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モノローグ
「別れよう」
耳に届くその声は紛れもなく僕の口から出たものだった。
桜の花びらが1枚 空を舞う
「ごめん、どういう意味?」
そう聞き返す彼女の声はいつもの太陽みたいな明るさはなく、微かに雨模様で小さく震えていた。
彼女の瞳が濡れていくのを見ながら僕の心は罪悪感に打ち震え、色んな感情が荒れている。まるで嵐のようだ。
何も言わず黙りな僕に彼女は「エイプリルフールとかふざけた事言わないでね」と少し雷を鳴らす。
「知ってる?エイプリルフールに吐いた嘘は1年間叶わないんだって」
「嘘ならもっとましな嘘をついてよ」とその場に泣き崩れる彼女に僕は「ごめんね」と謝り続ける事しか出来なかった。
桜の花びらが1枚 土と舞う