【新説】邪馬台国はいっぱいあった【文芸_歴史】
ジャンル:文芸_歴史
タイトル:【新説】邪馬台国はいっぱいあった
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◇作品紹介◇
――大陸に生まれた強国「魏」からの使者が、どうやら邪馬台国の卑弥呼のもとへ挨拶に来るらしい。
そんな噂が各地を駆け巡ると、倭の島々に点在する大小様々な国が「うちが邪馬台国だ」「いやうちこそ邪馬台国だ」「俺こそが卑弥呼だ」と次々と名乗りを上げ、あちこちにニョキニョキと自称・邪馬台国が乱立する大騒ぎとなっていた。
大和国で日巫女の側近を務める男オモイは、奥の宮室で自らの主と話し合う。乱立する邪馬台国や量産される卑弥呼にどう対処しようかと頭を悩ませていた、ある日のことだった。
早朝にやってきた伝令。なんでも日巫女の弟であるタケハヤという男が、酒に酔って神殿中に糞尿を撒き散らしたのだというのである。その知らせを受けた日巫女は、溜まりに溜まっていたストレスがついに限界を突き破り、フラフラとその場を立ち去る。そして……
天岩屋戸と呼ばれる岩窟に、閉じこもってしまった。
【投稿日】2024/3/2
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(シリーズの「まさかミケ猫 全ジャンル傑作選集」リンクから全ジャンル踏破企画の全作品を辿れます)
※以下、作品のネタバレを含みます
みなさんこんにちは、古代の土偶が作られた理由には諸説ありますが、実は職人たちが全力で遊んだだけなんじゃないかなと密かに思ってます。まさかミケ猫です。
さて、今回は普段書かないジャンル「文芸_歴史」ということで、けっこう頑張りました。構想を練っている時に思ったのですが、他ジャンルの作品とは作るときの勝手が全然違うんですよね。すごく新鮮で面白い執筆体験だったと思います。
◆発想のきっかけ◆
過去の書き出し祭り(第二十回)で特別テーマとして「和風ファンタジー」ってお題が出た時があったんですよ。それで、私はその参加枠から漏れてしまったのですが、自分も和風なのを書きたいなぁと思っていて、「邪馬台国」や「弥生時代」といったキーワードで資料を漁ってた時期があったんですよね。
それから、第二回書き出しコロシアムでちょうどこのあたりの時代をベースにしたファンタジー作品を読んだりもしたので、邪馬台国書きたいなーとはずっと思っていまして。
邪馬台国って候補地がたくさんあるじゃないですか。
魏志倭人伝(というのは通称で、本当は「魏書」の中の東夷伝倭人条というらしいですね)の旅程通りに進むと、九州にたどり着いちゃったり。でも奈良には卑弥呼のものと推定される最古の古墳があったり。本当はどうなんでしょうね。ロマンだなぁ。
私は研究者ではなく小説家なので、まーその辺りは妄想マシマシで楽しく書かせていただきました。つまり、現在の邪馬台国候補地となっている各地は、当時――
全部「邪馬台国」を名乗ってました!
って感じで。
いや、はい。石斧で殴らないでください。もちろんこの物語はフィクションであり、実在の人物や団体とは何ら関係ありませんし、むしろ歴史の真実には掠りもしていない自信がありますけれど……楽しければいいかなぁと思いまして。
◆こだわりポイント◆
せっかく歴史ジャンルで書くのなら、できる限り時代の解像度は上げたいと思って、弥生時代の資料とかはわりと掘り下げたりしてました。
しかし、なにぶんニワカですので……いろいろと想像で補っている部分も多いです。弥生ガチ勢、邪馬台国ガチ勢の方からご指摘されれば平謝りするしかないと思ってます。あと古事記ガチ勢の方にも。
ただ、私なりの脳内弥生時代を楽しく書けたかなぁとは思っているんですよね。
それから、何と言っても三話の前半ですよ!
