャンル」みたいなものってあると思うんです。読者のこととかを何も考えずに作品を書き殴ると、さぁどんなものが出来上がるでしょう、みたいな話だと思ってください。
たぶん私は、本当に何も考えないで純粋に何かを書いたら「シュールコメディっぽいSF」みたいなものを書いてしまう人間だと思うんです。今回の企画の中で素の自分が一番出てるのは、たぶん「詩」ジャンルの「人間もすなる短歌というものをロボットもしてみんとてするなり」だと思います。私の頭の中の世界はだいたいあんな感じです。
で、SFって変な情報を読者に叩きつけて物語がどんどん発散していく。一方のミステリは散りばめた情報から真実に収束していきますよね。もうなんか、個人的には話の作り方としてけっこう正反対だと思うんですよねぇ。なのでめちゃくちゃ頭を使う感じで。
というのを踏まえた上で、今回は自分なりに楽しいミステリ書いてきたいなと思います。どうか優しい気持ちでお待ち下さいね。
【NEXT】
ジャンル:文芸_推理
タイトル:バレンタインの日、僕の下駄箱に毒物が仕掛けられていた





