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おっさんの徒然エッセイ

今更だけれど、ナーロッパにおける「魔法技術があるために科学が発展しなかった」設定に対する素朴な疑問

異世界ものを否定するわけでは無いんです。

ただ、普段から感じてる素朴な疑問についてのお話です。



 久々の長文タイトルでお送りします、奴隷乙劇場へようこそ。


 まあ、相変わらずタイトルのままなんですが、私は異世界転生ものが大好きなんですよ。なろうに登録したのも、無職転生に評価をいれたり、ブクマするためだったし、ランキング上位はもちろん、ランキング外の作品も含めて、異世界ものを読んで来たんです。

 中にはスチームパンクな世界観のものや、独自の科学技術が発展している世界観の作品もありましたが、だいたいの作品はタイトルのように「科学が魔法にとって変わられている」

 そのせいで、やたら高度な構造物はあっても、縫製技術や治金技術は高くても、魔法のおかげで科学は発達していないという歪な世界が多い印象です。


 別に否定するわけでは無いんですよ。そういうこともあるかも知れないとは思います。ただ反面、もし魔法が実在したら、むしろ科学は発達し、魔法と科学の双方が融合するなり、相互に高め合うのでは無かろうかと思うことがあるんですよ。

 前置きが長くなりましたが、と言うわけで魔法があれば、むしろ科学は発達すると考える論拠を示していきたいと思います。


 1 魔法の探究は詰まる所、自然の解明である。


 魔法とは何か これは作品世界によって異なるとは思います。魔法のエネルギーを体外の例えばマナのようなものに求めるもの、体内のオドとするもの、その両方を組み合わせるもの。

 魔法をそのような魔力を基にイメージで具現化するもの、数式や図形で具現化するものと様々ですが、属性などを含めて、その世界の自然や形而上の事物を含めた世界の真理を解き、その中で実用化できる技術を応用していく論理体系であることは共通していると思います。でなければ、特定の法則を持っている理由がありませんからね。その世界で正しく法則が理解されているパターンでも、間違っているパターンでも、その世界独自の法則が存在し、それを解明することが、魔法の探究なんですね。

 これって、自然科学の追究と重なりますよね。

 よく、炎の魔法に酸素を供給して火力をあげるってありますけど、あれって、まさしく魔法と自然科学が重なっていることの証左ですよね。まあ、酸素を供給するだけでは温度は上がらないと思うんですけどね。

 延焼反応って、確かに物質が酸化するときの熱によって発火する反応ですが、酸素が燃えてるわけではないですからね。化学反応によって起こる熱によって、物質が燃えているわけで、魔法による炎は酸化反応で発熱しているのではなく、魔力を炎に変換しているのでしょうから、単純に魔力を圧縮して多く込めるなどしなければ、火力も熱も上がらない気がします。

 それでも、酸素によって火力があがるとすれば、酸素をイメージによってマナに変換して、それを発現している魔法に送り込むことで酸化反応を擬似的に促進しているイメージの具現化をしているとかでしょうか。

 話がそれましたね。

 まあ、酸素の話は脇において、属性の探究や魔法の理解を深める学術的なアプローチは普通に科学ですよね。どのような原理原則によって事象が働くのかを推論して、実験し、実証して反証の上で確定していく。魔法も科学もこうした地道な研究の上で発展することは間違いないわけで、魔道具のようなものなんて、普通に電化製品ですから、エネルギー源が電気か魔力かの違いでしかないですからね。

 まあ、言ってしまえば、魔力という便利で汎用性も変換効率もいいエネルギーが存在する世界で、その魔力の活用方法を研究している科学分野が魔術体系だと考えられるとも思うので、魔法があるので科学が発展しないってのは不自然かなと思うんですよ。


2 宗教上の理由による阻害


 これはあるかな~って思うんですね。

 現実でも、キリスト教による弾圧で中世ヨーロッパが科学分野の暗黒時代になりましたね。科学的な発達が遅れるどころか、一部では退化してしまった。

 こうしたことのメタファーとして、中世ヨーロッパ風世界ナーロッパでは科学が衰退したって設定なら、かなり秀逸な皮肉で面白いですよね。

 ナーロッパの世界の場合、直接、神や神に準ずる存在から、特定の法則を間違って教えられたり、研究を禁じられることもありそうですが、これも、中世のカトリック教会の横暴ぶりを指すメタファーと捉えることも出来ますね。主人公はそうした教会の在り方に異を唱えた側となるわけです。