あえて言うまでもないかと思いますが、本作はみんなが大好きな古事記の「天岩戸」エピソードを、使い古された「卑弥呼=アマテラス」の構図で小説にしましたが……これをどこまで面白く書けるかなぁというチャレンジだったと思ってます。
◆苦労したポイント◆
歴史ジャンルの作品全般に言えることかもしれませんが、私は今回書いてみて初めて気が付きました。このジャンル……プロットの幅がめちゃくちゃ限られるんですよねぇ。
いやまぁ、考えてみれば当然なんです。例えば「織田信長は実は美少女でした」みたいな作品を書いたとするじゃないですか。それでも、読者はやはり「羽柴秀吉はどんな形で出てくるのか」「明智光秀はやっぱり裏切るのか、本能寺の真実は別の形なのか」ってあたりがどうしても気になってしまうわけで。
となると、ベースはある程度みんなが知っている流れを踏襲する必要があって、その上でどのように面白く作品化してくかっていう勝負になるわけですね。
ある意味で二次創作の作品に近いのかもしれません。これは他ジャンルにはない面白さだと思いますし、今回はいつもあんまり使ってない脳の部位を酷使したような気がします。なんだかんだ、執筆にも時間がかかりましたしね。
ちなみに米国の最新の研究では、人の脳内にも実は筋肉に良く似た細胞組織があるらしくて。その中でも、物語を作る時に活発になる部位を通称「小説筋(英語名は忘れました)」と呼ぶらしいんですよ。そんな話をたった今捏造してみたところなんですけれど。
私としては今回のチャレンジで普段は使ってない部分の小説筋が鍛えられたなと感じています。
◆「歴史」の魅力◆
知られざる過去というのは、ロマンですよね。
歴史は勝者が残すので、過去に本当に何があったのか、情報としては既に失われているものも多いのでしょう。それでも、人は過去を想像して、夢想する。歴史ジャンルの小説というのは、そういった人のロマンがもりもり詰まった素敵な作品群だと思います。
歴史の謎を追ったり、突きつけられたり。逆行して歴史を変えたり、突拍子もない要素を突っ込んでみたり。世の中には様々な作品がありますが、やはり時代は変わっても人間は人間なのだなと、そんな風に感じられるような作品は素敵だなぁと思ったりしています。
みなさんは好きな時代があったりしますか。歴史の裏側を妄想したりしてますか。いろんな人がいろんなことを考えて小説を書いているので、読みのも書くのも楽しいですね。
★次回予告★
というわけで、今回も次に執筆する作品のジャンルを抽選で選び、フィーリングでタイトルだけ決めて執筆していきたいと思います。
今回は歴史ということで、だいぶ脳を振り絞ってヘトヘトになっているので、次はあまり頑張らずに書けるジャンルに来てほしいなーと思います。推理くんとか自重してくださいね? フリじゃないからね?
というわけで頼みますよ、小説の神様。信じてます。ルーレット、スタート!
ドゥルルルルルルルルル……。
テンテケテンテン、テンテケテンテン。
ジャン!
●ジャンル→【SF_パニック】
おおおおおぉぉぉぉぉ!
神様ってばデレ期が来てるんじゃないですか。
いやはや、コレは大好きなジャンルなので、張り切って書いていきたいと思います。へへへ、やったぜ。
パニックといえばパッと浮かぶのはやはりゾンビものでしょうか。もちろん他のモノでも良くて、例えば隕石でも宇宙人でも日本を沈没させても、停電、大雨、大雪でも……要は「何かヤバい仮定を一つ置いたとき、それによって大混乱に陥る人類の姿をみんなで楽しみましょうね」という大変上品な趣味のジャンルだと思っています。これは大好き。愉悦愉悦。
あ、そうだタイトル決めるんでしたよね。
いいでしょう。
これで傑作パニックを書いてきます!
【NEXT】
ジャンル:SF_パニック
タイトル:ポジティブ・オブ・ザ・デッド