 しかし、この場合も「魔法によって」とはなりませんね。この場合、発展を阻害しているのは宗教勢力や神性存在そのものであり、また発展を阻害されているのは場合によっては魔術すら含まれていますよね。

 この世界は魔法が衰退しているってパターンのやつです。錬金術が結局のところ基礎的な科学知識に基づいていて、完全な詐術として使っていたものも含めて、科学の応用だったように、縛りがある世界の中でも、抜け道を作って発展させていくのが人間だとも思いますね。

 ガリレオみたいな人が異世界にだっているはずですよね。まあ、異端審問の厳しさがヤバい気はしますが。


 3 実験などが捗るはず


 鉱物などから、特定の結晶だけをダイレクトに抽出する。炎や氷を任意で出せる。風を起こせる。経年劣化を再現できる。などなど、数えあげたらキリがないくらいに、実験環境をととのえる、それを再現する、または維持する。その状態を任意の方向へ変化させるなど、現実には様々な機器や気象条件などを揃えなければいけないことが、魔法という便利な技術でクリア出来るなら、実験や反証は捗るはずですよね。

 学術研究をしている人間がこれを使わないはずがないし、某かの解明のために尽力するさい、こうした魔法技術を前提に研究方針が定められるはずですね。

 遠距離での通信や移動が出来るのに、空間の概念がないとか、広まっていないのは可笑しく思います。

 身体強化なども、それによって起こるメリットばかりではないと思うんですね、デメリットの研究やメリットを最大限活かすための研究はすると思うんですよね。最悪、寿命とかにも影響しそうですし、下手をして、強化し過ぎて即死なんてこともありそうですしね。ガイドラインをつくるための実験なんて、あっても可笑しくない、バフをかけられて死亡とか意味わかんないですからね。

 そもそも、理由も理屈もわからんものをかけられて、肉体を強化されるって、普通に怖いし嫌じゃありません。テイマー技術なんかで捕らえた哀れなゴブリンくんで生体実験とかデフォなんじゃ無いかな、なんて思ったりします。



 最後に


 改めて、別に異世界ものを否定するわけでは無いんですよ。

 ただ、あれこれと妄想を膨らませて、こんな魔法があるお陰でこの世界ではこの方向に技術が発展した、とか。ある国はこの属性が得意で治金技術が高まり、金属加工に優れていて、別の国は電磁関係の研究から早くにレールガンを実装していた、なんてロマンあるかな~とか。

 食料とかも、流通に関係するもの、保存に関係するものが研究されて、あらゆる地域の食材を新鮮に最高の状態で流通させられるので、豊かな食文化があるとか、宗教上の理由でとんでもなく粗食な地域があるとか、色々と弄ったら面白いだろうなってだけなんですよね。

 まあ、そんだけ妄想するなら、自分で書けよって話なんですが、実際に書くとなると、こうした歴史に根差した文化や慣習、それにあわせて発展した論理体系や技術体系をそれぞれの背景も含めて整合性を持って設定するのは難しいですからね。

 まあ、いつかはチャレンジしたいですね。


 皆さんの創作の何かの参考になれば幸いです。


 

 

ご意見、お待ちしております。

こんな発展の仕方とかありそうなんてのや、こんな作品書いてます、なんてのを教えて下さい。

妄想するなら俺にくれっ!!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] お~、自分の書いた感想を読み直したら、肝心なことを書いてないじゃん…。 [一言] 『なーろっぱ』世界で科学が発達していない原因のひとつは、『著者が魔法物理学の設定を充分にしていないか…
[良い点] うん。 ほんとは魔法(錬金術)から発達したのが化学なんですけどねぇ・・・。 ほんとは(ファンタジー的な)魔法が実在してたから、むしろ科学は発展してたんじゃないかなぁ~? [一言] 実…
[良い点] またまたいい刺激をいただきました! 実は自作の中で『原子に関する研究』を『邪魔する教団』がいたのですが、なぜあいつらはそんなことをしたのは不明だったんです! おかげで答えが見えてきました!…
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